【2月のアクション】チョコレートで子どもたちを守ろう!
2021/02/09
世界が抱えるさまざまな課題を地球に暮らす私たち皆で解決し、サステナブル(持続可能)な社会をつくろう。「SDGs(エスディージーズ)」とは、地球の明るい未来をつくるための約束。SDGsを考えるきっかけになる、今月のアクション「つくる責任 つかう責任」をご紹介します。
◎What's SDGs◎
国連が定めた、地球の明るい未来のための17の目標。
「貧困をなくそう」「不平等をなくそう」「地球温暖化など気候変動への具体的な対策をしよう」など、これからの世界が解決すべき17の目標。2030年までの達成をめざしています。
教育も受けられず、過酷な環境で働く「児童労働」をなくしたい
<ナビゲーター>
認定NPO法人ACE 共同創業者・事務局長 白木朋子さん
2009年、カカオ生産地の児童労働解決をめざす「しあわせへのチョコレート プロジェクト」を立案。企業やガーナ政府と協働し、子どもたちのための制度づくりや、消費者啓発のための教材開発や映画制作にも取り組む。http://acejapan.org/
世界では、約1億5000万人の子どもたちが学校にもきちんと通えず、農作業などをして働いています。このような義務教育を妨げる労働や、法律で禁止されている18歳未満の危険・有害な労働を「児童労働」と呼びます。児童労働の割合が最も高いのがアフリカです。ふだん私たちが何気なく食べているチョコレートの原料となるカカオ豆の主な生産地・西アフリカでは、カカオ農園での児童労働が問題となっています。貧困とも関連の深い児童労働をなくすために、私たちに何ができるのでしょう?
例えば、企業が児童労働のない環境で生産されたカカオ豆を使ってチョコレートを生産し、私たちがそれらのチョコレートを選んで買うことは、「児童労働をなくす」ことにつながります。児童労働について関心を持ったり、寄付で応援する方法もあります。
児童労働の現状を知ろう
児童労働とは?
子どもの教育と健康を妨げるもの。
児童労働者は1億5200万人
2016年時点の世界の児童労働者数(5~17歳)は1億5200万人で、10人に1人が充分な教育を受けられず働いており、そのうち半数が危険な仕事をしています。コロナによる世界的な経済危機で、児童労働が増えることが心配されています。
出典:Global Estimates of Child Labour: Results and trends, 2012-2016
バレンタインデーにもおすすめ!子どもたちの笑顔をつくるチョコレート
もうすぐバレンタインデー。大切なだれかに贈るチョコレートを選ぶとき、遠くの国の子どもたちが少しでも笑顔になれるように、と考えてみませんか?チョコレートと一緒に、そんな温かい気持ちを親子で味わってみて!
私たちが選ぶチョコレートが、西アフリカの子どもたちの教育を支援(©ACE)
右上から時計回りに、「ダース〈ミルク〉」¥110(※)/森永製菓、「ブラックサンダーひとくちサイズ」¥100(※)/有楽製菓、「オリジナル フェアトレードチョコレート ミルク」¥172 /カルディコーヒーファーム、「フェアトレードチョコ 板チョコ ミルク スペシャルパッケージ」¥350 /ピープルツリー
チョコレートを買うときの目印になるラベル
児童労働や環境のことを考えて、サステナブルな方法で作られたチョコレートを買いたいときは、一定の基準を満たしていることを示した企業や認証団体のラベルをチェックしてみましょう。お店で子どもと一緒にラベル探しをするのも楽しそう!
森永製菓が国際NGOプラン・インターナショナル、ACEとパートナーシップを組み、商品の売上の一部をガーナなどの子どもたちの教育支援に。年間を通して行う寄付に加え、〈特別月間〉は対象商品1個の売り上げにつき1円の寄付に。
児童労働をなくすことに取り組む農園で収穫されたカカオを「ブラックサンダー」などに使用する有楽製菓の「スマイルカカオプロジェクト」。「ブラックサンダー」を買うと、子どもたちを守る農業コミュニティーの構築を支援することに。
国際フェアトレード認証ラベル。適正な価格の支払い、長期的な取引、児童労働の禁止、環境にやさしい生産などの基準を定め、開発途上国と公平な取引をして生産されている商品につけられる。代表的な認証商品はチョコレートやコーヒー。
フェアトレードを行う団体を認証する、世界フェアトレード連盟(WFTO)の保証ラベル。WFTO加盟の生産団体や販売団体が、原材料から生産までWFTOが定めた「フェアトレード10の指針」を守っていることを保証したもの。
レインフォレスト・アライアンス認証マーク。人と自然にとってよりよい未来の創造を推進する、より持続可能な農法で作られた製品につけられる。自然環境や人権の尊重、児童労働などの禁止、安全に働き暮らす環境などの基準がある。
本から学ぶ、児童労働の現実
世界には学校に通えず、厳しい労働をしている子どもたちがいることについて、絵本や本を通して、子どもと一緒に考えるきっかけにしてみましょう。
「そのこ」
谷川俊太郎・詩、塚本やすし・絵 ¥1500/晶文社
西アフリカのガーナでカカオを収穫する「そのこ」と、日本にいる「ぼく」の日常をシンプルに描くことで、児童労働をイメージしやすくした絵本。
「子どもたちにしあわせを運ぶチョコレート。」
白木朋子 ¥1400/合同出版
世界の児童労働の現状を知り、児童労働をなくすために自分たちに何ができるかを考えることをわかりやすく解説。小学校高学年から。
サンキュ!STYLEライターがチャレンジしました
<チャレンジャー>
サンキュ!STYLEライター Miichanさん(石川県 34歳)
花栞ちゃん(年長)、率花ちゃん(3歳)
5歳と3歳の姉妹を育てるママ。週4日働きながら、料理も暮らしもラクに楽しくをモットーにSNSで日々の様子や、地元・能登の魅力を発信。能登の魚醤「いしる」と無水調理ができるステンレス鍋を使ったほったらかし調理が得意。
遠い国の子どもたちも、日本の子どもと同じように学校に行けるようになるといいね、と話しました。
どれにしようか迷っちゃう!このチョコレートがカカオ農園で働く子を助けるんだね、と娘たち。
働く子どもたちの現実をあらためて実感
フェアトレードという言葉は知っていましたが、子どもと絵本や本を読んで、あらためて児童労働について考えさせられました。多くの人が児童労働やフェアトレードを知ることで、スーパーに並ぶ商品も増えそうですね。
■商品に関する問い合わせ/キャメル珈琲(カルディコーヒーファーム)https://kaldi.co.jp、フェアトレードカンパニー(ピープルツリー)https://www.peopletree.co.jp、森永製菓お客様相談室 TEL0120・560・162、有楽製菓 https://www.yurakuseika.co.jp/
(※)は編集部調べの価格です。
参照:『サンキュ!』2021年3月号「Find your SDGs」より。掲載している情報は2021年1月現在のものです。撮影/安部まゆみ イラスト/macco 取材・文/工藤千秋 編集/サンキュ!編集部
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