ほうっておくと将来ヤバイ!親と揉めない正しい「実家の片づけ方」よくあるトラブル3選
2022/08/28
親とモメない実家の片づけ方は?実家に物があふれているとさまざまなトラブルの原因に。さりげなく片づけへと誘導するコツをご紹介します。声がけするときのOKワードやNGワードを参考にしてみて。
<教えてくれた人>
安東英子さん
一般社団法人「日本美しい暮らしの空間プロデュース協会」理事長。約40年にわたり、全国の5000軒の家の片づけをサポート。
実家に物があふれているとさまざまなトラブルの原因に
親が物を捨てられないという実家の片づけ問題は、今や社会問題に。本人がつまずく、落下物でケガをするなどの事故のほか、片づけが原因でケンカになる、遺品整理に高額なお金がかかるなど、子ども世代が巻き込まれるケースも少なくありません。おすすめは、親が元気なうちに、掃除を口実に一緒に片づけること。やみくもに捨てるのではなく、親の気持ちを尊重しながらトライしてみて。
「実家の片づけ」のよくあるトラブル
いざ実家の片づけを始めてみたら、想定外の事件が起きることも……。あなたの実家も人ごとじゃない!?
1 縁切りトラブル
片づけで言い合いが深刻化!実の親子でも絶縁状態に。
"アイスのからのカップ"を捨てるか捨てないかで口論になり、最後には親が「出ていけ!」と、まさかの親子の縁切りを宣言。片づけを持ちかけただけで「死人扱いするのか」と激怒する親など、トラブルはつきません。
2 お金トラブル
不要品の処分代で100万円!なかには500万円を超えた人も。
親が亡くなり、業者に片づけを頼んだら、100万円以上の請求がきてびっくり! 実家の規模によっては300万円、500万円かかるケースも。だれが支払うか、きょうだい間でモメることも少なくありません。
3 時間トラブル
毎週末、実家に片づけへ。5年の年月を費やして疲弊。
毎週休日を使って実家に通い、大量の物を整理……。数カ月から、長くは5年もかかったという人もいます。実家が遠方にあれば交通費も莫大に。自分の時間とお金を犠牲にして、むなしい気持ちになる人が多数。
親とモメない実家の片づけ方
物を捨てたくない親は、片づけに対しても消極的。親とモメず、さりげなく片づけへと誘導するコツを教えます。家中を一気に片づけるのではなく、帰省したときなどに少しずつ始めてみて。
親に声がけするときのNG&OKワード集
上から目線の言い方はNG。親のプライドを傷つけて、消極的にさせてしまいます。親を気づかう言葉が、片づけを成功させるコツ!
OKワード
・掃除するよ
・しよう
・使いやすくしまおう
・体が心配だから
・これだと不便じゃない?
NGワード
・捨てようよ
・それ、いつ使うの?
・汚いよね
・片づけようよ
START!【声がけ】「片づけるよ」ではなく「掃除するよ」と声をかける
「片づける=捨てる」という先入観があるため、「片づけよう」と言うと親は反発するもの。親の警戒心を解くには、「掃除を手伝うよ」という声がけがおすすめです。
【場所を決める】キッチンの引き出しか洗面所、どちらかを親と選ぶ
思い入れの強い服や雑貨の片づけは、捨てる捨てないでケンカになりがち。一方で、賞味期限切れの食材や古い洗剤などは捨てる判断がしやすく、親とモメにくいです。
【ルールを確認】ゴミ出しの日や引き取りサービスを確認する
年を取ると、大量のゴミを捨てる行為自体が負担に。ゴミの収集日や分別など地域のルールを確認しておくとスムーズ。家の中まで取りに来てくれる引き取りサービスもあります。
【道具を用意】45Lのゴミ袋10枚とぞうきんを用意する
不要品が袋に入りきらない、袋が破れて中身が散らかった、となるとストレスが倍増。ゴミの多い家ほど、小さく薄い袋を使う傾向があるので、45L袋とぞうきんを準備して。
【分類】物をすべて出してアイテムごとに分類する
しまってある物をすべて出し、物別に分類。分散していた物を集めることで、「おたまは4本も必要ないね」など物の多さに気づき、捨てる踏ん切りがつきやすくなります。
【掃除】収納スペースをピカピカに掃除する
棚や引き出しがからになったら、徹底的に掃除します。すると「きれいになった所に汚い物は入れたくない」という心理が働き、捨てることに前向きになってくれることも!
【相談】物の要・不要を相談しながら元の場所に戻す
明らかに不要に見える物でも「もういらないよね」と一方的に決めつけてはダメ。「この中で大事な物はどれ?」「どこに置きたい?」と親の気持ちを尊重することが大切。
※『サンキュ!』17年10月号~22年4月号に掲載された記事を抜粋、加筆、再編集しています。名前、年齢、家計などについての情報は、取材当時のものです。
※名前は本人の希望により仮名を使用している場合があります。
※都道府県名、年齢、住居形態、間取り図は、事情により掲載していない場合があります。
参照:『サンキュ!』2022年8月号「捨て方事典」より。掲載している情報は2022年6月現在のものです。編集/サンキュ!編集部