プロに聞いた!家に居るだけで疲れる部屋の傾向と対策9つ
2024/02/20
自分の家はまさしく「ホーム」。なのに「アウェー」に居るかのごとく落ち着かず疲れちゃうのはなぜ!?
3人の専門家に、その理由と手軽にできて居心地のいい部屋に変わる方法を伺いました!
<教えてくれた人>
・整理収納のプロ 中山真由美さん
整理収納アドバイザー1級認定講師。RittaStanza代表。片づけが苦手だった過去を克服した経験に基づく実践しやすいアドバイスが大好評!『10分でスッキリ!捨てない片づけ』(主婦と生活社)。
・インテリアのプロ MAKOさん
インテリアトータルプロデューサー。Laugh style代表。企業やCM撮影、モデルハウスのスタイリング、インテリア関連のセミナーのほか、テレビや雑誌、Webなど各メディアで活躍中!
・心理のプロ 大嶋信頼さん
心理カウンセラー。インサイト・カウンセリング代表取締役。片づけにまつわる悩みに心理学や脳科学からアプローチ!『片づけられない自分がいますぐ変わる本』(あさ出版)など著書多数。
部屋に入った瞬間に目に入る場所がゴチャゴチャ!
「帰宅して『ただいま~』と扉を開けた途端、物だらけのテーブルや棚が見えると、物が押し寄せてくるような圧迫感に襲われてゲンナリ。家事も片づけから始めなければならず、マイナスからのスタートに(涙)。何もしていないのに精神的に疲れてしまいます」(中山さん)。
●玄関、開けたらこう!
「置く場所がなくてちょい置きした物を放置し続けた結果、玄関が無法地帯に!実家から届いた荷物も箱のままここに(汗)。帰宅した瞬間の視界のひどさに、疲れが3割増し」。
『サンキュ!』読者 きのこのこさん(北海道 35歳)
●帰宅直後のリビングがこう!
「買い物から戻ってリビングのドアを開けたらこの状態。ソファのひじ掛けには取り込んだ靴下がだらり。テーブルの上には使いかけの物や行き場のない物が散乱してて全然気が休まらな~い(涙)」。
『サンキュ!』読者 風の谷のマイケルさん(埼玉県 37歳)
<家具を並べ替えるだけで圧迫感は減ります!>
「背の高い家具は部屋の入り口近くに、背の低い家具は部屋の奥に置くと、遠近法による目の錯覚で広々感じます。また、家具の量は床面積の3分の1くらいまでに抑えると圧迫感を感じにくくなります」(MAKOさん)。
<ダイニングテーブルの上だけでも整えるとスッキリ!>
「つい物を置きやすいゴールデンゾーンは目にも入りやすい場所。そこだけでも、斜めに置かれたリモコンを縦に置き直す、紙類は角をそろえて真っすぐにするなど、"小さく整える"だけで違って見えますよ」(中山さん)。
365日、足の踏み場がない
「床の空きスペースは心の空きスペースと言うほど、住空間の余白は心のゆとりと深い関係が。床に物が散乱していると心も乱れて疲れがち」(中山さん)。
「家の中で自分が『不快』な状況に長くいると、脳も体も緊張状態が続いて疲れも慢性的に……」(大嶋さん)。
●床の上にもどっさり!
「元寝室が、しまう場所がない物の最終集積所に(涙)。カーテン前の床も観葉植や謎の段ボール箱で埋め尽くされて、スムーズに窓を開けられず毎回イライラ!床に何もない部屋で暮らした~い!」。
『サンキュ!』読者 さよさん(岐阜県 37歳)
<部屋=心を映す鏡。少しの余白を心がけるだけで心地よさが変わってきます>
「収納に空きスペースがあるとつい何か入れたくなるもの。でも空間のゆとりがちょっとあると、出し入れしやすく見た目もスッキリ、心地よい状態に。まずは棚1段でいいから、いらない物を減らして余白をつくってみて」(MAKOさん)。
<「捨てる」ことで、物に宿った不快な感情も整理できます>
「実は物にはそれにまつわる記憶が詰まっています。買って失敗した物を見るたびにモヤッとするのもそのため。物がなくなればイヤな記憶も消えて美化されるので、見ると不快な物だけでも手放して楽になろう!」(大嶋さん)。
色数が多くて目がチカチカする
「キャラクターグッズやおもちゃはカラフルな物が多く、部屋の色数が増える原因に。色も視覚情報なので色数が多いと目から疲れます。自分の趣味でカラフルにしたならいいのですが、家族が持ち込む物で色数が多い場合などは余計にストレスを感じがち」(MAKOさん)。
●子どもの物は特にカラフル~
「子どもの本やおもちゃ、ゲーム機などをしまう棚はいっつもゴチャゴチャ!おまけに子ども2人が散らかして、片づけるのは私1人。勝てる気がしません(涙)」。
『サンキュ!』読者 さよさん
<にぎやかな色は隠すのも手。目に入る場所は淡色をメインに>
「色が目立つ物はかごなどに入れて隠したり、ソファ周りなど目につく場所のインテリアをベージュやアイボリーなど淡色系にしたりすると落ち着いた雰囲気に。差し色には観葉植物や生花がおすすめ。植物にはリラックス効果もありますよ」(MAKOさん)。
誰も片づけを手伝ってくれない!
「片づけるのは私だけ、家族が散らかしたのに片づけるのは私というストレスフルな状態は、甲状腺に負担をかけてぐったり疲れるもとに」(大嶋さん)。
「家族の物はどこに戻すべきか、捨てていいのか迷いがち。自分で判断できないので物に振り回されることになり、疲れてしまうんです」(中山さん)。
●子どもが帰ってきたら一瞬でコレ!
「子ども2人のランドセルから飛び出したノートや筆箱、脱いだ服や靴下も。さっき片づけたのに、私は家政婦じゃない!でも私がやらないとこの家はゴミ屋敷になる……」。
『サンキュ!』読者 Y・Sさん(神奈川県 39歳)
<夫や子どもの物をあちこち点在させず、せめて人別に集めてみて>
「物が点在していると、取るのも戻すのも大変。人別にまとめて収納すると、家族も戻しやすくなって協力度がUP。人の物は自分の物より目につきやすいので、1カ所に集めることでイライラも減るはず」(中山さん)。
<イライラは自分への攻撃!褒め言葉をうまく使おう>
「誰も片づけてくれないとイライラして当然だけど、脳が疲弊するので上手にコントロールすると◎。まず『私、頑張ってる!』と自分を褒め、次に、夫に子どものことを褒めてみて。『元気によく遊んだよ』などどんなことでもOK。ポジティブな気持ちが連鎖して心が軽くなる上、家族も片づけてくれるようになるかも」(大嶋さん)。
見るだけで安らぐお気に入りの物が何もない
「収納グッズや部屋に置く物を『コレ"で"いいや』と適当に選んでいませんか?居心地のいい部屋にするにはお気に入りの物や場所をもつことが大事。かご1つ、トレー1つでもいいので『コレ"が"いい!』と心から感じる物を少しずつ増やしてみて」(MAKOさん)。
●ゴチャゴチャのカオスコーナー
「私の雑誌やノートなど私物を置く棚をリビングの隅に設置。でもいつの間にか家族の物置き場と化していて、どんどんカオスに……」。
『サンキュ!』読者 きのこのこさん
<「一時置きBOX」をちょっと素敵な物に替えるだけで気分はアガる>
「DMなどを一時置きするBOXは安いプラスチック製品を選びがち。自然素材のかごなどに替えると、きれいな状態を保とうとして片づけモチベーションがUP!毎日使う物こそ、ちょっといい物に替えてみて」(中山さん)。
<灯りの力を借りて、心落ち着く空間を演出してみよう>
「部屋の光源が直接目に入るとまぶしくて目が疲れます。高さを変えるか、シェードタイプの照明で光を和らげて。フロアスタンドなどの間接照明をコーナーに置くと、光の陰影ができて安らげる部屋に」(MAKOさん)。
プロ3人から、今日もクッタクタのあなたへ 疲れに(ちょっぴり)効く口ぐせ
「この部屋、疲れるな~」と感じたら、紹介するフレーズを唱えてみて。ポジティブな言葉の力でリフレッシュ♪
●片づけ下手な自分を責めてるあなたへ
「私よくやってるよ、エライ、エライ!」
「片づけられない人は実は完璧主義者が多く、100%片づけなきゃダメと思ってつらくなりがち。でも隙間時間に1カ所整えるだけで十分エライ!意識して自分を褒めてねぎらおう」(大嶋さん)。
●子どもの物の片づけでイライラしちゃうあなたへ
「子育ては永遠じゃない。今がピークなだけ」
「私も子どもが小さかった頃は大変でした。でもいつか終わるから!大変なのは今だけと思うと落ち着くかも。そしてイライラする時間を部屋をちょこちょこ整えることに使ってみて」(中山さん)。
●うまくインテリアを楽しめないあなたへ
「よし、心地よさを優先しよう」
「子育てや仕事で忙しい今は、デザインより機能性重視で物を選んでみては?ラグマットも洗える物なら管理しやすいし、いっそ手放してもOK。自分を快適にしてくれる物が一番です」(MAKOさん)。
参照:『サンキュ!』2023年3月号「今年こそ『居るだけで疲れる部屋』を卒業!」より。掲載している情報は2023年1月現在のものです。イラスト/德丸ゆう 構成/竹下美穂子 取材・文/神坐陽子 編集/サンキュ!編集部