伝統的な日本の旅館

『私みたいなしくじりはしないで!』松本明子さんの実家じまい

2023/06/12

「電波少年」など多くのバラエティ番組で一世を風靡した松本明子さんは最近、誰も住まなくなった四国の実家を処分。使ったお金は約1800万円、気力も体力も使い切ってヨレヨレに……。「私みたいなしくじりはしないで!」と叫ぶ松本さんの赤裸々過ぎる反省会、始まり始まり~。

今すぐできる素敵なくらしのアイデアを毎日発信中。お金の貯め方から、時短掃除、洗濯、料理作りなどの家事の知恵、...

>>>サンキュ!編集部の記事をもっと見る

<教えてくれた人>
松本明子さん
1966年生まれ。香川県出身。82年にオーディション番組「スター誕生!」に合格し、翌年、歌手デビュー。元祖バラドルとして「進め!電波少年」などに出演し、気さくで明るいキャラクターで人気を確立。現在はバラエティー番組、ドラマ、映画、舞台で幅広く活躍。22歳の息子の母。

実家じまい終わらせました!実家じまいに25年かかった経緯と出費を洗いざらい告白!(祥伝社)

大好きだった父の遺言「実家を頼む」。思い出たっぷりの実家が、人生最大の悩みの種になった

父が亡くなったのは20年前。「明子、実家を頼む」と遺言をのこしていきました。思い出深いわが家を守ってほしい……そんな願いがこもった遺言は重く、実家を手放すなんて発想はありませんでした。その後、東日本大震災があって緊急時の避難先にしようと思い、約350万円かけて水回りなどをリフォーム。ですが実家に寝泊まりすることは一度もなく、家が傷まないよう換気や掃除をしに帰るにも、とにかく遠くてお金も体力的にもめちゃキツーイ!!
私も50歳を過ぎ、実家をこのまま放置したら将来1人息子に負担をかけてしまうと思い、「実家じまい」を決意。買い手が見つかるように再びリフォーム(約250万円)をしたにもかかわらず、査定はまさかの200万円!
家族には思い入れのある家でも、市場の評価とは冷酷な差があると思い知りました(涙)。翌年600万円で売れたけど、気づけば長年空き家だった家に約1800万円も費やしていました。あ~あ。

実家は香川県高松市の郊外にあり、私は中学卒業後に上京するまで10年暮らしました。27歳で両親を東京に呼び寄せて同居したので、実家は25年間空き家でした。

修繕に維持費……住んでない実家を手放すまで使ったお金は約1800万円

家族の思い出がぎっしり詰まった家

ご先祖の骨董品から私の子ども時代の作品や笛まで丸ごと保管。

マイホームはサラリーマンの父の夢だった

昭和一ケタ世代の父にとっては"小さな城"。庭には大きな石や石灯籠も。

見晴らしはいいけどアクセス最悪

窓から瀬戸内海が見えるけど、市の中心部から電車と歩きで1時間。山の上でずっと坂道。

父の思い入れ全開。宮大工さんが建てた総ヒノキ造りの5DK

伝統的な技術で釘を使わずに建てた純和風の家。凝った欄間や床の間も父の自慢。

実家を手放すまでにかかったお金と内訳

出費は合計で1885万円

なのに査定は200万円、建物の価値は0円。土地代だけ。
もし、更地にするなら500万円。

ご先祖と親の家財と遺品断捨離でヘトヘトになりました

家を引き渡すまでの3カ月、仕事の合間に高松に通い必死に片づけ。物を捨てない血筋のようで、先祖代々の持ち物で家は物だらけでした。

大量の本やレコード、実家に預けた私の衣装やトロフィーは東京の実家に持ち帰ることに。合計10往復。交通費だけで40万円以上使いました。

引き渡し期限の間際には10日間、高松に泊まり込み。朝8時から深夜11時まで片づけまくって、宿泊はスーパー銭湯。これで10万円の出費。

捨てた不用品は2tトラック10台分!!ゴミ出しだけで100万円かかりました。遺品整理に想像を絶する出費と体力をつぎ込みました。

こんな物がありました

軍人だった祖父のサーベルや日本刀は銃刀法で東京には運べず、地元の骨董屋さんに二束三文で引き取ってもらいました。

車のトランクを埋める約2000冊の本は東京の古本屋さんへ。ほぼ値がつかず、しかも百科事典は引き取ってもらえず。

愛情豊かな両親。私が学校で使った縦笛や彫刻刀、書道作品もぜ~んぶ取っておいてくれてました。

両親が録画してくれた私の出演番組やCMのビデオ。東京の専門業者に頼み40万円払ってDVDに変換してもらったけど、実はまだ1度も観てません。

実家じまいでしくじった松本さんからの伝言

【実家】

先送りするほど出費が増える

実家を何とかしなきゃと思いながら、毎日忙しいし、父の思いも尊重したいし……と後回しにしてしまったのが最大の反省点。そこに家があるだけで固定資産税が年8万円、火災保険が年10万円などエグい出費に。処分を先送りするほど負債がどんどんかさむと覚えておいて下さい~。

維持費をナメると痛い目に

空き家を持ち続けていると、税金や保険料のほかにもいろんなお金がかかります。いちばん想定外だったのは庭の手入れ代!植木や草が伸び放題になると害虫や動物を呼んで近所迷惑になるから、放置できないんですよ。その手入れ代が総額200万円!!誰か教えて欲しかった……。

親や子には大切な家でも、他人にとっては二束三文

父は実家に2000万円ほどの価値があると思っていた様子。でもフタを開けたら家屋は0円、土地代200万円。家族の思い入れと市場価格には冷酷なギャップがあるんですねぇ。実家じまいを考えている人、まずは一度査定して現実を知ることをおすすめします。

【家財・遺品・生前整理】

親に「片づけて」と言うとだいたい険悪になる

つい「片づけて!」と言いがちだけど、それ、禁句。親はどんどん意固地になって逆効果です。子どもと一緒に片づけたい親も多いと聞きますので、帰省したときに「お母さんの宝物は何?」と聞いたりして、親の思いに寄り添いながら少しずつ片づけを進めましょう。

人の話を引き合いに出すと親は素直になる

生前整理は言い出しづらい話題だけど「松本明子が大損したって、テレビで言ってたよ」など、例えば私をダシにさりげなく話すと、案外聞く耳を持ってくれるもの。このページを実家の食卓に広げておいたりして、片づけのきっかけづくりにお役立てください(笑)。

遺品整理は自力でやると大変過ぎ

物を捨てない親の大量の遺品の整理はとにかくハード。自力でやるとヘトヘトになるので、遺品整理の専門業者さんに頼むことも検討しましょう。家にある物を丸ごと整理して、売れる物は売ってくれるそうですよ。私がそんな業者さんの存在を知ったのは、実家じまいをすべて終えたあと。知ってたら絶対利用してました――。

参照:『サンキュ!』2023年6月号「松本明子さんの実家じまいと家財・遺品 断捨離(R)しくじり反省会」より。掲載している情報は2023年4月現在のものです。撮影/久富健太郎(SPUTNIK) まんが/北沢バンビ 取材・文/神坐陽子 編集/サンキュ!編集部

 
 

PICK UP ピックアップ

TOPICS 人気トピックス

RECOMMEND