自宅収納の「防災観点」は大丈夫?片付け名人が教える安全な収納のポイント
2021/08/17
スッキリと整理整頓された収納。でも、それだけでいいのでしょうか?災害時に必要なものがすぐに取り出せる、避難経路の邪魔にならないなどの「防災観点」も持っておきたいところです。
家事代行サービス「カジタク」を展開するアクティアに所属の山口さんに、防災を意識した収納術について教えてもらいました。
収納の防災観点1:床置きはNG!足元の確保
災害時に備えて意識しておくべきことのひとつ目は、足元の確保です。いざというときに、床・廊下・階段などにあれこれものが置いてあると、避難経路の妨げとなります。
ふだんは廊下や階段の脇にものが寄せてあったとしても、地震によりモノが崩れ落ちて、通路の真ん中までふさいでしまうこともあります。
また火事のときには煙で視界が悪くなりますので、床にものがあると、つまずきの原因や、進行を妨げる障害にもなります。
買ってきた商品や、日常使っているものが床に置いたままになっている場合は、すぐに収納場所に片付ける習慣にしておきましょう。
収納の防災観点2:高所の収納は軽い、柔らかいものを優先
地震で怖いのは、高い所から硬いもの・大きなもの・鋭利なものが落ちてくることではないでしょうか。もちろん、大きな家具の下敷きになるのも恐ろしいことです。
そのような事態を避けるためにも、次のような対策をとっておきましょう。
・高い収納場所には、できるだけ軽いもの・柔らかいものを収納する。硬いもの・大きいものは下のほうに収納する。
・棚からものがすべり落ちてこないように、棚の中にはすべり止めシートを敷いておく。
・倒れてくるリスクが高い家具には、しっかりと転倒防止対策を施しておく。転倒防止用突っ張り棒、耐震マット、転倒防止ストッパーなど、さまざまな対策アイテムがあるので、面倒くさがらずに設置しましょう。
収納の防災観点3:定位置を決めておく
日ごろからよく探しものをしているかたは、ぜひものの「定位置」を決めておきましょう。
いざ逃げる状況になってから、あれこれ探し回る時間はありません。逃げるときに必要なものの「定位置」が決まっていると、すぐに手に取って持ち出すことができます。
とくに、ケータイや眼鏡、財布などについては、部屋ごとに「定位置」を決めておきましょう。リビングにケータイを置くときはここ、キッチンならここ、寝室ならここ……といった具合です。
また、電気や水道が止まってしまったときに、
「カセットコンロはあるけどカセットガスが見つからない」
「災害時用のトイレキットがどこにあるかわからない」
「こんな時のために取っておいたアレが見つからない」
……とならないようにしておきたいものです。災害時に使うものをまとめて、「定位置」に置いておくことが、安心と安全につながりますよ。