値上げラッシュで、食費を見直す家庭が約6割に。食費予算と献立を決める家庭が前年より増加 ~予算・献立をたてるかどうかで、月1万円以上の食費差~
2022/08/20
株式会社ベネッセコーポレーション発行の生活情報誌『サンキュ!』は、値上げラッシュに対する各家庭での対策法について20~50代の既婚女性222人に調査を実施しました。
調査によると、普段の生活で物価高を感じている人は約90%いることが明らかになりました。また買い控え、節約を心がけているものとして食費が約60%と最も多くあげられました。
食費の節約は、あらかじめ予算や献立をたてて実行・見直すやりかたが浸透し始めており、効率を求める共働き家庭を中心に、効果的な節約として好まれる傾向です。
以下、調査結果のサマリーとなります。
サマリー
1.値上げを感じている家庭が9割。食費を見直す家庭は、約6割
2.値上げ対策1位は、食費をおさえる。ポイントやクーポン利用のほか献立をたてるなどでも対策
3.買い物前に献立をたて計画的に買う家庭が約38%。1年前に比べて10ポイントUP
4.予算や献立をたてる家庭と、たてない家庭では、月の食費が約12,000円の差
調査概要
調査名 :サンキュ!家庭調査レポート 値上げ対策編
実施時期:2022年5月20~25日、2022年7月5~10日
調査対象:20~50代既婚女性(サンキュ!モニター)222名
調査手法:インターネット
調査詳細
●食費や水道光熱費など値上げを実感する家庭が約9割。
●節約対象は毎日の買い物に影響しコントロールしやすい食費がトップ。電気ガス水道費が外食代と並ぶ。
●食費をおさえるために、買い物時間や時期をずらす、安売り店に行くなど時間をかけるより、いつものスーパーで、より安いものを買う、献立をたてて計画的に買うという、行動が上位に。タイムパフォーマンスを重視する家庭ほどこの傾向が強い。
●買い物前に献立をたてている家庭が約38%。2021年調査では、献立をたてている家庭は27%だったことから1年で約10ポイントも増加している。献立をたてはじめた時期はコロナ禍になってからと回答した人が半数。
きっかけは、食品ロスを減らすため、無駄買いをなくしたかったほか、毎日献立を考えるより、先に考えておいたほうが楽だと雑誌を見て知ったなどがあった。
●献立をたてることで、食費の節約効果を感じる人は約9割だった。調査では、食費の予算と献立をたてている家庭が最も食費が安くなるという結果となった。
予算と献立をたてない家庭と比べると、その差は月約12000円(子ども2人の4人家族で算出)と大きな差がでている。調査では以下のような声も見られ、献立をたてる家庭が増えている理由と考えられる。
献立の効果について
・買い物時間、献立に悩む時間が減ったとなど時短につながった
・家族からごはん内容を聞かれるストレスが減った。時間があるときに事前に準備ができるので、夕方に子どもとの時間もつくりやすい。
・ノートに献立を書いて置いておくことで、子どもや夫も料理を作るようになった
・栄養バランスを考えるようになり、栄養の偏りがなくなった
今どきの節約は、リターン重視。時間対効果の大きい食のプラン化
サンキュ!は26年間、家計のやりくりについて毎月2,000軒以上の家庭に取材や調査をしてきました。共働きが増加するなかで、食費に関しては、手間をかけた節約をする傾向が薄れていましたが、収入減や、昨今の物価上昇で、節約志向は再燃しています。ただし、効率と効果を重視した合理的なやり方に変化しているのが特徴です。
例えば、最近人気の食費の予算化や献立計画は、最初は少し手間ですが、それに従って実行するだけで、お金、時間、栄養バランス、自己肯定感という、手間に対するリターンが非常に大きいことが支持されています。また、目に見えるプランにすることで、家族も動きやすくなり、目標を共有できるという効果を実感する人も多いようです。
こうした、タイムパフォーマンスの大きい家事や家計管理の計画化は、生活スキルの高い人ほど行っており、今後もすそ野が広がっていくと思います。
参考
「サンキュ!」10月号(8月25日発売)
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