日本の年金帳簿と疑問符付きの木造ブロック

家計を守るためにも知っておきたい私たちの「年金」のこと。そもそも年金ってもらえるの?

2023/03/12

将来の気になる出費といえば老後資金。年金があるとはいえ、耳にするのは不安な情報ばかり。ホントのところを専門家に教えてもらいました。老後の安心のためにも疑問点は今からチェックしておきましょう。

老後の安心のために年金についておさらい!

通帳を見ている親子
kazuma seki/gettyimages

老後の大きな安心といえば年金。でも、近頃耳に入るのは不安な情報ばかりです(汗)。年金のホントについて聞きました。(監修/井戸美枝)

Q 1)そもそも年金ってもらえるの?

ちゃんともらえるので心配無用です! 

少子高齢化で年金は赤字……は間違った思い込み。年金積立金は、実は約200兆円もあるって知っていましたか?女性が社会進出するなど、「年金制度を支える働き手」の割合は昔とほぼ同じ。この先も安心して大丈夫です。

Q 2)もらえる額ってどうやったらわかるの?

「ねんきんネット」で試算できますよ!

日本年金機構が提供するサービス「ねんきんネット」で将来受け取れる年金額を確認できます。今後、働き方を変えるとどうなるかなど、細かい試算も可能。自分の年金額を知ることは、老後のプランを考える第一歩なので、ぜひ一度アクセスを。

ユーザーIDを郵送で取り寄せ、「ねんきんネット」にログイン。「ねんきん定期便」ハガキが届いて3カ月以内なら記載のアクセスキーで随時登録できます。スマホとマイナンバーカードがあれば、マイナポータル経由の利用が便利です。

50歳以降になると「ねんきん定期便」ハガキにも書いてあります。

Q 3)払っていない時期があるんですが(汗)

1年間払わないと年間2万円弱減ります。

65歳から受け取る老齢基礎年金(国民年金)は、年額約78万円。ただし、保険料の未納があるとその月数分が減額に。未納分は2年以内に納めるか、60歳以降も国民年金に任意加入すれば5年分はリカバリー可能です。

猶予や免除の場合は?

猶予の場合、期限内に納めていないなら年金額は減ったままです。免除にしていた場合も、満額は受け取れません。納付状況は「ねんきんネット」や「ねんきん定期便」ハガキで確認しておきましょう。

Q 4)去年、大きな改正があったってほんと?

不利な内容はナシ。知っておきたいのは以下の2つ!

1) 厚生年金、健康保険(=社会保険)の加入対象者が増えた

カラーの背景に分離された電卓
Wako Megumi/gettyimages

パートも社会保険に加入する流れが加速。今までは従業員500人超の事業所のみでしたが、拡大されて、100人超(24年10月からは50人超)の事業所で、週20時間以上働くなどの契約なら、社会保険に加入します。

2) 年金の受給開始が75歳まで繰り下げ可能になった

年金受給は65歳からですが、前倒しと後ろ倒しが可能。後ろ倒しは「繰り下げ」といい、遅いほど受給額がアップします。老齢基礎年金(国民年金)、老齢厚生年金ともに可能で、繰り下げ年齢が70歳から75歳へ拡大。

パートで厚生年金に加入するとどうなるの?

カフェで働く若い日本人女性
west/gettyimages

●年金受給額が増え、大きな保障をゲット
将来の年金受給額が増加するとともに、障害を負ったときの障害年金、死亡時の遺族年金にも「厚生年金分」がプラス。厚生年金加入者は障害年金でカバーされる範囲が広く、手厚い保障がつきます。

●雇用保険に加入しもらえるお金が拡大
社会保険(厚生年金保険、健康保険のこと)加入者は同時に雇用保険にも加入。失業時の「失業保険」や介護で休む時の「介護休業給付金」など、もらえるお金が多数で、資格取得にも助成あり。

●病気やケガで休んでも保障あり
健康保険に加入することで、扶養内での勤務時より保障が増加。病気やケガで連続3日以上休むと、4日目から標準報酬日額の3分の2程度の「傷病手当金」が、休んだ日数分、最長で1年半支給。

●給料から引かれる税金は増えます
扶養を抜けると社会保険料や税金の負担は増加。自己負担は増えますが、税金は年末調整で所得控除を申請すれば軽減可能。住民税を払う分、ふるさと納税は自分の名義で申し込めます。

<監修>
井戸美枝さん
ファイナンシャル・プランナー、社会保険労務士。著書に『一般論はもういいので、私の老後のお金「答え」をください!増補改訂版』など。

※本書は『サンキュ!』17年3月号~ 22年11月号に掲載された記事を抜粋、加筆、再編集しています。読者やサンキュ!アンバサダーの名前、年齢、家計などについての情報は、取材当時のものです。それ以外の情報は特別な表記がない限り、2022年12月21日時点のものになります。
※名前は本人の希望により仮名を使用している場合があります。
※月収、年収は手取り額、ボーナスは年間の手取り額で記載しています。
※投資には元本保証はありません。損失のリスクも検討し、自己責任のうえで行ってください。

参照:『サンキュ!』2023年3月号「お金のきほんがわかる本」より。掲載している情報は2023年1月現在のものです。監修/井戸美枝 編集/サンキュ!編集部

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