【多分どこよりもわかりやすい】年金で損しないために!今さら聞けないQ&A
2022/05/01
なにかと不安な老後ですが、知識と努力次第で受給額を増やせる時代でもあるんです。「年金はよくわからなくて……」というあなたに、年金で損をしない方法をどこよりもわかりやすくお伝えします!
監修: 節約アドバイザー 丸山晴美
22歳の時に節約に目覚め、1年で200万円を貯めた経験がメディアに取り上げられ、その後コンビニ店長などを経て...
<教えてくれた人>
ファイナンシャル・プランナー 社会保険労務士 井戸美枝さん
定年世代のお金に精通する年金のスペシャリスト。近著『一般論はもういいので、私の老後のお金「答え」をください!』(日経BP)が大ヒット中!
【ギモン1】私たち世代は、そもそも年金もらえるんですか?
【こたえ】心配しないで!あなたも、お子さんの代もちゃんともらえます。
少子高齢化で年金は赤字……は間違った思い込みです。「年金積立金は約200兆円もあります。女性が社会進出するなど、"年金制度を支える働き手"の割合は昔とほぼ同じです。この先も安心して大丈夫ですよ」(井戸さん・以下同)
【ギモン2】もらえる年金の額は、どうやったらわかるの?
【こたえ】「ねんきんネット」で試算できます!
日本年金機構が提供するサービス「ねんきんネット」で、将来受け取れる年金額を確認できます。「今後、働き方を変えるとどうなるかなど、細かい試算も可能。自分の年金額を知るのは、老後プランを考える第一歩なので、ぜひ一度アクセスしてみてくださいね」。
【年金の試算の方法】ユーザIDを郵送で取り寄せ「ねんきんネット」にログイン。「ねんきん定期便」ハガキが届いて3カ月以内なら記載のアクセスキーで即時登録。スマホとマイナンバーカードがあればマイナポータル経由の利用が便利。
【ギモン3】じつは年金を払っていない時期があるのです…(汗)
【こたえ】受け取れる年金は減額されますが、リカバリーできることも
年金を1年間払わないと、受け取れる年金は年間2万円弱減ります。
65歳から受け取る老齢基礎年金※1は、年額約78万円。「ただし、保険料の未納があるとその月数分が減額に。未納分は2年以内に追納(後払い)するか、60歳以降も国民年金に任意加入すれば5年分はリカバリー可能です」。
※1 年金を受け取る額は、国民年金は「老齢基礎年金」、厚生年金は「老齢厚生年金」といいます
ちなみに「猶予」や「免除」の場合は?
「猶予の場合、期限内に追納していないなら年金額は減ったままです。免除にしていた場合も、満額は受け取れません。納付状況は『ねんきんネット』で確認してくださいね」。
【ギモン4】22年4月から「年金大改正」されるそうですが、私は損するの?得するの?
【こたえ】損することは一切なし! むしろ年金が増やせるチャンスです
■年金大改正のポイント1:厚生年金、健康保険(=社会保険)の加入対象者が増える
今年10月から、パートも社会保険に加入する流れが加速。「今までは従業員500人超の事業所のみでしたが、拡大。100人超(24年10月からは50人超)の事業所で、週20時間以上働くなどの契約なら、社会保険に加入します」。
年金制度は「3階建ての建物」
「年金は、20歳以上が加入する『国民年金』が1階。2階は会社員などの『厚生年金』で、2階までが生涯受け取れる公的年金。3階は『iDeCo』や『企業年金』など任意の上乗せです」。
もらえる老齢年金は職業で違う
夫の扶養内で働く場合は第3号被保険者で、受け取れる年金は老齢基礎年金のみ。「パートでも
厚生年金に加入すると、会社員と同じ第2号被保険者となり、老齢厚生年金を上乗せできます」。
■年金大改正のポイント2:年金の受給開始が75歳まで繰り下げ可能になる
年金の受給は65歳からですが、前倒し、後ろ倒しもできる。「後ろにすることを"繰り下げ"といい、遅いほど受給額がアップ。老齢基礎年金、老齢厚生年金ともに可能で、4月からは繰り下げ年齢が70歳から75歳へと広がります」。
遅くもらうほど老齢基礎年金は増える!
年金受給を70歳開始にすれば受給額は65歳時の約1.4倍に。「70歳開始と65歳開始が受給総額で並ぶのは81歳ごろ。その後は70歳開始が追い越し、長生きするほど差が開きます」。
老齢基礎年金の年間受給額(2022年度)。100円未満は四捨五入。
【ギモン5】「年金大改正」その他の改正ポイントは?
●在職中の年金受給ルール改正
●iDeCo(確定拠出年金)の見直し
など
60歳で定年後も厚生年金に加入して働き、年金ももらう場合、収入が多いと年金が減るルールが緩和。「該当するのは今の定年世代の一部。あまり気にしなくてよい改正です」。
参照:『サンキュ!』2022年5月号「年金で損をしない方法!」より。掲載している情報は2022年3月現在のものです。監修/井戸美枝 イラスト/髙栁浩太郎 編集/サンキュ!編集部