老後のお金が貯まらない人に共通する5つの特徴って?
2024/06/19
「老後資金が2,000万円、必要って、ホント?」
「今から貯めても間に合わない気がする」
「考えると不安になるから、考えないようにしている」
……など、老後のお金に漠然とした不安を感じている人は少なくありません。じつは、老後資金が思うように貯まらない家計には、いくつかの共通点があるんです。
全国の主婦を取材して、お金に関する記事を数多く手がける村越克子さんが「老後のお金が貯まらない家計の特徴」について解説します。
- 老後のお金が貯まらない家計の特徴1:保険のかけすぎ
- 老後のお金が貯まらない家計の特徴2:住宅ローンの残債が多い
- 老後のお金が貯まらない家計の特徴3:通信費が高い
- 老後のお金が貯まらない家計の特徴4:夫婦でお金の話をしない
老後のお金が貯まらない家計の特徴1:保険のかけすぎ
保険は、万が一の備えとして大切なものですが、「万が一」のために必ずやってくる老後のお金が貯まらないのは困ります。また「保険はお守り」とも言いますが、お守りを持っているだけで安心するように、保険もいろいろ入っていると、なんとなく安心するものです。
特に、貯蓄が思うように貯まっていない人ほど、何かあったときに貯蓄を頼れない不安から保険を頼りがちに。
保険料の支払いのせいで、貯蓄が思うようにできないようでは本末転倒。わが家に必要な保障額を確認して、保険料を適正な金額に収めるのが賢明です。
また、「保険は保険、貯蓄は貯蓄、混ぜるな危険」とも言われるので、保険を利用して貯蓄を増やそうとするのは慎重に。
老後のお金が貯まらない家計の特徴2:住宅ローンの残債が多い
住宅ローンは定年までに完済するのが基本ですが、家を買う時期が遅かったり、収入に対して物件価格が高めの場合、定年までに完済できないケースがあります。
子どもが自立し、住宅ローンの返済が終わってから定年までの数年間は、人生最後の貯めどきです。この期間に住宅ローンの残債があると、思うように老後のお金が貯まりません。また退職金で一括返済する予定だと、退職金を老後資金にまわすことができません。
繰り上げ返済などで、定年までに残債を少しでも減らす対策を。
老後のお金が貯まらない家計の特徴3:通信費が高い
スマホは、今や「自分の分身」ともいえる大事な存在です。だからといって、スマホにお金をかけすぎるのは、老後のお金が貯まらない原因に。1カ月の総支出に占める通信費=スマホ料金の割合が大きい家計は、お金が貯まりにくい傾向があるようです。
収入は限られているので、お金の使い道の優先順位を決めて使う必要があります。毎月のスマホ料金にお金をかけるのか、老後のお金を貯めるのか……見極めが大事です。
老後のお金が貯まらない家計の特徴4:夫婦でお金の話をしない
お金の話をすると夫の機嫌が悪くなる、お金の管理は妻に任せっきり、共働きの夫婦別財布でお互いに干渉しない……といった家庭は、お金が貯まりにくいものです。
夫婦でわが家の家計と貯める目的を共有した方が、断然貯まりやすくなります。
子どもたちの独立後、夫婦2人になったときにお金に困らないために、今から夫婦でお金の話をする習慣をもっておくことが大事です。
老後のお金が貯まらない家計の特徴5:「なんとかなる」と思っている
「老後のお金のことを考えると不安になるから、考えないようしている」という人が案外、多いものです。そして「なんとかなる」という魔法の言葉で、現実をスルー。これではお金は貯まりません。
お金と向き合うのが早ければ早いほど、対策の選択肢が増えます。また老後までの時間が長くなるので、貯められる期間も長くなります。「なんとかなる」ではなく「なんとかする」ための一歩を踏み出しましょう。
まとめ
老後のお金が貯まらない、あるいは貯まりにくい家計にはいくつかの共通点があります。上記5つに思い当たることがある場合は、早めに家計の見直しをするのがオススメです。
■執筆/村越克子さん
『サンキュ!』を中心に雑誌・ムック・webなどで全国の主婦を取材し、家計のやりくりなどお金に関する記事を数多く手がける。『貯められない人の家計管理』(朝日新聞出版)の編集・執筆など。FP1級技能士。