年収400~500万円台の『つみたてNISA』
2023/05/24
「つみたてNISA」って実際のところどうなの?投資歴から年収、選んだ投資商品まで気になる疑問を3人の体験者に直撃!投資を始めたきっかけや、家計からどう予算をまわしているかなど、また今の利益も教えてもらいました。
1年で約4万円増えた結果を見たら、銀行に預けっぱなしはもったいない!
<教えてくれた人>
【投資歴4年目年収420万円】サンキュ!アンバサダー Tさん(26歳)
夫(26歳)、長男(1歳)の3人家族。結婚5年目。派遣社員(育休中)。4000万円の住宅ローンを返済しながら貯めるテクが人気。
◎MONEY DATA◎
世帯月収(手取り) 30万円
世帯年収(手取り) 420万円
月貯蓄額 3万円
年貯蓄額 約100万円
総貯蓄額 約450万円
4年前、転職活動に失敗し、世帯年収が100万円減少。そこから、あらゆる家計改善の方法を調べては実践しまくりました。「お金について学ぶほど、今は資産運用が必須だとわかり、夫婦でつみたてNISAを始めたら、1年で約4万円(2人分)も利益が出てビックリ!2年目には積立額を増やしました。一歩踏み出すまでは勇気がいったけど、"行動した人から得をする"というのは本当だなと実感。手続きもスマホから簡単にできるので、始めないのはもったいないです!」。
TさんのつみたてNISA
楽天証券 計月6万円(2口座分)
【商品1】月8000円
ニッセイ 外国株式インデックスファンド(20年4月から)
評価損益 +3万2573円
【商品2】月4万円
eMAXIS slim 米国株式(S&P500)(20年4月から)
評価損益 +2万8346円
【商品3】月1万2000円
eMAXIS slim 全世界株式(20年4月から)
評価損益 +2万1555円
評価損益 合計+8万2474円
投資を始めるとき、何を参考にした?
SNSや動画など、幅広くチェックしました。
投資に関するSNSやYouTubeの動画、書籍など、あらゆる情報をチェック。投資のメリット・デメリットを理解してから始めました。
予算はどこから?
育休中のため、預貯金から出しています。
共働き時代は月収から捻出。育休中の今は、積立貯蓄と生活防衛費(月収の6カ月分)を除いた預貯金から月6万円ずつ積み立てを。
この投資商品を選んだ基準は?
複数の投資本でおすすめされていた商品に。
投資関連のどの本でも挙がっていた「eMAXIS slim」シリーズが安心だなと思い、選びました。リスク分散のため、少しだけ「ニッセイ 外国株式」も。
リスク分散しているから1商品が下落しても焦りはありません!
<教えてくれた人>
【投資歴6年目年収474万円】サンキュ!アンバサダー Aさん(41歳)
夫(43歳)、長女(9歳)、長男(7歳)の4人家族。結婚12年目。正社員。インスタでは、無印良品&やりくりテクを公開。
◎MONEY DATA◎
世帯月収(手取り) 37万円
世帯年収(手取り) 474万円
月貯蓄額 8万円
年貯蓄額 約130万円
総貯蓄額 1000万円以上
Aさんが投資を始めたのは18年から。「NISA制度が始まったばかりの頃で、インスタの家計簿アカウントの人たちがみんな始めているのを見て、試しに月1万円からやってみることに。毎月自動的に積み立てるだけで、利益が順調に出ていたので、21年から3商品追加しました。今は新興国株式の商品がマイナスになっていますが、トータルでは9万円以上利益が出ているので、焦らず、長い目で見て継続していきます」。
AさんのつみたてNISA
楽天証券 計月3万3333円
【商品1】月1万円
楽天全米株式 インデックス・ファンド(18年8月から)
評価損益 +10万200円
【商品2】月5000円
eMAXIS slim 新興国株式インデックス(21年2月から)
評価損益 -1万4792円
【商品3】月8333円
eMAXIS slim 全世界株式(除く日本)(21年2月から)
評価損益 +2599円
【商品4】月1万円
eMAXIS slim 米国株式(S&P500)(21年2月から)
評価損益 +4757円
評価損益 合計+9万2764円
投資を始めるとき、何を参考にした?
横山光昭さんの本を熟読。
FP横山光昭さんの『はじめての人のための3000円投資生活』を読んで、手軽にできることや長期運用の必要性を学びました。
予算はどこから?
先取り貯蓄から予算取り。
目的別に先取り貯蓄をしていて、老後資金の一部として、月3万3333円をつみたてNISAに回しています。
この投資商品を選んだ基準は?
米国以外の銘柄の動きも見たかったから。
米国株式以外に、新興国株式、全世界株式を組み合わせ。新興国株式は将来の経済成長に期待して選びました。
株式投資で失敗したからこそ、長期運用でコツコツ増やすつみたてNISAの利点を実感!
<教えてくれた人>
【投資歴8年目年収510万円】『サンキュ!』読者 Sさん(39歳)
夫(35歳)、長男(7歳)、長女(5歳)の4人家族。結婚9年目。専業主婦。FP2級を取得し、2000万円貯めたやりくりテクをインスタで公開。
◎MONEY DATA◎
世帯月収(手取り) 32万円
世帯年収(手取り) 510万円
月貯蓄額 10万円
年貯蓄額 約200万円
総貯蓄額 約2000万円
長男の育休中に「不労所得を得たい」と、株式投資を開始。しかし、株価チャートの変動に振り回され、やりくりにも支障が出るように。「これじゃいけないと反省して、コツコツ積み立てる投資信託に切り替えました。18年に一般NISAから始めて、少しずつ利益が出ていることを確認し、19年から夫名義の口座でつみたてNISAを開始。途中で投資商品・金額を少しずつ変更して様子を見ていましたが、現在は1商品のみに絞って着実に殖やしています」。
SさんのつみたてNISA&一般NISA
楽天証券 月3万3333円
【商品1】月3万3333円
eMAXIS slim 米国株式(S&P500)(19年8月から)
評価損益 +8万3404円
つみたてNISA口座全体では +37万9150円
※現在積立していない商品も含む
【商品2】一般NISA(利確※済み)
18年から22年までは一般NISAで運用
評価損益(配当金、分配金含む)+191万7629円
5年間でプラス73.47%
※「利確」は利益確定の略。保有している投資商品が値上がりし、含み益が生じたところで売却して利益を確定させること。
投資を始めるとき、何を参考にした?
投資達人のブログや、FPの書籍など。
ネットで検索して見つけた達人のブログや横山光昭さんの書籍を参考に。わからないことがあるときは、証券会社の公式サイトもチェックしました。
予算はどこから?
先取り貯蓄の中から積み立て。
先取り貯蓄の中から予算取りを。妻名義の一般NISAは、上限期間の5年間積み立てて売却。その資産を別の投資商品に回すか検討中。
この投資商品を選んだ基準は?
低リスクで、手数料コストが安いものを選択。
達人のブログなどを参考に、手数料コストが安く、長期的に見て比較的リスクが少ないと思われるものから選びました。
FPの資格を持つSさん教えて!
投資に手が出せない人のやる気を上げる方法は?
A キャッシュバックキャンペーンなどお得を利用して。
ハードルが高く感じるのは、口座を開く最初の一歩まで。各ネット証券では、現金やポイントがキャッシュバックされるキャンペーンを定期的に行っています。口座を作るだけで、もれなくお得がゲットできると思えば、始めない手はありません!
投資初心者が始めるなら、どの証券会社がおすすめ?
A ポイントがたまるネット証券はメリット大!
ネット証券は、口座開設や取引がスマホでもできるのでお手軽!また、積立額に応じてポイントがたまるのもメリット。楽天経済圏の利用が多いなら楽天証券、Tポイント、dポイント、VポイントなどをためるならSBI証券がおすすめです。
投資する予算があまりなくてもできますか?
A 月500円でも"まず始める"ことが大事!
月500円でも1000円でも投資する価値はあります!まずは「習うより、慣れよ」の精神で、少額からでも始めてみること。積立投資は長く続けるほど成果が出やすいので、1日でも悩んでいる時間がもったいない。今すぐ動き始めてみましょう!
24年からスタートする「新NISA」はこう変わる!
現行のNISA制度は、非課税期間などの条件が異なる「一般NISA」「つみたてNISA」「ジュニアNISA」の3種類。これらは23年末で口座開設、買付ができなくなり、24年からは「新NISA」に統一されます。「新NISA」の特徴は以下の3つ。(1)年間投資枠が最大360万円に拡大(2)非課税で保有できる期間が無期限に(3)非課税で保有できる限度額が最大1800万円に拡大。期限を気にせず、効率的に長期投資ができるようになります。
※現在投資中の「一般NISA」「つみたてNISA」「ジュニアNISA」は、保有期限までそのまま継続できます。
●非課税期間が無期限に
●投資上限額UP!
●非課税保有限度額UP!
※掲載している投資商品の評価損益(保有資産の購入時の価格と現在の価格の差額)は、23年3月27日現在のものです。
※投資は元本保証がありません。損失のリスクも検討し、自己責任のうえで行ってください。
参照:『サンキュ!』2023年6月号「『つみたてNISA』ぶっちゃけ始めてみてどう?」より。掲載している情報は2023年4月現在のものです。撮影/天野良子、大森忠明、林ひろし 構成・文/宮原元美 編集/サンキュ!編集部