オンラインショッピングで税金と借金の問題を抱える若い女性にストレスを感じた。彼女はテーブルの上にクレジットカードを持っています。クローズアップ。

ネットでよく見かける「お得商品」の意外な罠とは?トラブルに巻き込まれないための注意ポイントをお金の専門家が解説

2023/06/03

インターネット通販にはプチプラ商品も多くあり、利用している人は多いのではないでしょうか?しかし今、プチプラをうたい文句にした「定期購入トラブル」が増えています。節約アドバイザーの丸山晴美さんに、トラブルに遭う原因と、巻き込まれないための注意点を聞きました。

なお、今回ご紹介する情報はすべて2023年5月時点の取材情報を基にしています。

22歳の時に節約に目覚め、1年で200万円を貯めた経験がメディアに取り上げられ、その後コンビニ店長などを経て...

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みなさまこんにちは。節約アドバイザーの丸山晴美です。

お金にはトレンドがあって、その情報をキャッチできるか否かで、得する人と損する人に分かれます。でも経済に関するお金の情報は、ちょっとむずかしいですよね。私はみなさまに“お金の旬の情報”を“わかりやすく”お届けしていきたいと思います。今回のテーマは「定期購入トラブル対策」!

インターネット通販にクーリング・オフ制度はない!?

インターネット通販で買い物をする際、その商品のホームページを隅から隅までしっかり読んでいますか?

特定商取引法では、販売業者に「取り引きの基本的な事項を最終確認画面などで明確に表示する」ことを義務づけています。しかし実際は、表示はしているものの、字がひどく小さかったり、見えにくい場所に書かれていたり、消費者に誤解を与えるような表現になっていたりするものが多くあります。

特に「すごくお得」な商品の場合、「お得」な部分にばかり目が入ってしまい、小さな文字の規約や約款は素通りしてしまいがち。知らない間に定期購入することになっていた、などのトラブルに巻き込まれることが多いのです。

「気に入らなければ返品すればいい」と考える人も多いですが、インターネット通販にクーリング・オフ制度はありません。販売業者が「注文後は返品できません」などと「返品特約」を記載していれば返品は困難。私たちにできるのは、申し込む前に注意をして自己防衛することしかないのです。

ただし、「返品特約」が定められていない場合は、商品を受け取った日を含めて8日以内であれば、消費者が送料を負担して返品することができます。通信販売で商品を購入する際は、事前に返品の可否やその条件をよく確認しましょう。

まずは、定期購入トラブルに遭わないための注意ポイントも知っておきましょう。

初めて聞く会社や店の「お得な情報」は1回疑って

基本的なことですが、ひと目見て「極端に安い」「すごくお得!」と感じるものは1回疑ってみることが大切。特に「割引価格になるのは今から○時間後まで」など、注文を急かすようなうたい文句がある場合は警戒が必要です。

写真や動画で「驚きの効果!」を紹介しているものも同じ。今の時代、動画や画像はいくらでも加工ができますから、安易に信じないことが大切です。

商品を買いたいと思った時は、申し込む前に販売している会社をチェック。初めて聞くような小さな会社や店などの中には、国内の住所や電話番号が記載されていても嘘の場合があります。可能なら実際に電話をかけたり、会社のことをネットで調べてみたりして確認しましょう。

検索する際、会社の名前の後に予測変換で「あやしい」「詐欺」「トラブル」などネガティブワードが出たときは警戒レベルを上げましょう。

調べてもよくわからない場合は、安易に購入しない方が安心。大手の通販会社や店ならば、価格はそれほど安くなくても問題は少ないですし、解約や返品、返金なども比較的きちんと対応してもらえます。トラブルに巻き込まれるよりは結果的にそのほうが安いことが少なくありません。

商品紹介ページや申し込み画面に書かれていることは全部読む!

定期購入トラブルのほとんどは、ホームページに書かれている内容をきちんと読んでいないために起こります。悪質な業者はそれを狙って、重要な規約ほど字の色を薄くしていたり、わかりにくいところに小さく書いていたりします。

特にスマートフォンの画面は小さいので、小さい文字などは目につきにくくなります。「お得!」と思った商品ほど、ホームページを隅から隅まで細かく目を通すことが大切。

商品紹介ページだけでなく、申し込みの「最終確認画面」もスクロールして契約条件を確認しましょう。
初めて取り引きをする会社は、規約や約款はスマートフォンのスクリーンショットなどで残しておくと、トラブル時の助けになることもあります。

また、その商品をSNSで検索してみるのもおすすめ。購入トラブルや商品の問題点などがある場合は、SNSで見つけられることがよくあります。

結局、契約するのは自分です。良い言葉が並べてあればあるほど、「何か裏があるのでは?」と慎重になる姿勢が大事です。

注文する前にチェックしておきたい6つのポイント

国民生活センターが公開している「インターネット通販 契約条件のチェックリスト」を参考にするのもおすすめです。

このチェックリストでも、申し込み前に「最終確認画面」の契約条件を最後まで必ず確認するよう呼びかけています。そのうえで、下記の点をチェックしましょう。

<注文する前にチェック>
□ 定期購入が条件になっていませんか?
□ (定期購入が条件になっている場合)継続期間や購入回数が決められていませんか?
□ 支払うことになる総額はいくらですか?
□ 解約の際の連絡手段を確認しましたか?
□ 「解約・返品できるか」「解約・返品できる場合の条件」(返品特約)、解約条件を確認しましたか?
□ お届け予定日や、利用規約の内容を確認しましたか?

不安に思った場合や、トラブルが生じた場合は以下へ電話を。最寄りの市町村や都道府県の消費生活センターなどを案内してくれます。
●消費者ホットライン「188(いやや!)」番

成人年齢が18歳に引き下げられたことで、今、若い子たちも狙われています。「よく調べる。よく読む」という習慣を、まず自分が身につけ、それをお子さんや祖父母にも教えてあげてください。

日頃から家族でそういう話をして、トラブルにあった時に言い出しやすい環境をつくることも大切。結局それが、家族皆を救うことにつながります。

教えてくれたのは・・・

丸山晴美さん

22歳の時に節約に目覚め、1年で200万円を貯めた経験がメディアに取り上げられ、その後コンビニ店長などを経て2001年、節約アドバイザーとして独立。ファイナンシャルプランナー(AFP)、消費生活アドバイザーなどの資格を取得。身の回りの節約術やライフプランを見据えたお金の管理運用のアドバイスなどを、テレビやラジオ、雑誌、講演などで行なっている。著書は「シングルママの『お金に困らない』本」(徳間書店)、「50代から知っておきたい!年金生活の不安、解消します」(共著)(幻冬舎)、「お金を活かす ハッピーエンディングノート」(東京新聞)など多数。

取材・文/かきの木のりみ

 
 

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