ショッピングバッグを持つ女性

あるだけ使ってしまう人の特徴とは? 残せない、貯まらない原因をお金の専門家が解説

2024/09/21

ムダ買いなどしていないのに、給料日前にはお金がなくなって貯金もできていないと嘆いている人。実はそれ、「あるだけ使ってしまう」癖かもしれません。実は節約アドバイザーの丸山晴美さんも、かつては「あるだけ使ってしまう」人だったとか。あるだけ使ってしまう人の特徴をお聞きしました。

なお、今回ご紹介する情報はすべて2024年8月時点の取材情報を基にしています。

22歳の時に節約に目覚め、1年で200万円を貯めた経験がメディアに取り上げられ、その後コンビニ店長などを経て...

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特徴1:思考が常に消費に向いている

お金がなかなか貯められない人の中には「あるだけ使ってしまう」というタイプの人が一定数います。実は、かつて私もこのタイプでした。

当時を思い返すと、買い物をする際に「本当に必要なものか」を考えていませんでした。通販カタログを見て「これ、カワイイ!」や「テレビや雑誌で紹介されていた」など興味本位で買ったり、お得ハンターになって安い物を買いだめしたり。そうして「あったらあったでいいけどなくても困らない」ものをちょこちょこ買っていたんです。

これではお金は貯まりませんよね。でも、当時の自分はそれに気づいておらず、貯まらないのは「1人暮らししているから」「収入が少ないから」など状況のせいにしていたんです。

かつての私のように、消費にばかり目を向けている人は、あるだけ使ってしまう人の典型タイプ。SNSを閲覧しながら「お金が入ったら話題のレストランへ行こう」や、「ボーナスが入ったら何買おう」などと考えている人もこのタイプです。

一方、「お金が入ったら貯蓄をしよう、NISAで追加投資をしよう」と、貯蓄に思考が向く人は貯まる人。思考の方向で大きく差がつくのです。

特徴2:「お金が残ったら貯めよう」と思っている

あるだけ使ってしまう人の中には、「貯まる人はお金が余るから」と考えている人も少なくありません。

「先取り貯蓄をしたら生活できなくなる」「定期預金みたいにすぐには引き出せない場所にお金を入れてしまうのは不安」と考え、「月末にお金が残ったら貯めよう」と思うのですが、結局あればあるだけ使ってしまうので残りません。だからいつまでたってもお金が貯まらないのです。

そもそも「いつどうなるかわからないからこそ、先取りでお金を貯めておかないといけない」のですが、貯められないときはそういうふうには考えがいかないのです。
あればあるだけ使ってしまう人の中には、こうした「貯まらない思考ループ」に陥っている人が多くいます。

特徴3:「◯◯万円貯金があるから大丈夫」とそれ以上貯めない

家計診断をしていると、「残高100万円を切らないように生活しています」と自信満々におっしゃる人がときどきいます。「とりあえず100万円あれば何かあっても大丈夫」と思い、そこからプラスにもマイナスにもならない生活を心がけているのです。

たしかに100万円貯めるのはそれなりに大変です。しかし、月の収入が25万円の人が無収入になったとき、同じ生活をしようと思うと、100万円はたった4カ月でなくなる金額です。切り詰めればもう少し長く生活できるでしょうが、それでも持って半年でしょう。

人生の中では、100万円以上のお金が急に必要になる出来事が、実はたくさんあります。100万円でよしとして、残りはあるだけ使って貯めることを放棄していると、いざという時に必要なお金を出すことができずに大変な思いをすることになるでしょう。

「このままではいけない」と気づけた人は貯まる人になれる

なぜお金を使ってしまうのか……当たり前ですが、手元にお金があるからです。

今はキャッシュレス化で手元にお金がなくても買えてしまうので、問題がいっそう複雑になっています。クレジットカードで気軽に買い、引き落とし後に生活費がなくなって家計がグチャグチャになるケースも多く見ます。

「このままではいけない」と気づけた人は、貯まる人になれます。ただし、気づくには何らかのきっかけが必要です。自分やパートナーの収入が激減したり、子どもの教育出費が急に増えたりするなど、家計がピンチになれば強制的に気づきますが、それを待っているのは危険です。

だからこそ、今のうちにレシートチェックなどをして自分で家計を見直す、振り返ることがとても大切なのです。
人生ではいろいろなことが起こります。そのときに「やっぱりあのとき気づいて直しておいてよかった」と思える自分にならないと後悔すると、あるだけ使ってしまう人だった私は声を大にしてお伝えしたいです。

教えてくれたのは・・・

丸山晴美さん

22歳の時に節約に目覚め、1年で200万円を貯めた経験がメディアに取り上げられ、その後コンビニ店長などを経て2001年、節約アドバイザーとして独立。ファイナンシャルプランナー(AFP)、消費生活アドバイザーなどの資格を取得。身の回りの節約術やライフプランを見据えたお金の管理運用のアドバイスなどを、テレビやラジオ、雑誌、講演などで行なっている。著書は「シングルママの『お金に困らない』本」(徳間書店)、「50代から知っておきたい!年金生活の不安、解消します」(共著)(幻冬舎)、「お金を活かす ハッピーエンディングノート」(東京新聞)「節約家計ノート2024」(東京新聞)steady.特別編集「知識ゼロでもまるっとわかるお金の基本」(宝島社)など多数。

取材・文/かきの木のりみ

 
 

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