ボーナスで家計破綻!?お金の専門家が「やってしまいがちなボーナスの間違った使い方」を解説
2024/06/09
家計にとってありがたい存在の「ボーナス」。しかし、使い方によっては「家計破綻」のきっかけになり、最悪の場合は「破産」を招いてしまうこともあるって知っていますか?節約アドバイザーの丸山晴美さんに「家計破綻」を招くボーナスの使い方を聞きました。
監修: 節約アドバイザー 丸山晴美
22歳の時に節約に目覚め、1年で200万円を貯めた経験がメディアに取り上げられ、その後コンビニ店長などを経て...
- 家計破綻パターン1:預貯金をして安心してしまう
- 家計破綻パターン2:生活費の赤字補てんでボーナスが消える
- 家計破綻パターン3:「ボーナス払い」が多過ぎる
- お金は「ない」と思う人ほど減り、「ある」と思う人ほど増える
みなさまこんにちは。節約アドバイザーの丸山晴美です。
お金にはトレンドがあって、その情報をキャッチできるか否かで、得する人と損する人に分かれます。私はみなさまに“お金の旬の情報”を“わかりやすく”お届けしていきたいと思います。今回のテーマは「ボーナスで家計破綻」!
家計破綻パターン1:預貯金をして安心してしまう
ボーナスの使い道として、最も多いのが「貯金・預金」です。それはもちろん良いことなのですが、借金がある場合はベストな使い道とは言えません。
なぜなら、預貯金の金利よりも借金の金利の方が圧倒的に高いからです。
銀行預金の利息は銀行で異なり、0.001~0.3%くらいです。一方、消費者金融の利息は低金利なところでも年約3~4%で、上限金利は18%にもなります。リボ払いは平均15%くらい。リボ払いを「借金」と考えない人は多いですが、実は立派な借金ですし、分割払いも3回以上は金利手数料がかかります。
これらの利息や手数料を払い続けながら預貯金をしても、資産は増えないどころか、減っていく一方です。
日本の現状は、物価が上がっても所得が増えない状態。金利手数料が高い借入金は早めに返済したほうが、今後の家計負担を減らす意味でも有効だと言えるでしょう。
まずはボーナスで借金を完済して家計を整え、それから貯蓄をすることが大切です。
家計破綻パターン2:生活費の赤字補てんでボーナスが消える
ボーナスを普通預金口座に入れ、月の生活費が足りなくなったらそこから補てんするという家庭は意外と多いです。残りが少なくなってきたころに次のボーナスが入るというサイクルで、一見うまく回っているように見えます。
しかし、こういう家計はいつまでたっても貯蓄ができません。突然の大きな出費が1回あっただけで、一気に家計が破綻してしまう可能性が大きいのです。
生活費を補てんしているということは、月の収入では生活ができてないということ。そこを改善しない限り、破綻の危険性はなくなりません。
まずは月のお金の流れを整理し直し、固定費の見直しや変動費の予算管理をして、毎月の収入内でやりくりできる仕組み、体制を整えることが大事です。
家計破綻パターン3:「ボーナス払い」が多過ぎる
衣服や家電をボーナス払いで購入したり、住宅の更新料や各種保険料をボーナス一括払いにしていたりするなど、ボーナスで払うべきものを作り過ぎている人も注意が必要です。
原則的に、ボーナスは業績によって左右されるもの。業績が良ければ増えますが、悪ければ減額され、最悪の場合ゼロになることもあります。その時、ボーナス払いが多くあると、貯金を切り崩したり借金したりせねばならず、急速に家計は破綻へと向かうことに。
そうならないためには、支出が見越せるものは早いうちから少しずつ積み立てておくことが大切です。賃貸物件の更新料や生命保険や自動車保険などの年払い保険料などは支払う時期も金額もわかっていますから、積み立ての計画も作りやすいでしょう。
住宅ローンなど長期で金額も大きいものは、ボーナス払いもやむを得ないところがありますが、それ以外はできるだけボーナス払いはやめましょう。
お金は「ない」と思う人ほど減り、「ある」と思う人ほど増える
家計は一度崩れてしまうと、立て直すのがとても大変です。だからこそ、家計への影響が大きいボーナスの使い方をよく考えることが大切です。
お金は不思議なことに、「ない」と思う人ほどどんどんなくなり、余裕がある人はさらに増えていくという謎現象が起こりがちです。「ない」と思う人は安いものを見つけると「今買っておかないと!」と飛びつきがち。すると、気づかないうちにムダ買いが多くなり、お金がどんどん消えてなくなってしまうのです。
でも、ボーナスを貯蓄や投資に回してある程度余裕がある人は、「今慌てて買わなくても、必要になったら買えばいい」と考えられます。すると、本当に必要でないものはそのうちに忘れ、ムダ買いが減っていくのです。
ボーナスを上手に活用して家計に「余裕」をつくり出し、「より貯まる体質」に変わっていきましょう。
取材・文/かきの木のりみ