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節約のプロが「意味がない!」と実感した節約テクとは?「やめてよかった節約」4選

2024/06/06

これまで、さまざまな節約テクを試してきたと言う節約アドバイザーの丸山晴美さん。その中には、効果が薄い、効果がないというものも少なくないとか。丸山さんが心から「やめてよかった!」と思った節約テクを聞きました。

22歳の時に節約に目覚め、1年で200万円を貯めた経験がメディアに取り上げられ、その後コンビニ店長などを経て...

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みなさまこんにちは。節約アドバイザーの丸山晴美です。

お金にはトレンドがあって、その情報をキャッチできるか否かで、得する人と損する人に分かれます。私はみなさまに“お金の旬の情報”を“わかりやすく”お届けしていきたいと思います。今回のテーマは「やめてよかった節約」!

やめてよかった節約1:ザ・昭和の水道代節約

昔は効果があったけど今では意味がないのが「年代もの節約」。昭和や平成の節約を今も引きずっている人は、意外と少なくありません。

たとえば、昭和は水道代の節約テクとして、以下のことが行われていました。

・水道水はチョロチョロと少しずつ出す
・トイレのタンクにペットボトルを入れておく
・トイレの水は1回では流さない
・トイレは自宅以外の公衆トイレで済ます

昔は水道メーターの精度が悪かったので、「水道水をごく少量ずつ出すとメーターが感知できず、料金がかからない」と言われ、お風呂の水を少しずつ1日かけて溜めている家もありました。しかし今はメーターの精度が上がっているので、この方法はまったく意味がありません。

また、昔のトイレは1回に使う水の量が多かったため、タンクに水まんたんのペットボトルを入れて、物理的にタンク内の水量を抑えるのがポピュラーな節約術でした。なかには小のときは流さず、家族が何回か使ったあとに流すという家庭や、家ではトイレ禁止で公園などの公衆トイレで用を足す、といった極端な節約術?もありました。

今のトイレは節水タイプになっているのがほとんどなので、ペットボトルも溜め流しもやる意味はありません。それどころか、小のときに流さないでいると、便器が汚れやすくなり、黄ばみや尿石、臭いの原因に。

最悪の場合、便器を交換しなければならず、節約どころか逆に出費が増えることにもなりかねません。

やめてよかった節約2:ザ・平成のなんでも手づくり節約

不況のトンネルに入った平成には、以下のように身近なもので手づくりする節約が人気な時代もありました。

・ビール箱や段ボールなどを切って見せる収納棚にする
・使い終わったティーバッグや玉ねぎの皮で、古くなったTシャツなどを染めてリメイク
・大根の頭部分を切って水耕栽培し、葉を育てて調理に活用

SDGsの時代ですから、ものを大切にしたり手づくりしたりすることは決して悪いことではありません。

でも、ビール箱などで棚をつくってもインテリアとして浮くし、すぐ壊れて長持ちしませんでした。段ボールは害虫の温床になりやすく、虫のトラブルに悩まされることも。

玉ねぎの皮などで染めるリメイクは、素人ではムラになり、ただ茶色く汚れているように見えるだけでしたし、水耕栽培もうまく育たず、結局手間と時間がムダになる場合がほとんど。

子どもの夏休みの研究などとして行うには楽しいですが、節約テクとしては効果があるとは言いがたいです。

やめてよかった節約3:底値リストとチラシ広告追い

少し前まで、節約のために「底値リスト」をつくる主婦が多くいました。食品や日用品の「底値」を調べてリストにして、その価格に近いものや底値でなければ買わないといった買い方です。

しかしこれも、今は意味がありません。なぜなら、底値を追う労力が見合わないからです。それよりも今は「基準値(きじゅんね)」を持つことが大切です。その基準値の目安となるのが、スーパーやコンビニエンスストアの「プライベートブランド」の価格です。

プライベートブランドは平成時代もありましたが、当時はまだ数が少なく「知る人ぞ知る」ものでした。でも今は数が増え、誰もがいつでも手軽にプライベートブランドの商品を買える環境になっています。手ごろなラインから高品質なラインまで、バリエーションも豊富です。

その中から自分が納得できる金額と品質で「基準値」を見つけ、「牛乳はこのくらいの価格」などと決めて買い物をするようにすると、安定した食費になっていくでしょう。

また、底値を探すのと似た節約方法に「チラシ広告を追う」というのもあります。これは今も多くの人が実践しているのではないでしょうか?

たしかに、チラシ広告の商品の中の「本当に必要なものだけ」を買って帰ればいい節約になります。でも多くの人は、安さに惹かれて大して必要でないものまで買ったり、ついでにほかの商品もいろいろ買ったりしてしまいがち。これでは結局、ムダ買いが増えてしまうだけです。

環境省が作成したパンフレット「食品ロスを減らすために、私たちにできること」によると、4人世帯の食品ロスは年間約6万円とも言われています。どんなにお得に買ったとしても、最後までムダなく使い切れなければ意味がありません。

私も昔はチラシ広告を追っていましたが、やめました。今はプライベートブランドやネットの大型セールなどで、必要なものだけを確実に安く買っています。

やめてよかった節約4:クリック型ポイ活

ポイ活には、通常の「買い物をしてポイントを貯める」方法のほかに、ポイントサイトでゲームやアンケート、動画などをクリックしてポイントもらう方法があります。

私はクリック型のポイ活をよくやるのですが、それでわかったのは、手間ほどにはポイントが貯まらないということ。私はゲームが好きなので、時間潰し的な感覚でついやってしまうのですが、ポイントを貯める目的ならやめたほうがいいと言えそうです。

ただし、1ポイント=1円のポイントサイトなら、コツコツやる価値はあると考えています。というのも、今は100万円を普通預金に預けても年間約9円の利息しかつかない時代。1ポイント=1円のポイントサイトなら、その程度はあっという間に稼げてしまいますから。

また、ポイントサイトにもいろいろあり、1ポイント=1円として使えるものもあれば、「交換は3,000ポイント以上で別途手数料がかかる」というものも。後者のようなポイントサイトは割に合わないので、利用をやめてもよいと思います。

ポイントサイトが増え始めた20年ほど前は、個人情報をある程度取得したら閉鎖するなどの悪質なサイトもありました。現在もないとは言い切れませんので、情報登録の際は気をつけましょう。

節約の効率が悪いと思ったら、さっさとやめよう!

節約テクの効果は時代とともに変わりますし、性格やライフスタイルによって向き・不向きもあります。効率のよいものと悪いものをよく選別し、「効率が悪かったらさっさとやめる」という引き際のよさも、節約上手になるポイントと言えそうです。

教えてくれたのは・・・

丸山晴美さん

22歳の時に節約に目覚め、1年で200万円を貯めた経験がメディアに取り上げられ、その後コンビニ店長などを経て2001年、節約アドバイザーとして独立。ファイナンシャルプランナー(AFP)、消費生活アドバイザーなどの資格を取得。身の回りの節約術やライフプランを見据えたお金の管理運用のアドバイスなどを、テレビやラジオ、雑誌、講演などで行なっている。著書は「シングルママの『お金に困らない』本」(徳間書店)、「50代から知っておきたい!年金生活の不安、解消します」(共著)(幻冬舎)など多数。

取材・文/かきの木のりみ

 
 

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