螺旋状のメモ帳に書いた女性の手は、自宅の様々なアイテムと木製のデスクトップに置かれています。

家計の見直しって何をするの?お金の専門家がすすめる「簡単に見直しができる手順」とは

2024/10/12

貯まる家計になるには、定期的な「家計の見直し」が重要と言われます。でも「どんな頻度で、家計の何を、どう見直せばいいのかわからない」という人が多いのではないでしょうか。そこで、節約アドバイザーの丸山晴美さんに、手間をかけずにできる家計の見直し手順とポイントを教えてもらいました。

なお、今回ご紹介する情報はすべて2024年9月時点の取材情報を基にしています。

22歳の時に節約に目覚め、1年で200万円を貯めた経験がメディアに取り上げられ、その後コンビニ店長などを経て...

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みなさまこんにちは。節約アドバイザーの丸山晴美です。

お金にはトレンドがあって、その情報をキャッチできるか否かで、得する人と損する人に分かれます。私はみなさまに“お金の旬の情報”を“わかりやすく”お届けしていきたいと思います。今回のテーマは「家計の見直し手順」!

家計の見直しは1年に1回でもOK。まず固定費を紙に書き出して

家計の振り返りは毎月おこなうのがベストですが、忙しいとなかなかそうもいきません。そういう場合は年末前の11月に、1年分の家計の振り返りと見直しを行うのがおすすめです。

見直す手順は、まず固定費から。
固定費とは、住居費、水道光熱費、通信費、保険料、税金、動画配信サービスなどのサブスクリプションサービス(サブスク)の料金、教育費、自動車維持費などです。

1月~11月に支払ったこれらの費用を、紙などに書き出してみましょう。家計簿をつけている人はそれを見ながら、そうでない人はクレジットカードや銀行の引き落とし明細などでだいたい確認できます。

書き出したら、それが本当に必要な費用だったのか、その金額は本当に妥当なのかなど、1つ1つチェックします。
特にサブスクは、ほとんど利用していないのにお金だけ払っているというケースがよくあります。そういうものを見つけたら、すぐに解約の手続きをしましょう。

子どもの習い事などは、退会する2~3カ月前に届出を出さなければいけないものもあります。今年のうちに子どもと「次の学年になっても続けるのか」を相談し、やめる場合はいつまでに手続きするのがいいか調べ、ムダな費用や手間がかからないようにしたいものです。

また、来年は子どもが独立して夫婦2人の生活になるという家庭もあるでしょう。その場合はもう少し間取りが小さく家賃が安い家に引っ越し、浮いたお金を老後資金の貯蓄に回すのも一案。
引っ越し先の家賃や間取りなどを具体的に決め、今から探し始めることで、良い物件を見つけられる可能性が上がります。

引っ越しを機に不用品の整理をすることで、不用品の現金化もできるでしょう。そういった気力や体力が充実しているうちにやったほうが効率的であることは言うまでもないでしょう。

次に変動費をチェックし、赤字を来年に持ち越さないように

固定費をひと通り見直したら、次は変動費をチェックします。
変動費とは、食費、日用品費、医療費、被服費、美容費、レジャー費、交際費、雑費など。節約できる部分はないか、赤字になっている費用はないかなど、日頃の買い物のレシートなどをチェックしつつ1項目ずつ確認しましょう。

もし、11月の時点で全体の収支が赤字になっている場合は、今のうちに調整して赤字を来年に持ち越さないことが大切です。調整の方法はいろいろありますが、もっとも手早くできるのがボーナスでしょう。

本来、ボーナスは貯蓄を大きく増やすチャンス。手取り額から住宅ローンのボーナス払いなどを引いた残りの3分の2ほどは貯蓄に回したいところですが、赤字家計の場合は赤字を解消することが先決。そして来年から「特別費」の積み立てを始めることをおすすめします。

特別費は「使うための貯蓄」で、家電が壊れたなど急な出費に対応する他、赤字が出た際の補填などに充てます。50万円程度を常に用意しておくのが理想的ですが、これから貯める場合は無理せず、積み立てられる範囲で始めればOK。5,000円でも11カ月で5万5000円になるので、多少の赤字補填はできるはずです。

ボーナスがない場合は、貯蓄の一部を切りくずして補填するケースが多いのではないでしょうか。来年以降はそれを繰り返さないよう、赤字になっている費目や固定費などの見直し、節約法を考えるなど、しっかり対策することが大切です。

見直さずに時間だけが過ぎてしまうと、いざという時のお金も出せなくなり、借り入れやリボ払いが増えてしまう恐れもあります。見て見ぬふりをするのではなく、家計を直視する勇気を持ちましょう。

家計の振り返り&見直しをしたら、年末年始の予算を立てよう

家計の見直しをひと通り行ったら、年末年始の予算を出します。クリスマスや年末をどこでどんなふうに過ごすか、正月用の買い出しの費用はどのくらいかなど、具体的に計画を立てましょう。

11月までの出費がかさんで年末の費用がない場合は、「ポイ活」で貯めておいたポイントで買い物をするなどして、できるだけお金を使わずに過ごす方法を考えることも大切です。

年末年始は1年でもっとも出費が多くなる時期。イベントごとが多く、財布のヒモも緩みがちになります。ここでムダな出費をしないためにも、11月に家計を振り返り、見直して翌年の家計に反映させることが大切です。

教えてくれたのは・・・

丸山晴美さん

22歳の時に節約に目覚め、1年で200万円を貯めた経験がメディアに取り上げられ、その後コンビニ店長などを経て2001年、節約アドバイザーとして独立。ファイナンシャルプランナー(AFP)、消費生活アドバイザーなどの資格を取得。身の回りの節約術やライフプランを見据えたお金の管理運用のアドバイスなどを、テレビやラジオ、雑誌、講演などで行なっている。著書は「シングルママの『お金に困らない』本」(徳間書店)、「50代から知っておきたい!年金生活の不安、解消します」(共著)(幻冬舎)、「お金を活かす ハッピーエンディングノート」(東京新聞)「節約家計ノート2024」(東京新聞)steady.特別編集「知識ゼロでもまるっとわかるお金の基本」(宝島社)など多数。

取材・文/かきの木のりみ

 
 

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