家計を見直しに良いタイミングは1年の中に何回かありますが、中でも2〜3月の年度末はおすすめの1つ。節約アドバイザーの丸山晴美さんは「この時期に見直すことで、4月以降ぐっとやりくりしやすくなります」と言います。年度末に見直すべき内容について聞きました。
なお、今回ご紹介する情報はすべて2025年2月時点の取材情報を基にしています。

監修: 節約アドバイザー 丸山晴美
22歳の時に節約に目覚め、1年で200万円を貯めた経験がメディアに取り上げられ、その後コンビニ店長などを経て...
みなさまこんにちは。節約アドバイザーの丸山晴美です。
お金にはトレンドがあって、その情報をキャッチできるか否かで、得する人と損する人に分かれます。私はみなさまに“お金の旬の情報”を“わかりやすく”お届けしていきたいと思います。今回のテーマは「年度末の見直し」!
家計の振り返りを2月後半に始めた方が良い理由
年度末は、生活費をはじめ交際費や教育費など、いろいろな費用を見直しやすいタイミングです。ここでしっかりとお金の振り返りをし、次年度にどういう出費があるのか、やめられる支払いがないかなどを洗い出しておくと、4月以降のやりくりがぐっとしやすくなります。
タイミングとしては、遅くとも2月後半には洗い出しを始めるのがおすすめ。なぜなら、年度末は各種サービスの切り替えの時期でもあるからです。
例えば、子どもの習い事や塾などは、契約更新日が決まっているものが多くあります。更新日までに申し込まないと入塾できなかったり、更新日前日までに解約しないと費用が余分にかかったりすることも。
更新日は3月が多いので、最初に契約更新があるものについて、「やる、やらない」「続ける、続けない」を家族で意思確認し、手続きの準備をしましょう。
3月はイベントが多く何かと忙しい時期。その意味でも、見直しは2月から始めるのが良いでしょう。
何かを始めるのであれば、何か終わらせる
見直しで必ずチェックしたいのが固定費です。今は物価だけではなく、社会保険料なども上がっていて、可処分所得、つまり生活費となる手取りの収入が少なくなっている状態です。そんな中でやりくりするということは、「やりたいこと全部はできない」と思った方がいいでしょう。
習い事や動画配信サービスなどのいわゆる「サブスク(サブスクリプション/定期購入)」は、「何かを始めるならば何か終わらせる」といった調整が大切です。家計が赤字になりがちならば、サブスクを1つやめて生活費などに充てるなどの修正も必要です。
子どもの習い事の場合、「お友だちがやっているからやりたい」と子どもが言い出したり、親が「これをやってほしい」と希望したりすることもあるでしょう。しかし、習い事も値上げがありますし、学年が上がることでも費用は高くなります。
早い時期から習い事にお金をかけ過ぎると息切れを起こし、大学受験の費用を貯めきれないなど、後々になって困るケースが少なくありません。そうならないよう、お金が「必要なもの」「不要なもの」の整理整頓をし、やりくりしやすい環境を作ることが大切です。
自治体の補助金などもしっかり活用して
自治体の補助金制度もこのタイミングでチェックしましょう。
自治体によっては、公立高校生のタブレットなどの端末購入支援があったり、区が指定した事業者の家事・育児サポートを一定の負担で利用できたりしますし、住宅に関する補助金などもいろいろあります。
自治体ホームページなどを確認し、活用できるものはしっかり活用しましょう。その場合、申込期限に注意をして、必ず期限内に申し込むようにしましょう。
私の息子が通っていた中学校では、PTAの方々が卒業生から制服と体操着を集め、新入生たちに渡す活動が行われていました。こういう活動をしている学校も少なくないので、進学に伴う出費を抑えたい場合は学校に聞いてみるのも一案。また、フリマアプリで制服を安く買う方法もあります。
こうしたことは、その情報を知らないと活用することもできません。この時期は情報のチェックもしておきたいことの1つです。
うっかり忘れを防ぐにはリスト化&計画立てがカギ
年度末は忙しいので、振り返り&見直しをしながら「やること」をリスト化して計画を立てるのがおすすめです。その際、手続きするもの、買って用意するものなど、期日があるものもリスト化しておくと、うっかり忘れを防ぐことができます。
期日ギリギリになって慌てて対応すると、交通費をかけて遠くまで買いに行かなければならなかったり、取り寄せに特急料金を支払ったりするなど、お金でどうにかするという力技になってしまいがち。
年度末に見直しすることで、こううした不要の出費を防ぐのにも役立ちます。
これから1年、あなたはどんなふうに生活をしていきたいと思っていますか?そういうことも考えながら、家計も生活も改善していきましょう。
取材・文/かきの木のりみ