窓のあるリビングルームのこたつに置かれたお茶

冬本番が来る前にチェックして!暖房費を節約するための基本テク、全部できている?【節約の専門家が解説】

2023/12/16

冬は1年で最もガスや電気を使う季節。請求書を見て料金の高さにびっくり!ということもよくあります。そこで、冬本番となる前に、暖房費を節約する基本テクをおさらい。節約アドバイザーの丸山晴美さんにポイントを解説してもらいました。

なお、今回ご紹介する情報はすべて2023年11月時点の取材情報を基にしています。

22歳の時に節約に目覚め、1年で200万円を貯めた経験がメディアに取り上げられ、その後コンビニ店長などを経て...

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みなさまこんにちは。節約アドバイザーの丸山晴美です。

お金にはトレンドがあって、その情報をキャッチできるか否かで、得する人と損する人に分かれます。私はみなさまに“お金の旬の情報”を“わかりやすく”お届けしていきたいと思います。今回のテーマは「暖房費節約の基本テク」!

暖房費節約の基本1:遮光カーテンにして空気の出入りをシャットアウト

政府による電力・ガス料金の補助金は、2023年10月から電気ガスともに半減額されたものの、2024年4月まで延長されることが決まりました。真冬のもっとも光熱費がかかる時季に補助があるのはひと安心ですが、冬は夏よりもずっと光熱費がかかります。この冬も暖房費節約の工夫が欠かせないでしょう。

そのためにまず必要なのが「窓対策」です。窓は外の冷気が入り込み、室内の暖気が出ていってしまう場所。暖房をつけているときはカーテンをしっかり閉めて、空気の出入りをシャットアウトすることが大切です。

カーテンが薄手の場合は、厚手のしっかりしたカーテンに掛け替えましょう。これは夏の冷房節約にもつながることなので、買い替えの費用がかかっても長い目でみるとお得と言えるでしょう。

「遮光(しゃこう)カーテン」は、厚めの生地のものが多く、光と同時に熱も遮断する効果が高いのでおすすめです。遮光レベル2級以上のものを選ぶと良いでしょう。

昼間に日光が差し込むならカーテンを開けて太陽からの熱を部屋へ入れ、日没前にカーテン閉めるのがおすすめです。

床が冷たい場合は、靴下とスリッパを履くだけではなく、100円ショップなどで、断熱マットや保温シートなどを買って敷くのも手軽で効果があります。ただし、滑りやすいものが多いので気をつけて。滑り止めをつけるなどして、安全に活用しましょう。

暖房費節約の基本2:部屋を加湿して体感温度をアップ。加湿器の選び方は?

加湿をしながら暖房すると体感温度が高くなり、低い設定温度でも快適に過ごせて節約につながります。洗濯物や濡れたバスタオルを部屋干しするのもいいですが、今は価格が手頃な加湿器もたくさん出ていますので、加湿器の導入を考えてもよいでしょう。

現在、加湿器には主に4つのタイプがあります。「超音波式」「スチーム式(加熱式)」「気化式」「ハイブリッド式(加熱気化式)」です。

超音波式は振動で水をミストに変えるもので、価格が安く、電気代も控えめ。ただし、手入れを怠ると雑菌が繁殖しやすく、空中に放出される可能性があります。また、壁紙やカーテンなど周囲にあるものを湿らせたり傷めたりする場合もありますので、置き場所とミストの量を考えながら使用しましょう。

スチーム式(加熱式)は水をヒーターで加熱して蒸発させ、その湯気(水蒸気)をファンで空中に送り出して加湿します。菌が繁殖しにくく衛生的ですが、電気料金は高くなります。吹き出し口が熱くなり、蒸気に触れると火傷のリスクもあるので、小さな子どもがいる家庭には不向きです。

気化式は、水を含ませたフィルターに、ファンで風を当てて気化した水蒸気を放出します。ヒーターがないので電気料金がほとんどかからず、熱くならないのもメリット。ただし、機種によってはモーター音やファンの音がうるさく感じることも。

ハイブリッド式(加熱気化式)は、水を含ませたフィルターにヒーターとファンでつくった温風を当て、水分を気化して放出します。スピーディーに加湿できますが、ヒーターを搭載する分、気化式より消費電力が大きく、本体価格も高めです。

それぞれのメリット&デメリットをよく検討し、部屋の広さや、気密性が高いか低いかなど家の特徴も考慮して選ぶことが大切です。

暖房費節約の基本3:室温20℃になるように暖房器具を使う

資源エネルギー庁によれば、暖房費を節約しつつ快適に過ごす室内設定温度は「20℃」が目安とされています(※1)。

20℃にするとどのくらい節約できるか、金額を算出したものが以下。いずれも、外気の温度が6℃のときに1日9時間使用した場合の金額です。

【エアコン】設定温度を21℃から20℃にすると、年間で約1,650円節約
【ガスファンヒーター】設定温度を21℃から20℃にすると、年間で約1,320円節約
【石油ファンヒーター】設定温度を21℃から20℃にすると、年間で約880円節約

室温20℃にすると、決して侮れない金額の節約になるわけです。肌寒さを感じたら、1枚多く羽織るなどウォームビスを心掛けることも忘れずに行いましょう。

冬は「コールドドラフト現象」と言って、室内の空気が窓面に当たって冷やされて下降し、室内に冷気が拡散します。ファンヒーターなどを置くときはカーテンが燃えない程度の窓際に置くと、冷気をファンヒーターが吸って温め部屋に送り出すので、暖房効率を上げることができます。

さらに、家族が1つの部屋に集まって暖房器具や照明、テレビを共有するウォームシェアも節約の効果的なポイントですので、家族仲良くリビングで過ごす時間を増やすようにしましょう。

暖房費節約の基本4:こたつの併用でさらに暖房効率アップ

使う暖房器具は住環境やエリアで異なりますが、どの場合でも併用できるのが「こたつ」です。

こたつと併用することでエアコンの温度設定を低めにしたり、ストーブを使う時間を短くできたりできるので、光熱費を抑えることにつながります。こたつカバーを二重にしたり、こたつ用敷布団やラグの下に断熱シートを敷いたりすると、さらに暖房効率アップに。

ただし、こたつを導入すると「掃除が大変」「子どもや夫がこたつから動かなくなる」などの懸念もあります。こたつを併用するかどうかは、家族と使い方も相談して決めるとよいでしょう。

暖房費節約の基本5:暖房器具以外の設定工夫でさらに効果的

エアコンやストーブなどの暖房器具以外も、設定を変えるだけで光熱費の節約ができるので、ぜひやってみてください。

【暖房便座】
便座の設定温度を1段階下げる(中→弱)と年間約820円の節約に(冷房期間はオフ)
洗浄水の温度設定を1段階下げる(中→弱)と年間約430円の節約(暖房期間は周囲囲温度11℃、中間期は周囲温度18℃、冷房期間は周囲温度26℃として算出)
※どちらもタンクの中の水をヒーターで温める貯湯式の場合(※1)

【冷蔵庫】
設定温度を「強」から「中」にすると年間約1,910円の節約(周囲温度22℃)(※1)

【給湯温度】
湯の温度を40℃から37℃に下げると年間約1,776円の節約(※2)

【お風呂の浴槽】
湯量を200Lから180Lにすると、年間4,852円の節約(水道料金含む)(※2)

我慢しすぎは風邪を引いたり、体調を崩す原因にもなりかねません。むりせずムダを省いて健康的に節約にもなる省エネ生活を送りましょう。

◆教えてくれたのは・・・

丸山晴美さん

22歳の時に節約に目覚め、1年で200万円を貯めた経験がメディアに取り上げられ、その後コンビニ店長などを経て2001年、節約アドバイザーとして独立。ファイナンシャルプランナー(AFP)、消費生活アドバイザーなどの資格を取得。身の回りの節約術やライフプランを見据えたお金の管理運用のアドバイスなどを、テレビやラジオ、雑誌、講演などで行なっている。著書は「シングルママの『お金に困らない』本」(徳間書店)、「50代から知っておきたい!年金生活の不安、解消します」(共著)(幻冬舎)、「お金を活かす ハッピーエンディングノート」(東京新聞)「節約家計ノート2024」(東京新聞)steady.特別編集「知識ゼロでもまるっとわかるお金の基本」(宝島社)など多数。

取材・文/かきの木のりみ

 
 

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