毎日ムダのない買物のはずが……実はムダ!?【連載】FPの1週間レシート診断#5

2018/12/29

レシートを10分ながめるだけで、自分のムダが浮き彫りに!今回、レシート診断を受けるのは、「手元のやりくり費をあと1万円ぐらいしぼりたい」という主婦Kさん。一見、なんのムダもないレシートの削りどころは、果たして!?

【このレシート診断について】
1週間分のレシートをすべて収集し、マネーライター・FPの大上ミカさんと一緒に内容を振り返ります。レシートで自分のクセを見直して、家計改善のきっかけをつかみましょう♪

<Kさんのお悩み>やりくり費を1万円ぐらい減らしたい!

0歳児の育児に奮闘中のKさん(宮城県・32歳)は専業主婦。「固定費を除くと、毎月だいたい10万円ぐらいでやりくりしてます。もう少し貯蓄をしたいので、削りどころを探したい!」

Kさんの1週間のレシートを大公開!

Kさんに1週間分のレシートを捨てずに保管してもらい、何をどれだけ買ったかを調べました。Kさんのレシートの内訳はコチラ。

※一部レシートがないものはメモを参考にしています

レシートチェック1: 予算なきやりくりが、ムダの見落としに

大上:こんにちは〜。今日はよろしくお願いします!Kさんは、やりくり費をもうちょっと減らしたいということですね〜。ちなみに、それはどんな理由で?

Kさん: 今、毎月5万円は貯蓄できているんですが、子どもがこれから習い事や幼稚園に行くことを考えると、もう少し家計を見直す必要があるかなって。

大上:す、素晴らしい心がけですね! 赤ちゃん時代は大きな貯めどきです。たくさんのママさんを取材してきましたが、ここでしっかり家計を見直した人は、皆さん、その後大きく貯蓄を伸ばしていますよ。

Kさん:本当ですか?よかった!

大上:では、さっそくレシートを見ていきましょうか!どれどれ……

Kさん:自分で言うのもなんですが、そんなにムダ遣いはしてないつもりです。お菓子やジュースはほとんど買っていないし、外食も週1回ぐらい。友達とランチに出かけたりもしますが、息抜きも必要だし……

大上:たしかに、明らかなムダ遣いはなさそうですね。ちなみにKさんは1週間、だいたいどのぐらいの予算でやりくりするのが目標ですか?

Kさん:予算は作ってないです。ムダ遣いしないように気をつけているので、いつもそれほど暴走しないので。

大上:なるほど。Kさんの場合、それが出費を削れない原因かもしれないですね。

Kさん:え!な、なぜ!?

大上:予算がないと、欲しければどれも「必要な出費」で片付けられてしまいます。なんでも、「ムダじゃないから」と思ってしまうと、出費の優先順位をつけられず、必要かムダかの見極めができなくなるんですよ。

Kさん:が〜ん。たしかに、「これは必要じゃない」ってやめたものって、そんなにないかも……。

大上:でしょう?今はまだ、家計に余裕がありますが、これからじわじわ出費が増えていくと、月末が苦しくなるかも……。

Kさん:それは困ります!今すぐ、予算作りますっっ!

レシートチェック2: どこまでが「食費」なのか、それが問題

Kさん:食費の予算って、どのぐらいにすればいいですかね〜?全然検討がつかないです。

大上:とりあえず、1週間で食費がどのぐらいかかっているか、見てみましょうか。

Kさん:わかりました! えーと「生協」(スーパー)が合計9,492円。うちはスーパーはここしか使ってないんです。あ、1人の夕飯の時に食べた担々麺とか、ファミマで買ったランチは食費?それとも外食費でしょうか? 

大上:それを決めるのが、実はすごく重要なんです。Kさんにとって「食費」とは、一体なんですか?

Kさん:え。急になんだか壮大なテーマ……。うーん、やっぱり家で食べる普段の食事にかかるお金ですかねぇ。コンビニとか、安い外食とか、自分が楽をするための外食はできれば入れたくないです。

大上:でしたら、個人的な外食は小遣いの予算をとって、そこでやりくりしては? 先ほど、お友達とランチに行くこともあるとおっしゃってましたし、そうした出費に上限を設けることで、優先順位も自然とつけられるはず。

Kさん:たしかに。上限があるなら、友達とのランチを優先したい。夕飯の用意が面倒な時は、レトルトとかでもいいわけだし!

大上:そうそう、その調子!その予算で払うべきものを決めることで、予算をいくらにすればいいか目安もつけられるし、やりくりも迷わなくなります。ムダもどんどん見えてくるはずです。

Kさん:1人の外食をなくせば、この週だけで1215円も削減。1ヶ月で考えたら、もっとあるから、3000円以上は減らせるかも!

レシートチェック3:毎日スーパーで買い物。それって本当に必要?

大上:自炊用の食材を買うお店は、ほぼ「生協」ですか?

Kさん:はい。家のすぐそばなんで、その日の献立に必要なものを毎日買いに行きます。

大上:毎日行くと、うっかり余計なものまで買ったりしません?特売につられたりとか、おいしそうな新商品につい手が伸びたりとか。

Kさん:(パラパラとレシートをめくりつつ)あんまりないはず……。でも、こうやって見返すと、ジャガイモやニンジンはバラで何回も買うより、1袋で買ったほうが絶対安い。どっちみち、1週間で使い切るし。キャベツもカット野菜を何度も買うより、1個買ったほうが安いわ。

大上:そうですね! 自炊が少ない人ならともかく、毎日消費できるなら、まとめ買いで安いものを選ぶほうがお得。単品で買っているじゃがいも、にんじん、キャベツ、カット大根の合計が486円あるので、これが2割安くなるとしたら、約100円減らせますね。

それだけ?と思うかもしれませんが、日々使うものだからこそ、実は大きい。1ヶ月500円減らせれば、年間では6000円にもなりますから。

Kさん:侮れないですね。そう考えたら、お肉もまとめて買って小分け冷凍したほうが安いかも。毎日買うと、1パック使う必要なくても、つい全部使って作りすぎてしまうこともあるし……。

大上: Kさんは「必要なものだけ買う」という意識がすでに強いので、まとめ買いに切り替えても、買いすぎる心配はなさそうです。3日分や1週間分などある程度献立を決めてまとめ買いし、次の買い物までに使い切るサイクルを作れば、ムダもでず、買いすぎや作りすぎのロスも減らせます。

Kさん:そうかも! なんだかんだ冷蔵庫にあるもので1日ぐらいはしのげるし。

大上:今、「生協」が1週間で9492円。1日平均で1356円なので、仮に1日分減らせたとしたら1ヶ月で5424円も削減できますよ!

Kさん:おお!すごい!まとめ買いいいかも!!実はいくらお店が近いとはいえ、子連れで行くのはちょっときついので、それも解決できます。

大上:そうですよね。ちなみに、Kさんはこの先仕事に復帰する予定は?

Kさん:あります!子どもがもう少し大きくなったら働きたいです。

大上:それなら、毎日買い物に行くスタイルだとこの先大変になります。今のうちに、まとめ買いに慣れておいて、使い切れる献立の組み合わせや、作りおきなどの腕を磨いておくと、あとでめちゃめちゃラク。忙しくなっても、外食や惣菜に走ったりせず、食費が暴走するリスクを減らせます。

Kさん:なるほど!たしかに、お金もそうだけど、家事や暮らしも見直すなら家にいる今のうちですね。買い物は、夫が休みの土曜日にまとめ買いして、足りないものだけ火曜日か水曜日にちょこっと買うサイクルにしてみます。毎日買い物に行かなければ、時間のゆとりもできそうですし!

大上:その時間をムダな出費を振り返ることに使えば、家計にもさらにプラス。趣味などで好きなことをしてストレス発散をすれば、衝動買い防止にも効果的ですよ!

Kさん:はい! 頑張ります〜〜!

〜Kさんのレシート診断のまとめ〜

①予算なきやりくりは、ムダ遣いの温床に!
予算意識がないと、どの出費も「必要」に。優先順位をつけるためにも、使っていい上限を決めよう

②どこまでが「食費」か、定義しよう
予算を決める際、大切なのはその内容。どこまでがその予算でまかなう部分なのかを決めることで、ムダの見極めも明確に

③食費はまとめ買いでコストダウンを
必要なものを意識できるKさんは、使い切れる量をまとめ買いしたほうが食費は節約できそう。時間の余裕もでき、お金に向き合うゆとりも!

〜レシート診断を終えてみて(Kさん感想)〜

ムダなものは買ってないつもりでしたが、「やりくり」する意識は低かったかも。仕事に復帰することを考えて、今のうちに家計も暮らしもしっかり見直しておこうと、強く思いました!

レシートチェック ワンポイントアドバイス!

監修・執筆・・・

大上ミカ

マネーライター・ファイナンシャルプランナー。雑誌「サンキュ!」(ベネッセコーポレーション)を中心に、雑誌やウェブでお金に関する記事を取材・執筆中。著書に「お金が勝手に貯まりだす暮らし」(リベラル社)がある。

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