お金があったらあるだけ使ってしまう性格だったという、Oさん。お金を向き合うのが怖くて、これまで見て見ぬふりを続けてきた彼女が、マイナスからプラスへと家計を再生させることに成功!「貯められない人」から「貯まる人」に変わるまでの道のりを振り返ります。
●教えてくれた人……
Oさん
夫(36歳)、長男(9歳)、二男(7歳)、長女(6歳)の5人家族。結婚10年目。住まいは4LDKの一戸建て。パートで保育士として週5日働く。
【MONEY DATA】
月収(手取り) 41万円
年収(手取り) 492万円
月貯蓄額 4万円
年貯蓄額 48万
総貯蓄額 380万円
なんでこれで生きていられたのか謎期
家計簿をただつけるだけ(一切見直さない)で「家計管理している気分」になっていた結婚当初。実際は大赤字なのに自覚はゼロでした。
【新婚当初の家計表】
月収(夫婦・手取り) 40万円
住宅費 6万円
水道・光熱費 3万5000円
通信費 2万2000円
保険料 3万6000円
ローン(車費など) 3万7000円
ガソリン代 1万円
娯楽費 13万円
食費・日用品費 6万円
外食費 3万円
ウォーターサーバー代 6000円
クレジットカード払い 6万6000円
夫小遣い 7万円
使途不明金 2万8000円
がむしゃらに頑張る期
パート勤務になって時間ができたので『サンキュ!』で猛勉強。神棚を作って神頼み、トイレ掃除で金運アップ、宝くじで一攫千金……などいろいろやってみるものも、頑張りがから回り。貯められないまま2年が経過しました。
●節約熱がヒートアップ!
「節約=1円でもケチること」だと思った私。夫が協力してくれないなら自分だけでも!と光熱費や食費を削るために必死に。神頼みから一転、やりすぎってくらい節約にハマっていました。
例えば…
・深夜電力料金狙いで、夜中に起きて洗濯
・半額シールを追い求めて、夕食後にスーパーへ
自分と向き合う期
節約熱がヒートアップしすぎて家の中はピリピリ、ストレスも限界。どん底まで落ちて初めて、自分と向き合うことができました。お金が貯まらない理由は、家族のせいではなく、私にあったんです。
●「カード頼みのやりくり」を直視する
とりあえずつけていた家計簿。貯まらない原因を見つけたくて見返したら、使途不明のクレジットカードの支払い額が毎月5~6万円も。〝足りなくなったらカード払い〞の習慣が抜けていなかったんです。
●「子ども服の爆買い」を断つ
節約の反動か、ネットでポチるのがストレス解消になってしまった私。子ども服も色違いが選べず、両方買っては子どもたちも喜ばず、完全に自己満足。まずは、これをやめなくては……。
―「相手を変えるより自分を変えたほうがラク」
友人のこの言葉に共感。夫を責めてもお金は生まれない。まずは私が変わらなくては!そして、家族みんなが幸せでいられるために、ムリなく一歩一歩できる家計改革を考えました。
【家計改革への第一歩】
・外食は月に1回。夫が行きたい場所に行く
・月内でやりくりできるまで「クレジットカード」を封印する
・通信料など、固定費のプランを見直す
”足る”を知りたい期
自分に向き合い、ようやく家計再生に向けてスタートラインに立った私。お金の使い方を見直し、身の丈に合った暮らしをめざし始めました。
●ラクに続く献立を採用!
料理は苦手だけど、肉を塩・こしょうして焼くだけ、野菜をレンジでチンして盛るだけでも家族が喜ぶことがわかったら、心のハードルが一気にダウン。家で作れないものだけ、月イチで外食する習慣に。
●1万円札は1000円札に両替して財布に!
カードを封印したら、今度はスーパーでドカ買いしたくなってしまって。使いすぎないよう、財布には8000円ずつ入れて物欲をコントロールしました。
●お菓子をドカ買いしない
以前のおやつタイムは、買いだめしたお菓子を食べ放題状態だったわが家。今は数種類の駄菓子を組み合わせ、1人分ずつカウンターに並べてます。予算は守れて、子どもの満足度はアップ。
●やりくり費の中から欲しいものを買う
前は、〝欲しいもの=買うもの〞でした。でも今は〝今月のやりくり費の中から支払えないなら、今は買っちゃいけないもの〞って考えるように。お金が貯まるまでの待つ時間も、楽しみに変わりました。
●「流行」ではなく「使いこなせる」を基準に!
流行りの食材やおしゃれな輸入食品を買っても、結局余っちゃう。今はあれこれ手を出さず、使い慣れたものだけ購入。冷蔵庫がからになるまで使い切るのが快感になりました。
●家に置くストックは1つまで
ドラッグストアでもまとめ買いのクセが抜けなかったけど「ストックは1つ」と意識したら、特売品もスルーできるように。買う量をセーブする習慣がつき、予算内でやりくりできるようになりました。
未来を見つめる期
家計が安定してきたら、将来について考える余裕も。先を見据えて準備することで、漠然と抱えていた不安感もなくなり、今が楽しめるように。
●教育費について考える
ライフプランで教育費が学資保険だけでは足りないことがわかり、貯蓄の目的がより具体的に。育児が一段落したら再びフルタイムで働き、収入を増やすべく計画も立てられました。
●目標を持つ
今までは「週末〇〇に行きたい」「来月〇〇を買いたい」など、目の前のことにお金を使っていたわが家。でも、将来を見通したら「家をリフォームしたい」「家族で北海道旅行をしたい」など、大きな目標を持つようになり貯蓄意識も変わりました。
●ライフプランを立てる
無料で遊べるイベント目的で住宅展示場へ行ったら、ファイナンシャル・プランナーが無料でライフプランを立ててくれました。将来の家計の変化が見てわかり、抑えるべき支出や必要な貯蓄額が明確に。
ついに、脱ブラック
安定して貯められる家計になったことで、わが家の家計再生物語もついに最終章。もう、赤字家計には戻らない自信があります。
【現在の家計表】
月収(手取り) 41万円
児童手当 3万5000円
月貯蓄額 4万円
貯蓄型保険(学資・個人年金) 4万5000円
住居費 6万円
水道・光熱費 1万6000円
通信費 1万8000円
保険料 2万1000円
ローン(太陽光パネル費など) 5万3000円
ガソリン代 1万円
子ども費(保育料・給食費) 3万5000円
特別出費用積み立て 4万4000円
食費・日用品費 5万3000円
夫小遣い 5万円
●時間使い=お金使い
以前はお金も時間もムダがいっぱいあって、気持ちに余裕がなかったんです。今は早寝早起きができるようになったし、近い将来のフルタイム勤務に対応できるよう生活を整えておきたい!
●クレジットカードはルールを決めて使う
家計が安定し、物欲もコントロールできるようになったのでカード払いを再開。使ったら現金を袋に入れて管理すれば安心。1つのカードにしぼることで、ポイントも効率よく貯めてます。
●家計をくずす原因を書き出す
浄化槽代や車検費用、コンタクトの購入費など特別出費用の積み立ては計4万4000円。これだけ備えておけば、年間を通して家計がくずれることはありません。大きな出費もすんなり払えることで、やりくりにも自分にも、どんどん自信を持つことができます。
≪ブラック家計なあなたへメッセージ≫
家計改革って、これまでの人生がひっくり返るくらい本当に大変。でも、貯められない時代があったからこそ、お金の大切さや貯める楽しさを日々実感しています。この経験が今苦しんでいるだれかの助けになりますように……。
参照:『サンキュ!』9月号「『貯蓄ゼロ』からの大逆転!脱・ブラック家計」より。掲載している情報は18年7月現在のものです。撮影/小田垣吉則 構成/出下真紀 取材・文/平井裕子 編集/サンキュ!編集部
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