全額無料の自治体も!「乳幼児・子ども医療費助成制度」について知っておこう

2019/02/18

赤ちゃんや小さい子どもは、急に熱を出したり、けがをすることが多いもの。毎回病院に行って医療費を払うのは、経済的にかなりの負担になりますよね。

子育て世帯の医療費の負担をサポートするのが、自治体の「乳幼児・子ども医療費助成制度」です。

どのくらい負担が軽くなるのか、いつまで利用できるのかなど、社会保険労務士でファイナンシャルプランナーの井戸美枝先生に詳しく教えていただきました。

「乳幼児・子ども医療費助成制度」とは?

「乳幼児・子ども医療費助成制度」は、赤ちゃんや小さい子どもが医療機関で診察・治療を受けたときに、その費用の一部または全額を、自治体が負担してくれるというもの。

自治体によって「乳幼児医療費助成制度」「小児医療費助成事業」など、さまざまな名称で呼ばれています。

対象年齢や助成内容、親の所得制限などは自治体ごとに大きく異なるので、自分の住んでいる地域ではどのような助成が受けられるのか、役所の窓口やホームページなどで確認してみるといいでしょう。

「乳幼児・子ども医療費助成制度」はどんな人が利用できる?

子どもの医療費助成制度は、健康保険に加入している子どもが対象です。

ただし、次のようなケースは対象から除かれます。

■生活保護を受けている子ども
■社会的な措置により施設などに入所している子ども

「乳幼児・子ども医療費助成制度」はいつまで受けられる?

対象年齢は自治体によって異なります。子どもが小学校に入る前までで助成が終了してしまう自治体もあれば、22歳まで助成が受け続けられる自治体も。

全国的に見ると、0歳から中学生までの医療費を助成してくれる自治体が多いようです。

また、助成額についても、自治体によって大きな開きが。かかった医療費の全額を負担してくれる自治体もあれば、一部を負担する自治体など、いろいろなケースがあります。

【乳幼児・子ども医療費助成制度の例】

東京都・目黒区の例

■対象:目黒区在住の健康保険加入者
■助成期間:申請日から子どもが15歳に達したあと最初の3月31日まで
■助成範囲:健康保険の対象となる医療費の自己負担分。入院時食事療養標準負担額

東京都目黒区では、子どもが0歳から中学校を卒業するまで、医療費すべてが無料。また、入院時の食事代も一部負担してくれるようです。

神奈川県・横浜市の例

■対象:横浜市在住の健康保険加入者
■助成期間:申請日から15歳に達したあと最初の3月31日まで
■助成範囲:小学4年生~6年生までは通院1回につき500円までの自己負担(院外薬局、入院を除く)があるが、ほかは自己負担分を助成

神奈川県横浜市では、小学4年〜6年生なら、通院1回につき500円の自己負担となり、それを超える金額は助成が受けられます。

「乳幼児・子ども医療費助成制度」の申請方法は?

「乳幼児・子ども医療費助成制度」を利用するには、住んでいる地域を管轄する役所に申請して、医療証などの交付を受ける必要があります。

手続きの主な流れはこちら。
 
1:住んでいる市区町村の助成内容を確認する
2:出産後、新生児の健康保険の加入手続きをする
3:新生児の健康保険証が届く
4:役所に健康保険証を持参して、医療費助成の手続きをする
※健康保険証がまだ届いていない場合、後日、健康保険証のコピーを郵送すればよいという自治体もあります。
5:乳幼児・子ども医療証が届く

医療機関で医療証を提示すると支払いが不要になるケースがほとんどですが、自治体によっては、窓口で自己負担分を支払い、後日申請して振り込みを受けるケースもあります。

子どもが生後間もないころから、病気やけがで病院にお世話になることもあるので、手続きはなるべく早めにすませておきたいですね。

まとめ

子どもの医療費はほぼ無料という自治体も多いので、子ども保険の医療特約や子ども共済の保証を見直せば、保険料の節約にもなります。

妊娠中から助成内容をしっかり確認しておき、出産後は忘れずに申請しましょう。


教えてくれたのは・・・

井戸美枝さん

社会保険労務士、ファイナンシャルプランナー(CFP(R))、経済エッセイスト。講演やテレビ、ラジオなど多数のメディアを通じて、ライフプランや資産運用についてアドバイスを行う。著書に『届け出だけでもらえるお金』(プレジデント社)、『身近な人が元気なうちに話しておきたい お金のこと 介護のこと』(東洋経済新報社)など。

取材・文/有馬未央(KIRA KIRA)

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