レシートを10分眺めるだけで、自分のムダが浮き彫りに!今回レシート診断を受けるのは、「食費が高いのが悩み」という主婦Aさん。年末年始に使ったレシート(今回のみ2週間分)で、何がムダか見直してみました!
【このレシート診断について】
指定した期間のレシートをすべて保存し、マネーライター兼ファイナンシャルプランナー(FP)の大上ミカさんと一緒に内容を振り返ります。レシートで自分のムダと向き合うことを目的としています。
今月のお悩み:米代がかからないのに、食費が高すぎる!
大阪で暮らすAさんは、7歳と4歳のママ。「米と野菜は実家からもらっているのに、食費が月5万円と高い。来春は社宅を出なくてはいけないので、住居費が倍増。このままでは貯蓄できなくなるため、なんとか今のうちにムダを見直したいです!」
【Aさん宅の家族構成とやりくり】
Aさん(35歳)、夫(35歳)、長女(7歳)、長男(4歳)の4人家族。世帯月収は手取り32万円で、毎月7万円を貯蓄中。家計簿を書いてはいるものの、使途不明金がでている。
Aさんの2週間のレシートを大公開!
年末年始は自宅にいたのに、トータル7万円も出費!
Aさんに年末年始の2週間分のレシートを捨てずに保管しておいてもらいました。Aさんのレシートの内訳はコチラ。
※一部レシートがないものはメモを参考にしています。
レシートチェック1: “おねだりプチ外食”が、2万円以上も!
大上(以下・大):こんにちは〜。今日はよろしくお願いします!年末年始の2週間分のレシートが、全部で41枚(レシートのない出費もカウント)、合計では7万1,209円でした。まずは、率直なご感想をお願いします。
Aさん(以下・A):想像以上の出費と枚数で落ち込みました……。今年は家にいたので、多くても5万円くらいかと。
大:年末年始は何かと出費がかさみますからね〜。早速、どんな物にお金を使ったか見ていきましょう。まず、Aさんが気になったレシートは?
A:外食ですね。夫がラーメンとおすしが好きで、しょっちゅうランチに行ってしまいました。実は今、夫が単身赴任中で。それでつい、帰ってきている間くらいはと、私も甘くなってしまってズルズルと…。
<外食のレシートの内訳>
大:なるほど。外食に何回行ったか数えてみると……カフェも含めて合計で13回、2万3,530円ですね。
A:ええっ!そんなにあります!?そんなに高いお店に行った覚えはないのに…!
大:確かに5000円を超えるレシートはないですが、数が増えればそれなりに高くつきますよね。
A:本当ですね。安いし、ラーメンやおすしは家で同じ味は作れないし、家族が喜ぶならいいかって思うと、つい。でも、こんなに使ってるなら、見直さなくちゃ!
大:今回は年末年始でしたが、普段はどのぐらいの頻度で外食してますか?
A:夫が帰ってくる土日は、どちらもランチに行きます。行くお店は今回とほぼ同じで、おすしかラーメンが多いです。
大:レシートから推計して、土曜日はおすしに行って3,000円、日曜日はラーメンで2,000円ぐらいかかるとして、1回の週末に5,000円はかかる計算ですね。4週間では2万円です。ご家族の希望も考えて、何回ぐらい、減らしても大丈夫そうですか?
A:週末1回で充分です!ラーメンとおすしを毎週交互に行こうと夫に話してみます!ゼロにするわけじゃなければ、文句は出ないはず。
大:ランチ代が半分になれば、1万円の節約に。大きいですね!
A:はい!外食後に寄るカフェもなくなるから、実際にはもっと減りそう♪ 頑張ります!
レシートチェック2: おねだりのジュース代が月8,000円にも!
大:さて、Aさんのお悩みは食費が高いことでしたね。スーパーのレシートを見て、「これはムダだな」「買いすぎだな」と思う出費はどれでしょう?
A:ジュースとお菓子ですね……。
大:というと、嗜好品ですね。……確かに、ほとんどのレシートで何かしらのジュースや飲料を買ってますね。お菓子だけ買っているコンビニのレシートも。
A:子どもに「のどが渇いた」「おなかすいた」とねだられると断れないんです〜〜。
大:外食にしても、ジュースにしても、Aさんはご家族の“おねだり”に相当弱いですね(笑)。
A:そ、そ、そうなんですよ…。自分でも甘いなとは思うんですが、うれしそうな顔が見たくて、すぐ負けてしまうんです。
大:ちなみに、ジュース代だけざっと計算したところ、2週間で4,750円ありました。年末年始で多めだったとしても、1カ月8,000円は使っているペース。お菓子やお酒を含めたら、もっとです。
A: た、た、高い……。うちはお米や野菜は実家からもらえるのに、なんでスーパーに5万円もかかるのかと思ったら、正体は嗜好品だったんですね……。でも、いきなりやめたら子どもに反発されそう。それはなるべく避けたいです!
大:あまりギスギスすると続かないので、最初はできる範囲でいいと思います。たとえば、上のお子さんはもう7歳なら、おねだり用のお小遣いを決めて渡してみてはどうでしょう?好きなものを選ぶ楽しみは残しつつ、「ねだられたら買ってしまう」がエンドレスになるのを防げます。
A:なるほど!それならすんなり減らせるかも!コンビニのお菓子は、だいたい小腹満たしのためなので、出かけるときは家にあるお菓子やおにぎりを作って持参するようにします。
大:ねだられる原因そのものを消せば、いちばん平和で、削減効果も大きいですね!仮にジュース代が月3,000円になれば月5,000円の節約。年間では6万円にもなります。
A:うわ、ジュース代、侮れないですね。しっかりしなきゃ!!
大:自分でムダだと気づけたものは必ず直せます!もう少しレシートを集めて、毎週ジュース代だけ合計してみてください。減らせた分だけ、「買ったつもり」で貯蓄すれば、けっこういい貯蓄になり、やる気も続くはず!
A:それ楽しそう!やってみます!!
〜Aさんのレシート診断のまとめ〜
1)「安いから」が積み重なると、命取り!
1回の出費は安くても、積み重なれば大きな金額に。「安いから」と思ったときほど、要注意と心得よう。
2)「甘さ」も予算を決めるべし!
おねだりがエンドレスになると、出費は青天井に。ルールや予算を決めて、使える範囲の制限を。
3)なぜ貯めたいのか、目的をはっきりさせよう
全体的に家計が甘く、出費がゆるいAさん。いつまでにいくら、何のために貯めたいのかを明確にすると、今月貯めるべき金額もわかり、やる気に!
〜レシート診断を終えてみて(Aさん感想)〜
想像以上に外食や嗜好品が多くて、恥ずかしい……!でも、引っ越しで住居費が上がる前に気づけてよかった。ルールを決めても、意志が弱くて破ってしまいそうなので、夫や子どもとよく話し合い、みんなに協力してもらおうと思います!
レシートチェック:ワンポイントアドバイス!
プロフィール
大上ミカ
マネーライター・ファイナンシャルプランナー。雑誌「サンキュ!」(ベネッセコーポレーション)を中心に、雑誌やウェブでお金に関する記事を取材・執筆中。近著に『収入が増えなくても貯蓄が2倍になる方法』(リベラル社)がある。