ゴミ箱で野菜を投げる女性

「食品ロス」は「お金のロス」!賢くムダを減らす4つの方法

2019/09/09

料理をつくりすぎて食べ切れずに捨てた、気づいたら消費期限がすぎていて食材を捨てた……だれでもこういう経験、ありますよね。これが一般家庭から出る「食品ロス(フードロス)」といわれるもの。実はこれ、年間291万トン(※1)にも上っています。食品ロスは、食材そのものだけでなく、それに使ったお金や調理の労力・時間もムダにしているということ!「食品ロス」を減らす対策を、節約アドバイザーの丸山晴美さんに教えてもらいました。

みなさまこんにちは。節約アドバイザーの丸山晴美です。

お金にはトレンドがあって、その情報をキャッチできるか否かで、得する人と損する人に分かれます。でも経済に関するお金の情報は、ちょっとむずかしいですよね。私はみなさまに、お金の旬の情報をわかりやすくお届けしていきたいと思います。今回のテーマは「家計のムダをなくす食品ロス対策」!

日本の「食品ロス」643万トンのうち、約半分が一般家庭から!

2019年6月、コンビニエンスストア大手のローソンが愛媛・沖縄県内の全店で、消費期限が迫ったお弁当やおにぎりなどを割安で販売する実験をスタートしました。該当する商品を購入するとポイントを還元する方式で、これにより廃棄処分となる商品が減るかを検証し、20年以降の全国展開をめざすと言っています。
セブン-イレブン・ジャパンも同様のポイント付与制度を、今秋ごろから始める予定です。
今、こうした「食品ロス」を減らす動きが活発になってきています。

食品ロスとは食べ残しや売れ残り、消費期限が近いなどさまざまな理由で「食べられるのに捨てられてしまう食品」のことです。
農林水産省の2016年度の推計によると、日本の食品廃棄物は年間2,759万トンあり、そのうち食品ロスは年間643万トンほど。そしてこの約半分、291万トンの食品ロスが一般家庭から出ています。(※1)

家庭からの食品ロスの発生要因は主に「食べ残し」や「食材が傷んでいたり期限切れなどで捨てる」、皮のむきすぎなどで食べられる部分まで捨ててしまう「過剰除去」など。
残りの352万トンは事業系の食品ロスで、発生要因は主に「規格外品」や「返品」「売れ残り」「食べ残し」などです。

「食品ロス」を減らすメリットとは?

食品ロスがこれだけ多いということは、食材や食費をそれだけムダにしていることです。さらに、調理した手間や時間もムダになっているわけですから、これはとてももったいないこと。食品ロス対策を行うことは家計のムダをなくすことにもつながるんです。

事業系の食品ロスも、私たちと無関係ではありません。廃棄にかかる費用は食品の小売価格に上乗せされているという事実をご存じでしょうか。つまり、その分の費用が抑えられれば、小売価格が下がることも充分あり得ます。
さらに、食品ロスが減ればゴミも減ります。ゴミ処理施設で燃やすゴミが減れば、排出されるCO2が削減され、環境にもよいといえます。

現在、食品ロスの対策として、さまざまなサービス・対応策が生まれています。そのなかから、私たち主婦に役立つものをご紹介します。まずは「フードシェアリングサービス」です。

食品ロス対策1:フードシェアリングサービス/ネット通販・アプリ編

彼女のスマート フォンで食料品のショッピング通りに座っている女性
milindri/gettyimages

フードシェアリングサービスとは、残ったり余ったりした食品を、必要としている人に紹介・案内するサービスです。本来なら廃棄されていた食品が、必要とする人に無料もしくは割安で提供されるので、食品ロスの削減につながります。
余剰商品をだれでも安く買えるお得な通販サイトもありますから、上手に利用しましょう。

KURADASHI.jp(クラダシドットジェーピー)

賞味期限が近い物や食べられる季節がすぎた物、傷ついていたりして店頭で売ることができない商品を、希望小売価格より平均6〜7割安く提供している通販サイトです。2019年7月時点で600社近い協賛企業が廃棄予定の商品を出品しています。売上高の3%が環境保全や社会貢献に取り組む団体の支援金になります。
1セットの量が多めなので、数人でシェアするのがおすすめです。

No Food Loss(ノーフードロス)

2019年2月にサービスを開始した、食品ロスの解決を目的とするクーポンアプリです。コンビニエンスストアや小売店から発生している、まだ食べられるのにやむなく捨てている食品を、半額ほどに値下げするクーポンを販売しています。利用者はクーポンを選択してコンビニの2次元バーコードにスマホをかざせば、割引価格で食品を買えます。
購入金額の一部は、特定非営利活動法人TABLE FOR TWO Internationalを通して、アフリカやアジアの子どもたちの給食費として寄付される仕組みです。

両方ともお得に買い物ができるだけでなく、ちょっとした社会貢献を同時に行えるのが特徴です。

食品ロス対策2:フードシェアリングサービス/飲食店編

取る離れて新鮮なサラダ、ランチ ボックスで女性の手を保持しています。
maaram/gettyimages

フードシェアリングサービスには、レストランなどの飲食店の料理を割引価格で利用できるタイプもあります。

TABETE(タベテ)

閉店時間や急な予約キャンセル、賞味期限などの理由からお店が捨てざるを得ない料理などを、店舗側がTABETEに割引価格で出品し、それを利用者が購入することで「レスキュー」するサービス。
利用者は、WebサイトもしくはアプリでTABETEと提携している近くの飲食店を検索し、レスキュー食材を見つけたら、アプリ上で決済を行います。そのあとにお店に行ってテイクアウトするという流れで、1品ごとに購入する仕組みです。

Reduce GO(リデュースゴー)

こちらも食品ロスを減らしたいお店と、お店の料理を安く食べたいユーザーをマッチングするサービス。登録加盟店(飲食店や小売店)の余剰食品リストの中から気に入った食品をアプリ画面上で選択・注文をして、受け取り時間内に店舗に行って商品をピックアップします。余剰食品リストには、おべんとう、菓子パン、レストランのバイキングメニューなどさまざまなものがあります。
月額1,980円で1日2回までフードを受け取れるというのが特徴。近所に利用できる店舗があればお得ですよね。

どちらもとても魅力的なサービスですが、現在のところ都内が中心で、使える人がまだまだ少ないのが残念な点。これからこういうサービスが全国に広がっていくといいですね。

食品ロス対策3:買い物や調理を工夫すればムダを4割減らせる!?

BravissimoS/gettyimages

上記のようなフードシェアリングサービスを利用するのもいいですが、家庭からの食品ロスを少なくするには、買い物や料理の方法を工夫してムダを減らすことが肝心です。

消費者庁が2017年に徳島県で実施した実証事業では、削減に関する取り組みを行った家庭では食品ロスが約4割減少したそうです。(※2)
その際に一般家庭で実践しやすく&効果があった取り組みのベスト5が以下です。

① 使い切れる分だけ買う
② 家にある食材・食品をチェックする
③ 肉、魚の保存方法を工夫する
④ 食材の特性に注意して保存する
⑤ ストック食材を利用する

どれも特別な方法ではなく、ごく基本的なこと。でも、こういうことを一つ一つしっかり行えば、食品ロスは減らすことができるのです。これでムダな食費が4割も削減できるならうれしいですよね。

時短にもなる「下味冷凍」もおすすめ!

上記の「③ 肉、魚の保存方法を工夫する」では、「冷凍」を上手に利用することがポイントです。冷凍すれば、3週間程度おいしく食べることができます。
なかでも私がおすすめしたいのは「下味冷凍」という方法。買ってきたお肉にしょう油や味噌などで下味をつけて冷凍するだけです。冷凍用の保存袋に肉だけ入れてもいいし、カットした野菜を一緒に入れて冷凍してもOK。

週末に下味冷凍をつくっておき、平日の朝は、出勤前などに冷凍室から冷蔵室に移しておくだけ。帰宅したころには解凍されているので、そのまま焼く・炒めるなどすればメイン料理が完成します。手間がかからず時短にもなるし、買った食材をムダなく使うことができますよ。

食品ロス対策4:それでも使い切れない食材はフードバンク活動に

油、缶詰、シリアル、パスタを入れた段ボール箱。
Tatiana Atamaniuk/gettyimages

食品ロスを出さないように工夫しても、お中元やお歳暮でもらって使い切れない食材など、どうしても廃棄することになる食材も出てくるでしょう。そういう場合はフードバンク活動に提供するのも一案です。

フードバンク活動とは、まだ安全に食べられるにもかかわらずやむを得ず処分されてしまう食材を、食べ物に困っている施設や人に届ける活動のこと。つまり、フードシェアリングを自分が行うということです。

近所の「子ども食堂」などに寄付するのもいいですし、農林水産省のホームページにはフードバンク活動団体の一覧が掲載されています。この中から自分の地域のフードバンクなどに寄付するのもいいでしょう。

食品ロス対策をすることは、調理の手間や時間を短縮することにつながり、家計にもプラスになります。さらに各種サービスを利用すれば、お得に食材を買うことができ、時には手軽にプチぜいたくも楽しむこともでき、そして社会貢献にも。
実はいいことばかりなんですね。

19年に入って多くの飲食料品が値上がりしており、10月からは増税も始まります。こういうときだからこそ、「ムダをなくす」「ムダを見直す」という視点を持つことが大切ですね。

※1 出典:農林水産省および環境省「平成28年度推計」
※2 出典:消費者庁消費者政策課 消費者行政新未来創造オフィス「平成29年度徳島県における食品ロス削減に関する実証事業の結果の概要(ポイント)」

教えてくれたのは・・・

丸山晴美さん

22歳の時に節約に目覚め、1年で200万円を貯めた経験がメディアに取り上げられ、その後コンビニ店長などを経て2001年、節約アドバイザーとして独立。ファイナンシャルプランナー(AFP)、消費生活アドバイザーなどの資格を取得。身の回りの節約術やライフプランを見据えたお金の管理運用のアドバイスなどを、テレビやラジオ、雑誌、講演などで行なっている。著書は「定年後に必要なお金『新・基本のキ』」(宝島社)など多数。

取材・文/かきの木のりみ

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