プロが解説!晩産家庭の教育費、3つのワナと対策
2019/08/11
晩産(ここでは35歳以上で出産した人)家庭の悩みのひとつ「子どもの教育費問題」。夫や妻の病気、高齢化により収入が減るリスク、〝見栄消費〞によるムダづかい……など、晩産ならではの課題にお金のプロがアドバイス!
<教えてくれた人>
鈴木さや子さん
ファイナンシャル・プランナー。消費者目線に立ったマネープランを提案する、ライフヴェーラ代表取締役。まとめサイト「All About」の学費・教育費ガイド。高校生・中学生の2児の母。
晩産家庭 3つのお金のワナ
1 教育費のピークと老後資金の準備が重なる!
晩産の場合、子どもが大学を卒業するころ、親は定年前後。そこから老後資金を貯め始めても間に合わないので、教育費がいちばんかかる時期と並行して、老後資金も貯めなければならず、負担が加重になります。
2 病気や親の介護などで、収入が減るリスク大!
年齢が上がるほど、生活習慣病などの病気にかかるリスクが高まります。また晩産だと自分の親も高齢になるので、介護の問題も。病気や介護の状況によっては、仕事をしたくても離職せざるを得ないケースも!
3 晩産家庭ほど、幼少期のお金をかけすぎる!
共働きの晩産家庭は収入も高め。出産前のお金づかいのクセが抜けず、育児用品にこだわったり、早期教育にお金をかけがち。〝身の丈以上〞の出費が増えると、教育費のピーク期に家計を圧迫することに。
こう対策しましょう!
60歳以降の働き方を踏まえて、 晩産こそ、夫婦でライフプランを
晩産の場合、出産後から定年退職までの期間が短くなります。「子どもの進学先は?」「いつまで働く?」「老後はどう暮らす?」など、夫婦でしっかり話し合いましょう。そのライフプランに伴って、早めに貯蓄計画を立てることが大事です。
収入減のリスクも考え、大学進学費用は、 さらに100万円上乗せを
自分の病気や親の介護などで収入が減って、いざ大学進学というときに諸費用が払えない……ということにならないよう、大学進学費用は100万円ほど多めに貯めておくと安心。使わなければ、そのまま老後資金に回すこともできます。
今のうちから生活レベルを上げすぎないように暮らす
子どもが小さいうちから教育費や生活費にお金をかけすぎると、定年後もそのレベルを下げられず、一気に老後貧乏に!教育費がピークになる前に、ムダな出費を抑え、家計をコンパクトにするよう心がけましょう。
備えておきたい大学進学費用の目安
*一般家庭の場合
国立大学200万~300万円
私立大学(医・薬学部除く)300万~400万円
*晩産家庭の場合
国立大学300万~400万円
私立大学(医・薬学部除く)400万~500万円
※大学受験から、大学入学後2年目くらいまでにかかるお金の目安です。
(参考データ:文部科学省「平成28年度子供の学習費調査」、日本学生支援機構「平成28年度学生生活調査」)
今回ご紹介した”ワナ”にはまってしまわぬよう、子どもの将来を考えてしっかりライフプランを立てていきましょう。
参照:『サンキュ!』8月号「35歳以上で子どもを産んだ人の『教育費どうする?』問題」より。掲載している情報は19年6月現在のものです。
イラスト/徳丸ゆう 構成/宮原元美 取材・文/村越克子 編集/サンキュ!編集部
『サンキュ!』最新号の詳細はこちら!