「どんな人も片付けたら貯まるようになるんです!」その理由をプロが徹底解明
2019/10/08
家計簿をつけたり、節約をしても、なかなかお金を貯めることができなかった“やりくり下手”なママたちが、家を片づけたことで“やりくり上手”に生まれ変わりました。なぜ片づけると貯まるのでしょうか?お金と片付けのプロがその理由を徹底解明します。
<専門家プロフィール>
●市居愛さん
マネーコンサルタント。主婦を対象としたマネーセミナー、起業支援を行い、延べ4000人以上をサポート。著書『お金を整える』(サンマーク出版)がベストセラーに。
●伊藤勇司さん
空間心理カウンセラー。「部屋は自分の心を映す鏡」という実践的片づけ理論を確立。片づけられない人の気持ちに寄り添った診断が、幅広い層から支持されている。
ダメな人が片づけ始めて、貯まる人に変わるまでの道のりを、専門家と一緒に読み解いてみました。
1:物欲まみれ期
物が多いと、探し物も家事も手間取り、片づけてくれない家族にもイライラ!家がくつろげないから、外出しては、遊びや外食、買い物にお金が消えるという負のループに。その結果、貯蓄が殖えないブラック家計に!
元ダメさんが証言!
1部屋まるごと物置状態!毎月カード払いに追われ自転車操業に。「買い物で迷ったら両方買っちゃうのが普通で、家は物であふれ返る状態。やりくりとは無縁で、貯蓄どころか、毎月の支払いに追われる日々……」(『サンキュ!』読者 岡林美輝さん)
ダブり買い&衝動買いは、日常茶飯事!赤字続きでした。「セール時に爆買い、ネット通販でストレス解消も。部屋が汚いと家事も面倒で、週末は朝から外食して、買い物するのが通常コースでした」(サンキュ!アンバサダー oshimiさん)
専門家の分析・証言
「物が多くなると、何を持っているのか把握できず、同じ物を重複して買ってしまいがちです。散らかったストレスで、何が必要かを考える力も弱くなるので、〝欲しい〞という衝動に任せて買っては、さらに物が増えて散らかるという悪循環に陥るのです」(市居さん)
「『将来どうしたいか』がないから片づけとは、〝こんな生活がしたい〞という目標に向かって進む行為。その生活イメージがはっきりしていないと、少し片づけただけで満足し、またすぐ物を増やしてしまいがち。目先の欲に流されて必要以上に物を買っては、ムダづかいをしてしまうのです」(伊藤さん)
2:物捨て目覚め期
メディアの影響や引っ越しなど、ふとしたタイミングで〝物捨て〞のスイッチがオン。大量の不用品を処分することで、初めて自分のムダを自覚するきっかけに。そうすることで、ムダな出費の多さに気づきます。
元ダメさんが証言!
「ないと困る」と思っていた物は、実は「なくてもいい物」だった!「物が多いことに疲れ、服や食材の在庫を半分にしてみました。その結果、生活には何の支障もなく、自分のムダな買いすぎを痛感しました」(『サンキュ!』読者 森本美沙さん〈仮名〉)
処分した服は400着!労力のわりにお金にならなかった。「売った服だけでも約200着。捨てた分も入れるとその倍!運ぶのにかかった労力や車代のわりに高く売れず、がっかり……。それだけムダをため込んでいたと反省」(サンキュ!アンバサダー 海老原葉月さん)
専門家の分析・証言
「物が多いのは、それだけお金を使ったということ。ただ捨てるのではなく、『なぜそれを買ったのか』『なぜ使わなかったのか』を振り返ることが大事。それが意識を改め、その後のムダづかいを減らすことにつながっていきます」(市居さん)
★道半ばで挫折⁉物を減らしただけで満足してはいけません!
「自分のムダに気づく」というプロセスがないと、お金の使い方は変わりません。また物を買っては、空いた場所に置いてしまうことに!
「残した物は、自分や家族にとって必要な物。それをていねいに扱うことで、暮らしを大切にする気持ちが育ちます。本当に欲しい物ややりたいことに気づけ、心地よくない出費はしなくなります」(伊藤さん)
3:スッキリ快感味わい期
物が減り、家がスッキリすると、「なんか心地いい?」と気づき始めます。家にいるのが楽しくなり、探し物や掃除のストレスが減って、外で発散したい気持ちが減っていきます。さらに、外食費、レジャー費も減少!
元ダメさんが証言!
家事もスムーズになって、おうちごはんが楽しくなった!「片づけたら家事の効率がよくなって、朝のうちに夕食の下ごしらえまでする余裕が。自炊がラクに続き、食費がガツンと減りました!」(サンキュ!アンバサダー oshimiさん)
床が見える部屋になったら、外出のムダづかいが激減!「広々して子どもも思い切り遊べるから、出かけなくてもリフレッシュ。休日は、ムダに外出せず、夫と家計を見直す時間になりました」(サンキュ!アンバサダー 海老原葉月さん)
片づけのプロがアドバイス
「空間を水拭きし、磨き上げると、清々しい気分に。よけいな物を置きたくない心理が働き、必要以上に物を買わなくなります。また、自分で心地いい空間をつくることで、〝やればできる〞と自信がつき、家計にも前向きに!」(伊藤さん)
4:物の適量がわかる期
物を減らすと、何がどこにあるか把握しやすくなり、出し入れもラクに!その快適さをなくしてまで物を増やしたいと思わなくなり、家族にとって最小限必要な量が見えてきます。買いすぎもなくなり、予算も守れるように。
専門家の分析・証言
「例えば、洋服なら1着買ったら1着捨てるなど、ルールを決め、物量を保つようにくせをつけましょう。衝動的に欲しい物があっても、「これを買うために何を捨てるか」と考えれば、買い物が慎重になり、ムダな支出が減らせます」(市居さん)
★リバウンドの危機⁉小さなきっかけで部屋が荒れはじめる
頑張りすぎや忙しさでストレスがたまると、片づけがおろそかに。出しっ放し、やりっ放しが増え、お金に向き合うゆとりもなくなります。
「部屋が荒れる=疲れているとき。ムダな出費も増えがちなので、乱れに気づいたら、しっかり休んで心を整え、時間を取って片づけるようにします」(サンキュ!アンバサダー 海老原葉月さん)
「家が乱れると、『やっぱり自分はダメだ』と責めて、片づけ嫌いに。でも、それは能力不足ではなく、子どもの成長などで物の持ち方が変わってきた証し。今の自分や家族に合っている物、好きな物を残すようにすれば、お金づかいも整ってくるはずです」(伊藤さん)
5:もの選び、お金づかい熟成期
何がムダで、何が必要かわかってくると、お金づかいにも迷いがなくなります。人と比べたり、見えや流行で物を買うこともなくなるので、部屋と家計にゆとりが!物の見極め力が高まり、お金が自然と残ります。
元ダメさんが証言!
その場ですぐ買わない! 熟考することで、満足度がアップ。「部屋を整えたら、物欲もコントロールできるように。欲しい物があっても、じっくり比較検討して納得した物だけ買うので、満足度も高まります」(『サンキュ!』読者 岡林美輝さん)
家が片づいて居心地がよくなると、家族のコミュニケーションが増え、お金の話もしやすくなります。物選びの基準がはっきりするから、周囲に振り回されることがなく、家計が安定していきますよ。
Have a try!
□物を捨てて終わりではなく、「残した物」を大切にする
□物の量を一定に保ってむやみに物を買わないようにする
参照:『サンキュ!』10月号「貯めたいなら、家を片づけてみよう!」より。掲載している情報は19年8月現在のものです。
イラスト/高田明日美 構成/宮原元美 編集/サンキュ!編集部
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