住宅ローンの返済が厳しくなったら…いざという時の救済方法を解説
2020/06/04
幸せいっぱいで購入したマイホーム。でも、もし住宅ローンを返せなくなったら、厳しい現実が待ち受けています。最悪の事態になる前に、できることを専門家が解説。まさかに備え、救済方法について知っておきましょう。
<教えてくれた人>
畠中雅子さん
ファイナンシャル・プランナー。教育費から住宅ローン、老後のお金まで、子育て世代が気になるお金をわかりやすく解説。『ラクに楽しくお金を貯めている私の「貯金簿」』(ぱる出版)など著書も多数。
何があるかわからない世の中。1人でどうにかしようと抱え込まないで
住宅ローンを1回でも未納にしてしまうだけで、状況は一気に悪くなると畠中さん。「銀行は遅延に厳しい。一度は待ってもらえても、翌月は2回分支払うことになり、厳しい状況に。3回支払えないと、住宅を差し押さえられる可能性があります」。最悪、住宅を手放し、競売にかけられることに。「1人で抱え込んでも行き詰まるだけ。1日でも早い相談が最善の解決になります。思考が停止し、借金を重ねたりする前に、金融機関や第三者に相談を」。
「あ、今月払えないかも」と思ったらすぐ銀行に電話を
「万一支払えないときは、すぐ金融機関に事情を説明し、支払う意思があることを伝えて。金融機関には、数字しか見えないので、事情がわかりません。誠意を見せないと、支払う気がないと見なされ、その後の相談もしにくくなります」。
「利息分だけ払う」など条件変更を相談してみる
「事情によっては、しばらく利息だけの支払いにしてくれるなど、柔軟に応じてくれることも。返済期間35年未満で借りている人、繰り上げ返済で期間を短縮している人は、返済期間を延ばして、毎月の返済額を減らす道を相談して」。
「個人再生」による債務処理を、弁護士にお願いする
「ほかの借金が原因で、住宅ローンが厳しくなっている場合は、"個人再生"も検討できます。自己破産と違い、認可されれば住宅ローン以外の借金を減らすことが可能。住宅ローンを支払う余力ができれば、家を手放さずにすみますよ」。ぜひ弁護士に相談を。
市区町村の窓口で、無料の相談会を探してみて
「住宅ローンの支払いが厳しいと感じたら、早めに相談できる無料の弁護士に予約を。親身になってくれそうな弁護士なら、すぐ有料相談に切り替えて動きましょう。一刻も早い相談が救いの道。すぐに無料相談がなければネットの"法テラス"などを利用して」。
夫の病気などの場合は「団体信用生命保険」(団信)の契約内容を見返してみて
「最近の団信は、疾病特約がついているものが増えています。例えばがんと診断されたら残債が免除されるなど、病気で働けなくなったときの保障があります。病気が原因で、ローンが支払えないときは団信の契約に該当がないか、まずは確認を」。
参照:『サンキュ!』2020年6月号「定年までに住宅ローン返せるの?」より。掲載している情報は2020年4月現在のものです。監修/畠中雅子 構成/竹下美穂子 編集/サンキュ!編集部
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