40代のあちこちの体の痛み、尿もれ…体の悩みがラクになるプチッとケア
2021/05/16
40代になると、それまで感じられなかった体の痛みや尿トラブルなどが現れてきます。その原因を知って、しっかりケアすれば、日常生活がもっとラクになりますよ。痛みをあきらめないで。女性ホルモンの専門家がアドバイス!
<教えてくれた人>
産婦人科医・医学博士 対馬ルリ子先生
58年生まれ。対馬ルリ子女性ライフクリニック銀座院長。NPO法人「女性医療ネットワーク」を設立し、600名の女性医師・医療従事者と連携。よりよい女性医療の実現に注力。
美容家・オーガニックスペシャリスト 吉川千明さん
59年生まれ。90年代よりオーガニックコスメと植物美容を日本に広げたナチュラルビューティーの第一人者。対馬ルリ子ライフクリニック銀座で「更年期カウンセリング外来」を担当。
女性ホルモン塾®全面監修
対馬先生と吉川さんが2002年から20年近くにわたり運営している健康講座。40代以降の人生を元気で豊かに過ごすために、心と体のすべてにかかわる女性ホルモンとのつきあい方を日本全国でレクチャーしている。
女性ホルモンの低下によって、関節も筋肉もどんどん固まってしまう
【四十肩・五十肩】【関節痛】【手指のこわばり】
手指が曲げづらくなってきた……。
首やひざ、股関節がボキボキなる~。
右腕が上がらないんです(泣)。
30代のころに比べて肩こりや首こりがひどくなるのも、女性ホルモンの低下により血流が悪くなってしまうのが要因。「特に女性特有なのが、手指や股関節、肩まわりの関節がこわばり、動かしにくくなる症状。関節を覆っている滑膜にエストロゲンが作用しているため、そのエストロゲンが減少すると動きがギクシャクしてくるんです。悪化すると炎症を起こしたり、関節が変形するケースもあるので、早めに婦人科で相談するのがいいでしょう」。
バランスボールやエアクッションに座ってゆらゆら
運動が苦手な人におすすめ。
不安定なバランスボールなどに座って左右、前後に揺れると、固まりがちな股関節が動きやすくなります。また、いすに座って手足の力を抜いてブラブラ振るだけで、末端の血流がよくなるので、ぜひ習慣化して!
【手指】おうちで解決!
こわばったまま放置すると、手指の第1関節が変形する「ヘバーデン結節」や、手首が変形する「手根管症候群」に進行することも。手をマッサージして血行をアップするように習慣づけて。特に夜もんでおくと朝の症状がラクに。また、エストロゲンに似た働きをする「エクオール」のサプリを摂取するのも予防につながります。
【肩こり、関節目】おうちで解決!
ストレッチやウォーキング、筋トレなどを習慣化するのがベスト。運動する時間が取れない、運動するのが面倒という人も、気づいたときに筋肉をゆるめる動きを心がけるようにして。例えば、買い物のときに少し速足の大股で歩くだけ、家事の合間にスクワットをするだけでも、全身の血行がよくなる効果があります。
吉川さんの体験談
プレ更年期で全身に痛みが!体の内側からのケアが効きました。
私の場合、40歳手前から体の痛みが現れ始めました。首が曲げられず、手足の関節が痛くて紙袋も持てないくらい。整体や鍼はりなどいろいろ試したけど改善されず……。数年後、対馬先生に「プレ更年期」と診断され、HRT(ホルモン補充療法)を始め、低用量ピルをのんだら、3カ月で悩みの症状が消えたんです!すべての不調がホルモンバランスのせいだとわかってスッキリ。その後も、ピルと漢方薬を併用してプレ更年期を乗り切りました。
骨盤底筋の衰えは尿もれや頻尿だけでなく、ぽっこりおなかやむくみの原因に
くしゃみをしただけで尿もれ!
最近トイレに行く回数が増えた……。
40歳を過ぎると、くしゃみをしたり、しゃがんだだけで尿もれして下着を濡らしてしまうことが……。それも、女性ホルモンの減少によって骨盤底筋が衰えたせい。「骨盤底筋は、膣、尿道、肛門まわりを取り囲む筋肉で、自転車のサドルに座ったときに当たる部分。ここがゆるむと、下肢がむくんだり、骨盤がゆがんで、下腹ぽっこりのおばさん体形に。この骨盤底筋を意識できるかどうかで、美と健康に大きな差がつきます!」。
今ケアしないと、一生尿もれのままよ!
From 対馬先生
若いときの骨盤底筋
弾力があり、キュッと締まった筋肉群で、下から臓器を支え、排尿、排便、経血をサポート。体幹を安定させてよい姿勢を保つ働きもあり、スッキリおなかをキープ!
加齢によって衰えた骨盤底筋
骨盤底筋の弾力がだんだんゆるみ、だら~んとした状態に。臓器も下がってきて、骨盤がゆがむ人も。膣、尿道、肛門の開閉もうまくいかず、もれてしまう原因に……。
ケーゲル体操で骨盤底筋を鍛える
ケーゲル体操は、息を吐きながら膣、尿道、肛門を引き上げるトレーニング。あおむけに寝てひざを立て、脚は肩幅くらいに開いて手のひらを下向きにしてスタート!
基本のトレーニング
(1)膣と尿道をおなか側に寄せて締める
お尻の力を使わず、膣と尿道をおなか側へゆっくり寄せるように意識してギューッと締める。10秒間キープしたら、パッと脱力する。
(2)肛門をおなかの中へ引き上げて締める
肛門をおなかの中のほうへ引き上げるようなイメージでギューッと締める。10秒間キープしたら、脱力する。
(3)膣、尿道、肛門全体を引き上げて締める
次に、膣、尿道、肛門全体を、ぐ~っとおなかの中に引き上げるようにして締め、10秒間キープして脱力。(1)~(3)を3~5回繰り返す。
日常生活でこっそりトレーニング
基本のトレーニングに慣れたら、いつでもどこでも骨盤底筋を意識的に動かせるように。家事や仕事の合間に、こっそりと骨盤底筋を鍛えましょう。
いすに座ったまま上体をやや倒して、ももの上にひじをつき、お尻を少し突き出した状態で、骨盤底筋を意識して動かす。
立っているとき、テーブルや机に両手をついて背筋を伸ばす。お尻に力が入りすぎず、骨盤底筋が動かしやすい。
乗るだけで骨盤底筋が意識できる専用グッズも!
このポールをお尻にはさんで座ることで、骨盤底筋が意識でき、鍛えやすくなります。「ストレッチポール®ひめトレ」¥2,970/LPN https://lpn-shop.jp/
参照:『サンキュ!』2021年5月号「女性ホルモンが減らない暮らし方」より。掲載している情報は2021年3月現在のものです。撮影/林ひろし イラスト/井上明香、くぼあやこ モデル/広瀬美貴(サンキュ!アンバサダー) 構成・文/宮原元美 編集/サンキュ!編集部
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