【熱波師が解説】サウナの「ととのう」ってなに?サウナに入ることによる健康面のメリット、デメリットも解説
2024/03/23
サウナブームが続いていますが、効果や注意点についてどのくらいご存じでしょうか。
女性に嬉しいサウナの健康効果や起こり得る健康トラブル、よく耳にする「ととのう」状態などについて、熱波師の経験を持つ看護師マッキー氏にお話を聞きました。
- Q.サウナが健康にいいとされる理由はなんですか
- Q.サウナで「ととのう」とは、どのような状態を指すのでしょうか
- Q.サウナが原因で起こる健康トラブルはありますか
- Q.サウナに入らない方がいい人、入ってはいけない人はいますか
Q.サウナが健康にいいとされる理由はなんですか
サウナには、現代人が抱えている体の不調を改善する効果が期待できます。今回は、特に女性の関心が高い2つの効果をご紹介しましょう。
1.睡眠の質が上がる:サウナは睡眠の質を高めるとされています。2019年に報告された研究では、医学的なメカニズムは不明としつつも、サウナに入ることで75%の人に睡眠の改善が見られたという結果が出ています。
サウナによる睡眠の質の向上には、体温の変化が影響していると考えられています。サウナは「サウナ室→水風呂→外気浴」が1セットです。この一連の流れを行うことで、身体の中心部と手足の末梢部(まっしょうぶ)の温度差が大きくなり、眠気を催すとされています。
2.顔の肌がきれいになる:顔の肌がきれいになる効果もあります。自宅の浴槽で顔まで浸かるのは難しいですが、サウナであれば体だけでなく、顔も効率よく温めることができます。顔に汗をかくと毛穴が開いて新陳代謝が上がり、肌の衣替えができてきれいになります。
Q.サウナで「ととのう」とは、どのような状態を指すのでしょうか
一言でお伝えすると、頭の中がスッキリした状態です。
私たちは普段、様々なことを同時に考えています。頭の中は常にぐちゃぐちゃと言っていいでしょう。サウナ室は約80~100℃、水風呂は10℃台で、身体にとっては過酷な温度環境です。この過酷な環境に身を置くことで、余計な思考を止めて頭の中をまっさらにできます。
「ととのった」状態の表現は人それぞれですが、「雲の上にいる感じ」「視界がクリアになった」「味覚や聴覚など身体が研ぎ澄まされた」という方もいます。
ちなみに私自身がととのうときは、外気浴をする際にあらかじめ身体の水分をしっかりふき取り、やや首を後屈させてリクライニングに横たわります。この2つをすることで、ととのいやすくなります。まだ試したことがない方は、ぜひやってみてください。
Q.サウナが原因で起こる健康トラブルはありますか
体調が万全ではない方には、健康トラブルが起こることがあります。疲労や睡眠不足などが続いているときは、サウナを控えるようにしましょう。サウナに慣れている方でも、疲労による自律神経の乱れなどから、サウナの環境に体が追いつかず体調不良を起こす場合があります。
サウナ初心者の方は、適切なサウナでの滞在時間が分からず、体調不良になるケースがあります。慣れないうちはいつサウナから出ていいのか分からず、つい我慢をしがちです。そのせいで汗により体の水分が奪われると、血圧が低下してふらつきが起こり得ます。慣れていない方ほど、我慢をしないことと水分の摂取を積極的に行ってください。
サウナで体調不良を起こすと、転倒やケガにもつながります。サウナ初心者の方もベテランの方も注意しましょう。
Q.サウナに入らない方がいい人、入ってはいけない人はいますか
高血圧などの持病をお持ちの方、病気の治療中の方は、控えた方がいい場合があります。
高温のサウナ室は、体にとっては大きなストレスになるため最初は血圧が上がりますが、体温が上昇して血管が広がると今度は血圧が下がっていきます。その後、冷たい水風呂に入ると広がっていた血管がキュッと締まり、血圧が急上昇。高温のサウナ室と冷たい水風呂、この2つの要因が短時間で血圧の急激な変動を引き起こします。
高血圧などの持病をお持ちの方は、サウナに入ることで血圧が大きく変動することがあります。血圧が低下しすぎると意識がもうろうとしますし、高くなりすぎると血管が破裂するなど大きな疾患を引き起こす場合もあります。少しでも心配なことがあれば、予めかかりつけ医にサウナの入り方や回数を相談しておくと安心でしょう。
Q.サウナを効果的に利用するために、どのようなことに気をつけるといいでしょうか
一番大切なことは水分補給です。できればサウナに入る前に、十分な水分摂取をしてください。水分が身体に十分満たされていないと、サウナに入っても汗は出ません。身体の水分タンクをしっかり準備した上で、気持ちのいい汗をかきましょう。
サウナハットの利用もおすすめです。サウナハットには、のぼせ防止効果があります。サウナ室では温かい空気は上に、冷たい空気は下に溜まります。そのため、体よりも先に頭が温まります。 体が温まる前に頭がのぼせてサウナ室を出てしまうと、サウナの効果が半減してしまうのです。サウナハットを被ることで頭への直接的な熱を遮り、サウナ室の滞在時間を長くできます。
サウナハットは頭皮の乾燥と髪の毛の乾燥も防ぐので、髪の毛の保護もできます。デザインで選んだり大きさで選んだりと、ファッションのように選ぶのも楽しいでしょう。
取材/文:山名美穂(Instagram「@mihoyamana」)
編集:サンキュ!編集部