太らない人が朝食べているものって?40代以降も太りにくい体でいるために食べるべきもの
2024/10/29
以前と同じような食事をしているのに、歳を取って太りやすくなったと感じることはありませんか。
加齢によって太りやすくなる理由や、太りにくい体を作る食べ物などについて、消化器系の専門病院である医療法人社団筑三会筑波胃腸病院の鈴木隆二理事長に聞きました。
- Q.加齢に従って太りやすくなるのはなぜでしょうか
- Q.太りにくい体を作るために、食べるといい食べ物はありますか
- Q.太りにくい体を作るために効果的な食べ方や食べ物はありますか
- Q.太りにくい体でいるために避けたほうがいい食べ物はありますか
Q.加齢に従って太りやすくなるのはなぜでしょうか
加齢により太りやすくなる主な理由は、「基礎代謝(体が何もしなくても消費するエネルギー)」が減少することです。
特に40代から50代になると筋肉量が減りやすくなります。筋肉はエネルギーを多く消費する組織です。筋肉量が低下すると消費カロリーが減少し、余ったカロリーが脂肪として蓄積されやすくなります。
また、加齢に伴うホルモンバランスの変化も、太りやすさに影響します。女性であれば、閉経後に女性ホルモンのひとつである「エストロゲン」が減少し、体脂肪の蓄積を助成することがあります。
Q.太りにくい体を作るために、食べるといい食べ物はありますか
太りにくい体を作るためには、「たんぱく質」が豊富な食べ物を取り入れるのが効果的です。
たんぱく質は、カロリー燃焼に欠かせない筋肉の維持や成長に必要な栄養素で、基礎代謝を上げる助けになります。たんぱく質を多く含む食品としては、鶏肉・魚・大豆製品(豆腐や納豆など)・卵・ギリシャヨーグルトなどが良い選択肢でしょう。
また「食物繊維」が豊富な野菜や全粒穀物(精白されていない穀物)もおすすめです。食物繊維は満腹感を持続させるだけでなく、血糖値の急激な上昇を抑える役割があります。
Q.太りにくい体を作るために効果的な食べ方や食べ物はありますか
太りにくい体でいるためには、食べ物の摂り方にも以下のような工夫が必要です。
・朝食にたんぱく質をしっかり摂る
朝食でたんぱく質を摂ると、1日の代謝が上がってカロリーが燃焼しやすい状態を維持できます。また、たんぱく質の作用で空腹感を抑えることもできます。たんぱく質が多く含まれる食べ物として、卵・ヨーグルトやナッツなどがおすすめです。
・間食にヘルシーな食べ物を選ぶ
間食をする場合は、ナッツ・フルーツやギリシャヨーグルトなど、たんぱく質や食物繊維が豊富なものを選ぶと良いでしょう。これにより血糖値の安定を助け、無駄なカロリー摂取を防げます。
・夜は炭水化物を控えめにする
夕食では炭水化物を摂り過ぎないようにしましょう。夜は活動量が少ないため、余ったエネルギーが脂肪に変わりやすくなります。野菜を中心としたメニューや、魚・鶏肉などのたんぱく質の摂取を意識しましょう。
Q.太りにくい体でいるために避けたほうがいい食べ物はありますか
避けるべき食べ物は、以下のような「高カロリー・低栄養」の食品です。
・砂糖の多い飲み物
清涼飲料水やジュース・甘いコーヒー飲料は、血糖値を急激に上昇させ、インスリン分泌を促して脂肪の蓄積につながります。
・加工食品
スナック菓子や揚げ物・加工肉(ハム・ソーセージなど)には、トランス脂肪酸や飽和脂肪酸が多く含まれ、肥満の原因となりやすいです。
・精製された炭水化物
白いパン・パスタ・白米などの精製された炭水化物は、血糖値を急激に上げ、脂肪蓄積に寄与する可能性があります。全粒穀物(玄米・全粒粉やライ麦のパンなど)のほうがより良い選択肢です。
お腹が空いたときは糖分や加工食品を避け、より自然で栄養価の高いものを選びましょう。
Q.太りにくい体でいるために、食事以外では気をつけたほうがいいことはありますか
食事以外でも以下の点に注意すると、太りにくい体を維持しやすくなります。
・適度な運動
筋肉量を維持・増加させるために、定期的な筋力トレーニングや有酸素運動(ウォーキング・ジョギングなど)を取り入れましょう。筋肉が増えると基礎代謝が上がり、太りにくい体質になります。
・十分な睡眠
睡眠不足は、食欲を刺激するホルモン「グレリン」の分泌を増やし、逆に満腹感を伝える「レプチン」の分泌を減らすため、食欲が増してしまいます。7〜9時間の質の高い睡眠を確保してください。
・ストレス管理
ストレスが溜まると「コルチゾール」というホルモンが増加し、食欲が増したり、特に甘いものや脂っこいものへの欲求が高まったりします。リラックスできる趣味やリラクゼーション法を取り入れてストレスを軽減するのも、太りにくい体でいるためには有効です。
食事以外では「動かないと太る」「寝ないと太る」、そして「ストレスも敵」と心得ておくといいでしょう。
取材/文:山名美穂(Instagram「@mihoyamana」)
編集:サンキュ!編集部