35歳以上の不調に!「筋膜リリース」で肩こりを改善しよう
2019/03/02
なかなか治らない「肩こり」。年を重ねると疲労の回復が遅くなり、コリも疲れも貯まっていく一方。これ以上、肩こりをこじらせないよう、早めの対策を取りましょう!そこでぜひ試していただきたいのが、メディアで話題の「筋膜リリース」。簡単なセルフケアで、つらい肩こりもラクになりますよ。
※妊娠中と出産後1カ月間は、体幹部の筋膜リリースを行うことは控えましょう。
基本のやり方
薄い筋膜は、ゆっくり引っ張ることで伸縮性を取り戻す特徴があります。適度な力で気持ちよく押し伸ばすコツをマスターしましょう!
■「圧迫して、ゆっくり伸ばす」が基本
指の腹や手のひらを使って、面で押さえるように圧迫し、ゆっくり押し伸ばしていくのがコツ。押し伸ばしたとき何も変化を感じない場合は、場所を変え、「気持ちいい」と感じる場所を探してみましょう。
※注意※
指に力を込めて、痛く感じるほど強く押したり、もんだりすると、逆に筋肉が緊張してこわばったり、毛細血管やリンパを傷つけてしまうので注意!
「タオルボール」を活用すると効果的
手が届きにくい場所や、押し伸ばしにくい部分は、道具を使ってリリースを。家にあるタオルで作れる”サポートグッズ”をご紹介!
腰や背中、足、お尻など、面積が広い部分をリリースするときに便利。ころがして使えば、より広い面積を連続して一度にリリースできます。
【作り方】
(1)広げたバスタオルの上に雑誌を置く。タオルポールが好みの硬さになるよう、雑誌の厚さをいくつか試してみると◎。
(2)バスタオルの両端を内側に折って雑誌を包み、雑誌ごとクルクル巻いていく。最初のひと巻きは芯になるので、できるだけ小さく巻く。
(3)くずれないようにできるだけ硬く引き締めるように巻き上げる。巻き終わったら、ビニールひもなどで左右2カ所を縛って固定する。
「肩こり」にお悩みの人はコレ!
【首~肩】
長時間スマホやパソコンを見続けると、猫背で首が前に突き出た状態になり、肩だけでなく、重い頭を支える首もガチガチに。まずは、首のつけ根や側面の筋膜をゆるめることからスタート!
(1)首のつけ根まわりの筋膜を押し伸ばす
右手を後ろに回して鎖骨を開き、首を左に倒して顎を上げ、左手で右側の首のつけ根を圧迫する。そのまま首のつけ根後ろ側から前側に向かって押し伸ばす。
※10~30秒左右行う
(2)首の側面から鎖骨につながる筋膜を押し伸ばす
左手を頭に当てて左に倒し、右手を首の右側の真横に当てて圧迫する。そのまま首の前側に向かって押し伸ばす。
※10~30秒左右行う
★POINT★
このとき側頭部に少し痛みを感じる場合がありますが、筋膜リリースが正しくできているサインなので、心配しなくて大丈夫です。
【肩~胸】
肩こりがひどい人は、鎖骨まわりや首をひねったときに斜めに浮き出る首筋のラインを押し伸ばしましょう。ふだん縮こまりがちな胸まわりを開くことで、肩こりが軽減され、自律神経の回路も整います。
(1)壁に手をつき、胸の上部の筋膜を押し伸ばす
壁を背にして立ち、左手を伸ばして斜め後ろにつく。体を右に向けて首を少し右に傾け、胸の上部の筋膜を伸ばす。右手を左側の鎖骨の下に当てて圧迫し、体の中心部に向かって押し伸ばす。
※10~30秒左右行う
(2)耳下から胸につながる首筋のラインを押し伸ばす
顎を上げて首を右に倒したときに浮き出る首の筋を探し、左耳の下あたりに右手を当てて圧迫する。そのまま首筋のラインに沿って、前に向かって斜め下に押し伸ばす。
※10~30秒左右行う
【肩~肩甲骨】
背中の張りを感じる人、首をすくめるくせがある人は、肩甲骨まわりの筋膜をゆるめるのが効果的。首から肩甲骨にかけての背面の筋膜をほぐすと、肩関節の可動域が広がり、腕も動かしやすくなります。
(1)肩甲骨の内側にある筋膜を押し伸ばす
あおむけになってひざを立て、タオルポールを横向きにして肩甲骨にあたるようにはさむ。両腕を交差して両肩をつかみ、肩甲骨を開く。お尻を少し上げて肩甲骨をタオルポールに押しつ
けるよう圧迫し、伸びを感じるくらいまでその姿勢をキープ。
※10~30秒
★POINT★
この状態で、上体をゆっくり左右にひねると、肩甲骨を広範囲で押し伸ばすことができ、さらに筋膜リリース効果がアップ。
(2)肩甲骨の内側と首の後ろの筋膜を押し伸ばす
右手を上げて背後に回し、肩甲骨の内側の角を指で押す。さらに左手で頭を前側に少し傾け、肩甲骨から首にかけての後ろ側の筋膜を上向きに押し伸ばす。
※10~30秒左右行う
【肩関節】
肩が痛くて腕が上がりにくい人は、肩まわりの筋膜が縮こまり、肩関節の可動域が狭くなっている証拠。肩関節や肩甲骨周辺の筋膜は、手では押し伸ばしにくいので、サポートグッズの力を借りましょう。
(1)肩関節を覆う筋膜を押し伸ばす
壁の横に立ち、左の肩下と壁の間にタオルポールを横向きにはさむ。壁に寄りかかるように体重をかけ、足を屈伸しながら肩関節まわりの筋膜を押し伸ばす。
※屈伸しながら10~30秒左右行う
(2)肩甲骨の間の筋膜を押し伸ばす
左の肩甲骨と壁の間にテニスボールをあててはさむ。左手で右肩をつかみ、ひじを上げ下げしながら、壁に寄りかかるように体重をかけ、肩甲骨を押し伸ばす。
※ひじを上下しながら10~30秒左右行う
気になる部位だけやってもOK!1日1分でもいいので、気になる部位の筋膜リリースを習慣化し、筋膜のこわばりをリセットするようにしましょう。
<教えてくれた人>
滝澤幸一さん……鍼灸師。ソル・エ・マーレ鍼灸整体治療院を主宰し、トップアスリートのトレーナーなども務める。筋膜リリースのテクニックを駆使した治療で、体の痛みや不調に悩む幅広い層から支持されている。
参照:『サンキュ!』3月号「肩こり・腰痛がラクに!筋膜リリース」より。掲載している情報は19年1月現在のものです。撮影/真板由紀(NOSTY)構成/宮原元美 取材・文/鹿島由紀子 編集/サンキュ!編集部
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