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その体臭、もしかしてカラダが発する危険信号かも?体臭による健康診断とは

2021/02/17

ニンニク料理を食べると口臭が気になりますが、じつはそのニオイ、皮膚からも放散されるそうです。とくに、肉や魚を多くとる人は、体臭として皮膚からアンモニアが放散されているのだとか。

東海大学の教授、関根先生は「体の臭いで健康状態がわかる」と言います。気をつけたい体臭についてお話をお聞きしました。
(取材・文/みらいハウス 渡部郁子)

■話を聞いた人・・・関根嘉香(よしか)先生
理学博士。東海大学理学部化学科教授。環境中の臭いの研究を25年前から始め、15年前から体臭の研究を開始。そのころまだ世界的に研究が進んでいなかった皮膚ガスの調査で、人間の体から臭いが出ることを突き止めた「体臭」の専門家。

体臭で健康診断できる理由とは?

体臭で健康診断ができる理由について、関根先生はつぎのように話します。

「体臭とは、体の表面から出てくるガスで、皮膚ガスと呼んでいます。皮膚ガスの出てくる仕組み(放散ルート)は「表面反応由来」「皮脂腺由来」「血液由来」の3通りがあり、血液由来の皮膚ガスは体を洗ってもニオイが軽減することはありません。そして「血液由来」の体臭の特徴から、病気がわかる場合がああるのです。とくに、悪性腫瘍の臭いは皮膚ガスのパターンが明らかに健康時と異なり、これについては現在、判別ツールを開発中です」

体からアンモニア臭がしたら危険信号!

若い女性は彼女の頭を抱えています。
metamorworks/gettyimages

また、注意が必要な体臭として関根先生が具体例として挙げたのはアンモニアの臭いでした。どのように注意が必要になるのでしょうか。

「アンモニアは、血液由来の皮膚ガスで「疲労臭」とも呼ばれます。アンモニアは肉や魚のたんぱく質からつくられますが、人体に有害なものなので、腸の中で生成され肝臓に送られて尿素になり、尿として排出されるのです。

運動して筋肉を使うと、血液中にアンモニアが増えます。なので皮膚のアンモニア放散量を測れば、筋肉疲労のひとつの指標となるわけです。重労働や肉体労働に携わる人は、アンモニアが出やすいですが、ほかにも肝機能が落ちているとアンモニアの分解がうまくいかず、アンモニア臭が強くなります。

つまり、肉体労働や運動直後でもないのにアンモニア臭が強い人は、肝臓の病気の疑いがある、ということ。

また、皮膚ガスのアンモニアは、心理的ストレスにも応答することを新たに発見されています。交感神経が働くと、皮膚アンモニア放散量が増加。このことから、自律神経の乱れなどの指標としても機能すると考えられています」

無理なダイエットで体臭がキツくなる!?

また病気とまではいかないものの、無理なダイエットなどによって出てくる体臭もあるそうです。

「人間は、おもに炭水化物を使って体を動かしていますよね。ところが、ダイエットなどで炭水化物がたらなくなると、体の脂肪分やたんぱく質が使われることになる。体内で脂肪分を燃やすときに出てくる皮膚ガスがアセトンです。アセトンの臭いは「ダイエット臭」とも名づけられているものです。

また、血液由来の皮膚ガスのひとつアセトアルデヒドは、いわゆる2日酔いの臭いです。お酒をたくさん飲む人は、アセトアルデヒドの放散が多くなり、翌日まで酒の臭いが皮膚から出てきますので、体臭を気にするなら、過度に飲まないことが重要です」

◇◇◇

疲労の蓄積や神経の乱れ、さらには悪性腫瘍まで判別できる可能性を秘めた体臭。自分の体臭が気になったときは、清潔にするだけでなく、健康状態も気にしてみるのがよさそうですね。


◆取材・文/みらいハウス 渡部郁子
東京・足立区にある育児期の女性支援拠点「みらいハウス」のライティングメンバーです。子連れで取材活動に取り組む一児の母。育児と仕事にまつわる社会課題への支援事業や、子育てしやすい地域環境を構築する仕組みづくりを行っています。

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