アラフォーの悩み「やたら疲れる」の原因は脳だった!?元気を取り戻す方法とは?
2023/11/15
気持ちは若いつもりでもやっぱり体は正直で、ちゃんと寝てもなんだか疲れが取れない。アラフォーならではの疲れ問題は、生活習慣の改善&ツボ押しでサクッと解消しましょう!自律神経を整えて元気いっぱいの毎日に。
<教えてくれた人>
・医学博士 梶本修身先生
東京疲労・睡眠クリニック院長。元大阪市立大学大学院医学研究科疲労医学教室特任教授。「ホンマでっか!?TV」、「世界一受けたい授業」など、テレビでも活躍。
・鍼灸師 森田真理さん
「Mari鍼灸Salon」代表。単なるハリ治療だけでなく、不妊や産前・産後ケア、生理トラブルや更年期など、女性の悩みに特化した治療にファン多数。
実は体じゃなく「脳」の疲れが原因!自律神経を整えることで元気を取り戻せます
疲れは、実は肉体ではなく脳内にある2種類の自律神経のバランスがくずれることで生じます。緊張モードの交感神経が、リラックスモードの副交感神経より優位になりすぎることが原因。自律神経は老化が激しく、40代になるとピーク時の約半分しかパワーを発揮できません。そのため現代のアラフォーが疲れやすくなるのは生物学的にも当たり前だそう。ですから、ツボ押しなどを取り入れて、日常的に自律神経を整え、疲れを蓄積させない習慣をつけましょう。
●40代の自律神経のパワーは20代の約半分!
脳の自律神経機能は加齢とともに急降下。年齢を重ねるにつれ疲れやすくなるのも当然。
Q 何のために寝たのかわからないくらい朝から体がだるい。疲れが取れてない証拠?
たっぷり寝た日でも、目覚めた瞬間から背中がふとんに張りついたみたいに体が重くて起き上がれない。これも年のせい?(おすぎ 42歳 北海道)
【A】 ふとんの中で、万能ツボをゆっくり押して脳を目覚めさせて。
「目覚めたときにだるい場合は、東洋医学で気つけにも使われる『合谷』のツボをプッシュ。ツボは表面ではなく奥のほうにあるので、じっくり30秒ほどかけて響くことを感じながら押して」。(森田さん)
■合谷(ごうこく)
親指と人さし指のつけ根の骨が交わる手前にある手の甲のくぼみで、人さし指側の骨の際にある。左右それぞれ30秒間押し続ける。
【A】 朝は就寝中の寝汗で脱水症状になりがち。まずはゆっくりコップ1杯の水を飲もう。
「人は寝ている間に自然と汗をかき、起きたときにはほぼ脱水状態に。すると自律神経の負担が増え、しっかり寝ても疲れを感じてしまいます。起きたらまずコップ1杯の水分を補給しましょう」。(梶本先生)
Q たまってる家事を片づけたいのに午前中グッタリ。どうしたらエンジンがかかる?
だるい体をベッドから引きはがしても、しばらくボーッとしちゃいます。やる気が出ないのは根性がたりないせいですか?(石ちゃん 43歳 愛知県)
【A】疲労回復の効果がある鶏胸肉やクエン酸をとろう。
「自律神経の疲労回復物質として注目されている"イミダペプチド"を豊富に含んでいるのが鶏胸肉。1日100g以上食べれば1週間ほどで疲れにくさを実感できるはず。クエン酸が豊富な酸っぱい物もおすすめです」。(梶本先生)
【A】空腹時間が長いと疲れを招くので、朝食はちゃんと食べる習慣を。
「空腹を感じると自律神経が乱れて疲労感の原因に。1日3食、規則正しく食べることで疲れの予防になるのです。特に一日のスタートである朝食は自律神経のバランスを整えるためにとても大切です」。(梶本先生)
Q 子どものサッカーの試合を見てたらドッと疲れた~!日光に当たりすぎはダメ?
真夏ならともかく、過ごしやすい季節でも外にいる時間が長くなるとなんだかすごく疲れます。日光浴は体にいいって聞いたけど、逆なのかな。(しばたん 38歳 宮城県)
【A】紫外線は疲れの大きな要因!必ずサングラスをして目を守って。
「目から入ってくる紫外線は脳を刺激し、自律神経の疲労原因に。日光浴は1日最大15分まで。それ以上紫外線を浴びることは毒にしかなりません。日ざしが強い日は冬でも必ずサングラスを」。(梶本先生)
Q 最近、13~14時ごろになると猛烈な眠気が!大人もお昼寝しちゃっていい?
ランチを食べてしばらくすると、スゥ~ッとまぶたが重くなります。ちょっと休憩すればスッキリするならいっそ寝ちゃいたい。(りょちりこ 41歳 東京都)
【A】昼寝をすると脳を休められて効率もアップ!ただし30分を限度にして。
「人間は生体リズムによって昼すぎに眠たくなるので、昼寝をするのは脳の疲れ解消によいことです。ただし長く眠りすぎると夜の睡眠を妨げてしまうので、30分以内でとどめて」。(梶本先生)
Q 午後になると、仕事中目がシパシパ。パソコンで目も疲れてる?
事務職なのでどうしてもパソコンとにらめっこする時間が長くなります。視界がかすんでくると、効率も落ちてきて最悪……。(にしやん 40歳 愛知県)
【A】血行をよくする目のツボで視界をクリアーに。
「目の機能が低下すると自律神経が乱れ、全身の疲労感につながるので、眼精疲労を回復させるツボを押しましょう。気づいたときにいつでも押して」。(森田さん)
■攅竹(さんちく)
左右のまゆの内側にあるくぼみの部分。机などにひじをつき、親指の腹をツボに当てて、頭の重さを預けるように押すとラク。
Q 眠りが浅くて夜中に何度も目が覚めちゃう。ぐっすり眠るコツはある?
バタンと倒れ込むように寝たのに、数時間たつとふと目が覚める。一応、トイレに行ってまた寝る……を何度か繰り返しちゃいます。(まーこ 42歳 東京都)
【A】寝る時間の90分前から副交感神経を優位にする「入眠ルール」を実践しよう。
「自律神経には交感神経と副交感神経の2種類が存在。疲れを起こすのは交感神経が優位になっているときで、副交感神経はリラックスしているときに優位になります。『寝る時間の90分前』というタイミングからは、副交感神経を優位にするための行動が大切。夜、寝る90分前までにぬるめのお風呂に心臓の高さまでつかると脳がリラックスモードにチェンジ。スマホは脳を目覚めさせるので見るのはやめましょう。寝るときは部屋を暗くして、右側を下に寝ると胃の負担も軽くなります」。(梶本先生)
●ぐっすり眠るための入眠ルール
(1)入浴は就寝の90分前までにすます
(2)スマホを寝室に持ち込まない
(3)照明を落として、右向きに寝る
Q なんだか年々、寝つきが悪くなるんですが、これも年のせい?
夜、疲れてるのに寝つけないときがあります。寝られないとついついスマホを見て、さらに目がさえてしまうことも。スッと寝られる方法が知りたい!(かつみ 43歳 群馬県)
【A】かかとを温めて、寝つきをよくするツボを刺激。
「"失った眠りを取り戻す"という意味を持つツボが失眠(しつみん)。副交感神経を優位にし、眠気を誘います。両足のかかとの中央にあるので、ツボ部分を刺激するか、湯たんぽなどを当ててじっくりと温めるのも効果的」。(森田さん)
■失眠(しつみん)
かかとのふくらみの中央にあるツボ。握りこぶしでたたいてもよいが、寝る90分ほど前から温めておくと、眠りに入りやすくなる。
参照:『サンキュ!』2020年12月号「見た目と体の悩み解決スペシャル」より。掲載している情報は2020年10月現在のものです。イラスト/ashimai 構成/竹下美穂子 取材・文/杉澤美幸 編集/サンキュ!編集部
『サンキュ!』最新号の詳細はこちら!