シンク、緑の食器棚、浴室内部のバック グラウンドでミラーとぼやけて葉のクローズ アップ。実際の写真

ゴシゴシ掃除はデメリットばかり!?家事の専門家が「水まわり」でやめた家事5選

2021/11/26

キッチンやトイレ、バスルーム、洗面所などの水まわりは、汚れやニオイがつきやすく、厄介な家事が多い場所です。でも、今まで当たり前のようにやっていたことを「やめる」だけで、その負担が軽くなることがあります。

そこで今回は、暮らしスタイリストとして料理を始め家事全般の情報を日々発信されている河野真希さんに、やめてみることでラクになるかもしれない水まわりの家事を5つ挙げてもらいました。

暮らしスタイリスト・一人暮らしアドバイザー・料理家。料理や家事、インテリアなど、気持ちのいい暮らしを作る、は...

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【1】布製品をやめた

洗濯クローゼットの白いきれいなトイレ
maruco/gettyimages

水まわりにはあるのが当たり前だと思っていた布製品。我が家ではキッチンマットや台ふきん、バスマット、トイレの便座カバーやタオル、トイレマットなどを使うのをやめました。

布製品は水気や汚れを吸い取ったり、拭き取ったりするのに便利なものですが、湿気や汚れがついたままだと雑菌が繁殖し、嫌なニオイを発したり、カビが発生することもあります。こまめに洗濯しなければ、かえって不衛生にもなりかねません。

カビの温床になりやすいバスマットも、バスタオルで足の裏まで拭いて出てくれば、なくてもそう困りません。キッチンマットや便座カバー、トイレマットなどは汚れが溜まりやすく、掃除をするときにイチイチどかしたり、外したりしなければならないのも面倒なもの。なくなると、掃除もしやすくなります。

また、トイレや洗面所などにかけっぱなしのタオルは、特にコロナ禍以降、家族であっても共用するのを控えるご家庭も多いのではないかと思います。複数人が使用する場所は、ペーパータオルなどに替えることで、家事の負担が軽くなるだけでなく、安心にもつながります。

【2】洗剤を使い分けるのをやめた

プラスチック容器のクリーニング製品はハウスクリーン
gawriloff/gettyimages

掃除用の洗剤は場所別・用途別などさまざまなものが販売されています。でも、それぞれに合わせて、すべてそろえるのは面倒なものです。使い分けをやめれば、買い物やストックの管理などの手間が減り、どこでも共用できるので便利。

わが家では、水まわりの日常清掃に「アルコール除菌スプレー」「食器用中性洗剤」「粉末酸性漂白剤」を用意し、キッチンもトイレもバスルームも洗面所もこの三つで掃除しています。

アルコールは油汚れやカビ汚れに強く、二度拭きも必要ありません。コロナ禍以降は手元にアルコール除菌スプレーを用意しているご家庭も多いと思います。気になる汚れに吹きつけて、さっと拭くだけでOK。

もう少し頑固な汚れには、食器用中性洗剤を使い、スポンジなどでこすって落とします。食器用と銘打たれていても、トイレやバスルーム、洗面所で使うことに問題なく、よく汚れを落としてくれます。

キッチンのコンロまわりや換気扇、バスルームの洗面器や浴槽のフタなどの頑固な汚れは、粉末酸素系漂白剤を使って浸け置き洗いがおすすめです。シンクや浴槽にお湯を溜めて(お風呂は残り湯でOK)、酸素系漂白剤を溶かし、30分以上置けば、汚れが浮いてくるので、あとは軽くこすって落とせます。

【3】ゴシゴシ掃除をやめた

キッチン、浴室と他の部屋の異なった表面のクリーニング セットです。文字列または青の背景にロゴを空の場所。クリーニングのサービス コンセプトです。早春クリーンアップ正規。正面から見た図。
FotoDuets/gettyimages

頑固な汚れはゴシゴシこすれば落とせると思っているかもしれませんが、実は、効果がなく、掃除する素材に傷がついてしまうこともあります。

私も以前は早く汚れを落としたいと力を込めてこすっていましたが、頑固な汚れであればあるほど、粉末酸素系漂白剤を使って、時間をおいて汚れを浮かしてから落としたほうが、最終的には時間も労力も少なく済むことがわかりました。

特にゴシゴシ厳禁なのが、水まわりのカビ汚れ。力を入れてこすることで、目地やパッキンに傷がつくと、よりカビが深くまで入り込む原因となります。カビは50℃以上の熱に弱く、数秒で死滅すると言われています。

カビを落とすには、シャワーの温度を上げ、気になるところにかけるだけでOK(やけどにご注意ください)。これでカビ自体は死滅します。ただし、一度ついてしまった黒ずみは、これだけでは落ちないことがあります。気になる場合は、カビ取り剤や目地を補修するペンなどを使って目立たなくしましょう。

【4】残り湯で洗濯をやめた

ランドリールーム (洗濯機付)
Choreograph/gettyimages

お風呂の残り湯での洗濯は、水道代の節約につながるからいいことだと長年思っていました。でも、これをやめてみたら、いろいろなことがラクになるのに驚きました。

洗濯をするために残り湯を取っておくと、湿度や温度が下がりにくく、浴槽のフタなどにカビやぬめりが発生しやすくなります。残り湯をすぐに流すようになってからは、浴室内のカビが激減。また、入浴後のお湯には皮脂などの汚れや雑菌が含まれています。それを洗濯機に移すことで、洗濯槽自体も汚れやすく、洗濯物の嫌なニオイにつながることも。

さらに、面倒なのが、お湯を移すホースのお手入れ。汚れがつきやすいので、まめな掃除が必要なうえに、収納もしにくく、狭い洗面所では邪魔なもの。なくなってみると、洗濯機まわりが意外なほどにスッキリすることがわかりました。

残り湯洗濯をやめることでお湯を取っておく必要がなくなり、入浴後にすぐにお湯を流しつつ、浴槽の掃除ができます。浴室が温かいうちのほうが汚れは落としやすく、軽い掃除でキレイな状態をキープでき、バスルームの掃除の負担を減らせます。

【5】食器を拭くのをやめた

キッチン排水器ラック
kazoka30/gettyimages

使い終わった食器は洗って、拭き、食器棚にしまうもの。でも、拭くのをやめて、自然乾燥させることにしました。自然乾燥をさせると、ホコリをかぶる心配があったり、出しっぱなしがみっともないと感じたりするかもしれませんが、食器を拭くためのふきんが汚れていれば、かえって不衛生な状態になりかねません。

濡れたふきんは、雑菌が繁殖しやすい状態です。朝食で使ったふきんを、そのまま夕食でも使うなんてもってのほか。一度でも使ったら、できるだけ早く洗って、しっかりと乾燥させる必要があります。洗うまでに時間がかかると、その間に雑菌が繁殖し、普通に洗うだけでは雑菌を落としきれないことも考えられます。

もちろんその都度交換し、洗濯するという手間を惜しまないのであれば、食器を拭いて片づけるのが理想かもしれません。でも、私のような面倒くさがり屋はこれをやめたほうが賢明だと判断しました。

食器を拭いて片づけるというひと手間が減ったのはもちろん、面倒なふきんのお手入れもなくなることで、家事の時短につながります。洗った食器は水切りカゴに伏せて入れれば、次の食事の支度までには乾いているので、そのときに片づけますが、調理器具などはそのまま同じものを使うことがあるので、入れたり出したりするむだが減ります。

なお、自然乾燥でもできるだけ早く乾くように、食器を流すのは熱めのお湯を使うのがおすすめ。また、すぐに拭く必要があるときにはキッチンペーパー等を利用すると衛生的です。


◆監修・執筆/河野 真希
暮らしスタイリスト・一人暮らしアドバイザー・料理家。料理や家事、インテリアなど、気持ちのいい暮らしを作る、はじめるためのライフスタイル提案を行う。流行や思い込みにとらわれずに、無理なく持続可能で快適な自分らしい暮らしづくりを応援。 『料理教室つづくらす食堂』主宰。

 
 

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