家事の専門家が、大掃除の時期にあえてやらない4つのこと
2021/12/17
年末といえば、大掃除。新年を迎えるにあたって、家をキレイにはしたいもの。でも、家中どこもかしこも掃除をしようというのでは時間も体力も足りません。
そこで今回は、年末の大掃除であえてやらなくていい箇所はどこなのか、暮らしスタイリストとして料理を始め家事全般の情報を日々発信されている河野真希さんに聞いてみました。
執筆/監修: 暮らしスタイリスト 河野 真希
暮らしスタイリスト・一人暮らしアドバイザー・料理家。料理や家事、インテリアなど、気持ちのいい暮らしを作る、は...
あえてやらないこと1:ベランダや庭などの外回りの掃除
大掃除の季節は、寒いです。地域によっては、屋外は雪が積もっていることも考えられます。そんな寒い時期にあえて寒い場所を掃除するのは気持ちが乗らないもの。ベランダや窓、庭などの外回りの掃除は、春から夏にやることをおすすめします。
ベランダ掃除のような水を使っての作業は、冬には過酷。冷たい水では汚れも落ちにくいです。落ち葉や大きなゴミなどがあったら、ささっと掃いておくくらいでOK。本格的な掃除は花粉の季節が過ぎた初夏から夏にかけてやるのがいいでしょう。
また、庭の掃除も、落ち葉などがあったら集めて取っておけば大丈夫。この時期は雑草も生えにくいので、そこまで手を入れる必要はありません。暖かくなって雑草が気になる季節がきたら、しっかりと手入れをするようにしましょう。
あえてやらないこと2:バスルームの掃除
水を使って行うバスルームの掃除も、冬には向かない場所です。もちろん冬でも日常清掃は欠かせませんが、大掃除はこの時期には不要。夏など気温が高く、ぬめりやカビが発生しやすい時期にやるほうが効果的です。
ただし、冬は寒さを感じるため、換気を控えがちです。湿気が多いと、冬でもカビが発生することがあるため、換気扇を回したり、短時間でも窓を開けるなど、空気を入れ替えるようにしましょう。
また、カビは50℃以上の温度で死滅するため、お風呂上がりに浴室全体にシャワーで熱いお湯をかけておくと、カビの防止につながります。なお、高温でないと効果がないため、寒さの心配はないですが、火傷にご注意を。
あえてやらないこと3:エアコンの掃除
エアコン掃除は、エアコンを使用している冬や夏は向きません。エアコンで暖を取っているご家庭では、掃除を始めてしまうと、その間部屋が冷え冷え……なんてことも。
エアコンを使わずとも快適に過ごせる春と秋がおすすめの掃除タイミングです。
とくに冷房を使わなくなっても、まだまだ気温が高い秋はカビが発生しやすい時期。夏中使ったエアコンの内部はホコリと結露が溜まっており、そこに気温が加わると、まさにカビや雑菌が喜ぶ環境になります。
エアコン掃除は年末でなく、冬が訪れる前にやっておくことをおすすめします。
あえてやらないこと4:換気扇の掃除
大掃除といえば、換気扇の掃除がイメージされることも多いようですが、ここも冬にはあまり向きません。頑固な油汚れは、酸素系漂白剤をお湯に溶かして漬け込み洗いをするのがおすすめですが。そもそも気温が低いと油汚れは落ちにくい。
さらに、お湯を使っても、温度が下がりやすいので、効果も減る上に、洗い流すのが寒くて大変です。
年末はレンジフードの表面を拭き取る程度の掃除に止めておき、本格的な換気扇掃除は春から夏にかけての暖かい季節がおすすめです。
とはいえ、大掃除はよいタイミング!
寒い時期はその気温が影響して、大掃除に向かない箇所も多いです。とはいえ、「年末だから大掃除をしなくちゃ!」「新年は気持ちよく迎えたい」という気持ちから、掃除へのモチベーションが高まる時期でもあります。
また、掃除に適した時期ではないといっても、大掃除のタイミングでやらないと、そのままずっと掃除をしないままになってしまうという人も少なくないのでは。年末は人でも集まりやすく、このタイミングが一番掃除しやすいというのであれば、向き不向きに関係なく、やりきってしまうのも◎です。新しい年も気持ちよく迎えられることでしょう。
もし年末に掃除をしなかった箇所があるのであれば、次にやる時期を決めておくことも大事。長い休みがあって過ごしやすい気候のゴールデンウィークなどは、大掃除におすすめの時期です。
◆監修・執筆/河野 真希
暮らしスタイリスト・一人暮らしアドバイザー・料理家。料理や家事、インテリアなど、気持ちのいい暮らしを作る、はじめるためのライフスタイル提案を行う。流行や思い込みにとらわれずに、無理なく持続可能で快適な自分らしい暮らしづくりを応援。 『料理教室つづくらす食堂』主宰。