この記事では「押し麦」のカロリーについて解説していきます。また、ダイエット中などでカロリーが気になるときに取り入れたい食べ方についてもご紹介します。
なお、文中のカロリー値は文末に載せた参考データを基にしています(一部、参考データを基に独自計算をしている場合もあります)。
押し麦を食べると太りやすい?
押し麦は、皮を除いた大麦を蒸してから押しつぶし、乾燥させたものです。白米に混ぜて炊かれたものは「麦ごはん」と呼ばれています。給食などで出されることも多いため、食べたことがあるかたもいるではないでしょうか。
雑穀米の中に入っていることも多い押し麦は、白米に比べ栄養価が高いため栄養が偏りがちなダイエット中のかたにおすすめの食品となっています。しかし、食べ過ぎはカロリーオーバーになってしまうため、太る原因になる可能性もあるでしょう。
ここでは、押し麦に含まれる栄養素やおすすめの食べ方、押し麦を使った簡単なレシピをご紹介します。
押し麦1食分のカロリー
押し麦のカロリーは、1カップ(140g)あたり476kcalとなっています。
また、白米のカロリーは1合(150g)あたり534kcalとなっているため、押し麦は白米に比べて若干カロリーが低いことがわかるでしょう。
そのため、少しでもカロリーを抑えたい場合は、白米の半分ほどを押し麦に置き換えて炊くことをおすすめします。
押し麦の炭水化物量は?
押し麦の炭水化物量は、1カップ(140g)あたり108.92gです。そのうち炭水化物の一部である食物繊維は、13.44gとなっています。
白米の炭水化物量は、1合150gあたり115.65gで押し麦とほぼ変わりませんが、精白されていることから食物繊維は0.75gとほとんど含まれていません。
そのため、押し麦は食物繊維が多く含まれ、それにともなって糖質が白米より低いということがわかるでしょう。
押し麦を食べることで期待できる効果
押し麦は、カロリーや炭水化物がそれなりに含まれている食品ですが、さまざまな栄養素が含まれていることで期待できる効果がたくさんあります。
ここでは、押し麦を食べることで期待できる効果について紹介していきます。
便通がよくなりやすい
押し麦に多く含まれている食物繊維によって、便通がよくなりやすいという効果が期待できるでしょう。
押し麦は、水に溶けやすい水溶性食物繊維と水に溶けにくい不溶性食物繊維の2種類をバランスよく含んでいるのが特徴です。
水溶性食物繊維は、腸内細菌のエサになることで腸内環境を整え、不溶性食物繊維は水分を吸収して便のカサを増し、腸のぜん動運動を活発にしてくれるという働きがあります。
そのため、健康に気を使いたいかたは食事に取り入れるとよいでしょう。
満腹感が持続しやすい
押し麦を食べることで、満腹感が持続しやすいという効果が期待できるでしょう。それは、押し麦に含まれる「β-グルカン」などの水溶性食物繊維の働きによるものでしょう。
水溶性食物繊維は、食べたものを包み込んでゼリー状にすることで、胃から腸へゆっくりと移動させていきます。それにともなって消化もゆっくりになるため、満腹感を持続しやすくなるでしょう。
間食を控えたり食欲を抑えたいときには、試してみてください。
生活習慣病を予防する
押し麦を食べることで、生活習慣病の予防効果が期待できるでしょう。
水溶性食物繊維は、消化を遅らせて満腹感を持続させやすくするだけでなく、栄養素の吸収の速度をゆるやかにし、食後の血糖値の急上昇を抑える効果もあります。
また、悪玉コレステロールを低減させる作用や脂肪の吸収を抑える働きもあるため、動脈硬化や脂質異常症などの生活習慣病の予防にも役立つでしょう。
押し麦を食べるときのポイント
押し麦を上手に食事に取り入れるためには、食べ方を工夫するとよいでしょう。
ここでは、押し麦を食べるときのポイントを紹介していきますので、カロリーが気になるかたは参考にしてください。
胚芽が残っているものを選ぶ
押し麦には胚芽が残っているものと、取り除いているものがあるため、胚芽が残っているものを選ぶとよいでしょう。
胚芽には、血管を丈夫にしたり抗酸化作用で老化防止に役立つビタミンEや、悪玉コレステロールを減らす作用のある不飽和脂肪酸が多く含まれているといわれています。
そのため、より多くの栄養素をとりたいかたは、胚芽つきの押し麦を選ぶことをおすすめします。
白米と押し麦を1:1で炊く
押し麦を食べるとき、白米と押し麦の割合は自分の好みや体調によって決めるのもよいですが、前述した水溶性食物繊維の効果を得やすくするために、白米と押し麦を1:1で炊くことをおすすめします。
白米と押し麦を1:1で炊き、それを約150gずつ1日3回食べると、生活習慣病の予防・改善効果が得られやすいとされています。
食べすぎに注意する
押し麦を食べるときは、食べすぎに注意しましょう。
前述したように、白米に比べて押し麦のカロリーや糖質量は少なくなっています。
ただし、押し麦に含まれている栄養素を多くとりたいからと食べすぎてしまった場合、白米だけで食べたときよりもカロリーや糖質量が増えてしまうことがあります。
また、2倍の量を食べてもβ-グルカンなどの水溶性食物繊維の効果が倍増することはないため、前述した目安を参考に適量でおさめるようにしましょう。
押し麦のおすすめアレンジレシピ
押し麦は、白米に混ぜて炊く食べ方がありますが、ほかにもおいしく食べられる調理方法があります。
ここでは、押し麦を使ったおすすめのアレンジレシピを紹介していきますので、ぜひ試してみてください。
おすすめレシピ1:押し麦サラダ
押し麦を使って作る、甘酢やレモンの風味が爽やかなサラダのレシピです。押し麦は、炊飯器で炊くイメージがあるかもしれませんが、茹でたものを食べることもできます。
プチプチとした押し麦の食感が楽しめる「押し麦サラダ」は、旬の野菜を入れることで彩りがよくなるだけでなく、さらに栄養価を高めることもできるでしょう。
おすすめレシピ2:押し麦と野菜のスープ
次に紹介するおすすめのアレンジレシピは、野菜といっしょに煮込んでつくるトマトベースのスープです。押し麦の下処理が必要なく、1つの鍋でできるところもうれしいポイントになっています。
オリーブオイルは、ケチャップに使われているトマトや具材のにんじんに含まれる油に溶けやすい栄養素の吸収を高めてくれます。仕上げにも少量加えることで、オリーブオイルのよい香りを引き立ててさらに美味しさを高めることができるでしょう。
押し麦のカロリーや炭水化物量について知り、食べ方を工夫しよう!
この記事では、押し麦に含まれる栄養素や期待できる効果、おすすめの食べ方やレシピをご紹介しました。食物繊維などの栄養素が多く含まれている押し麦は、栄養が偏りやすいダイエットなどカロリーを気にしているかたの強い味方になってくれるでしょう。
たくさん食べればよいというものではないため、適量や食べ方のポイントを知り、押し麦を日常の食事に取り入れてみてはいかかがでしょうか。