気になる「とろろ昆布」のカロリーや炭水化物量とは?食べる際に押さえるべきポイントを紹介
2022/03/19
この記事では「とろろ昆布」のカロリーについて解説していきます。また、ダイエット中などカロリーがとくに気になるときに取り入れたい食べ方などについてもご紹介します。
なお、文中のカロリー値は文末に載せた参考データを元にしています(一部、参考データを元に独自計算をしている場合もあります)。
とろろ昆布を食べると太りやすい?
とろろ昆布とは、昆布を酢で柔らかくした後に、糸状に薄く細く削って加工された食品です。おにぎりの具材や、お吸い物、そばのトッピングなど、さまざまな料理で活用されています。
とろろ昆布はカロリーが低い傾向にあるため、ダイエット中やカロリーを気にしている方でも、日常的に取り入れやすい食材です。ビタミン、ミネラル、食物繊維も含まれているため、栄養のバランスを整える食材としても活躍するでしょう。
とろろ昆布1食分のカロリー
とろろ昆布のカロリーは、大さじ1(10g)あたり12kcalとなっています。また、脂質は大さじ1(10g)あたり0.09gです。
このことから、とろろ昆布にはほとんど脂質が含まれていないため、低カロリーということが分かります。
そのため、とろろ昆布は、トッピングとして食べるなどほかの料理とも組み合わせやすく、ダイエット中などのカロリーを気にしている方でも取り入れやすい食材といえるでしょう。
とろろ昆布の炭水化物量は?
とろろ昆布の炭水化物量は、大さじ1(10g)あたり5.02g、たんぱく質は0.65g、脂質は0.09gとなっています。このことから、三大栄養素の中で炭水化物が最も多く含まれていることが分かるでしょう。
また、炭水化物は糖質と食物繊維に分けられ、大さじ1のとろろ昆布(10g)では、糖質が2.2g、食物繊維が2.82gであることから、食物繊維の方がわずかに多くなっているため、健康にも気を使いたい方は参考にしてみてください。
とろろ昆布とおぼろ昆布の違い
とろろ昆布とおぼろ昆布は、どちらも昆布から加工されていますが、その違いは昆布の「削り方」にあります。
昆布を何枚も重ねて、その側面を薄く糸状に削るのが「とろろ昆布」であるのに対し、一枚の昆布の表面を薄く削ったものが「おぼろ昆布」です。
とろろ昆布もおぼろ昆布も、どちらも昆布本来の甘みや、品のある味が楽しめます。しかし、とろろ昆布が機械で加工できるのに対して、おぼろ昆布は手で削って加工する必要があるため、おぼろ昆布の方が割高になる傾向があります。
とろろ昆布に含まれる栄養素
とろろ昆布は、栄養たっぷりの体に良い食材です。ここからは、とろろ昆布に含まれる栄養素の中でも「アルギン酸」「フコダイン」「カリウム」の3つをピックアップして、紹介していきます。
アルギン酸
とろろ昆布に含まれるアルギン酸は食物繊維の1つで、昆布を煮出したときに出るぬめりの原因となる成分でもあります。
アルギン酸は、血圧上昇の要因であるナトリウムと結合したり、コレステロールからつくられる胆汁酸と結びつき、体外に排出させたりする働きがあります。
過剰なナトリウムの排出は高血圧の予防に、胆汁酸の排出はコレステロールの分解を促進し、結果として血中コレステロール値を下げる効果が期待できるでしょう。
フコイダン
フコイダンは、前述したアルギン酸と同じく食物繊維の1つで、ぬめりの成分でもあります。体にとってさまざまなプラスの効果があるされているフコイダンは、注目されている成分の1つです。
フコイダンは、食物を胃の中に長く留め、胃液の分泌を盛んにすることで満腹感をもたらすほか、善玉菌を増やし腸の働きを活性化することで便秘を予防したり、がん細胞と接触することで細胞のDNAを壊して自滅させ、がんを抑制したりする効果が期待できるでしょう。
カリウム
とろろ昆布に含まれるミネラルの中に「カリウム」があります。カリウムは、ナトリウムの再吸収を阻害して、余分な水分を体外に排出することから、結果として血圧を下げる効果が期待できます。
また、カリウムは神経の刺激伝達、心臓や筋肉の働きを調節するといった機能も担っており、体にとって大切なミネラルの1つです。
通常の食事をしているにもかかわらず、カリウムの摂取不足になるのは稀なことです。しかし、激しい下痢や嘔吐などでカリウムの排出量が増加すると、食欲不振や筋力低下にもつながる可能性があるため、注意しましょう。
とろろ昆布を食べるときのポイント
ここからは、とろろ昆布を食べるときのポイントについて紹介していきます。
ポイントを押さえることで、カロリーが気になる方や健康に気を使いたい方でも、よりとろろ昆布を取り入れやすくなるため、参考にしてみてください。
汁物として食べる
食物繊維が含まれているとろろ昆布を食べるときは、汁物として食べると良いでしょう。食物繊維には、水溶性食物繊維と不溶性食物繊維があり、とろろ昆布に含まれている食物繊維は、「水溶性食物繊維」となっています。
水溶性食物繊維には、水に溶けるとゼリー状になるという性質があり、これにより小腸で栄養が吸収される速度が緩やかになるため、食後に血糖値が急激に上昇するのを抑制する効果があります。
そのため、とろろ昆布を汁物に入れることで水溶性食物繊維が溶け出し、無駄なく摂取できるようになるため、健康にも気を使いたい方におすすめです。
食事をする前に摂取する
とろろ昆布は、食事をする前に摂取することをおすすめします。
とろろ昆布には、うま味成分である「グルタミン酸」が含まれており、胃の機能を高める働きがあるため、食事をする前に摂取することで胃の負担を軽減する効果が期待できるでしょう。
また、グルタミン酸には、脳の機能を高める働きでぼけの治療などに効果が期待できたり、尿の排泄を促進させることでアンモニアを排出したりする働きもあるため、健康にも気を使いたい方は参考にしてみてください。
食べすぎに注意する
とろろ昆布を食べるときは、食べすぎに注意しましょう。とろろ昆布にはさまざまなミネラルが含まれていますが、そのうちの1つに「ヨウ素」があります。
ヨウ素は、体内で代謝機能の調節を担う「甲状腺ホルモン」の合成に欠かせないミネラルです。しかし、ヨウ素の過剰摂取は、甲状腺がんなどの病気を引き起こす可能性もあるため、食べすぎには気をつけましょう。
とろろ昆布のアレンジレシピ
ここからは、とろろ昆布のアレンジレシピをご紹介します。
とろろ昆布は、汁物や和え物などに相性ばっちりの食材です。ビタミンやミネラル、食物繊維などの栄養素も多く含まれているため、とろろ昆布をプラスすることで、いつもの料理がさらにおいしく、栄養満点になるでしょう。
おすすめレシピ1:とろろ昆布と梅のお吸い物
「とろろ昆布と梅のお吸い物」は、とろろ昆布と崩した梅干を組み合わせて、だし汁を注いでつくるお吸い物です。
梅干しの成分には、疲労回復効果を持つ「クエン酸」や、脂肪燃焼効果がある「バニリン」が含まれています。疲れがたまっているときや、ダイエット中にもピッタリのお吸い物としておすすめです。
また、梅干しには「ナトリウム」も含まれるため、食べすぎは血圧を上昇させる可能性があります。しかし、前述したとおり、とろろ昆布に含まれる「アルギン酸」や「カリウム」には血圧を下げる効果があるため、これら2つは相性の良い食材といえるでしょう。
おすすめレシピ2:ナメコととろろ昆布の汁
「ナメコととろろ昆布の汁」は、とろろ昆布とナメコを具材に、しょうゆで味付けした素朴な味わいの汁物です。
ナメコはとろろ昆布と同じく、食物繊維を含んでいます。このレシピでは、便秘予防や血中コレステロール値を下げる機能を持つ食物繊維をたくさん摂れるため、カロリー制限中の方にもおすすめです。
おすすめレシピ3:キュウリの昆布和え
「キュウリの昆布和え」は、つくり置きの甘酢をキュウリととろろ昆布に絡めてつくる和え物です。
とろろ昆布がキュウリに絡んで、さっぱりとした味わいの和え物になります。揚げ物などの脂っこい料理のときに、一緒に用意しておくことで、箸休めとしても良い1品になるでしょう。
とろろ昆布のカロリーや炭水化物量について知り食べ方を工夫しよう!
とろろ昆布は、カロリーが低い傾向にあることから、ダイエット中やカロリーを気にしている場合でも取り入れやすい食材です。
とろろ昆布の炭水化物は糖質よりも食物繊維が多めで、ビタミンやミネラルといった栄養素も多く含まれていることから、体にとってさまざまな良い効果が期待できます。しかし、1度にたくさん食べることでヨウ素の摂りすぎになることがあるため、食べすぎには注意が必要です。
とろろ昆布のカロリーや炭水化物量について正しく理解し、食べ方を工夫していきましょう。