あさりの冷凍方法は?上手な保存のコツやおいしい活用レシピを紹介
2022/10/11
あさりを冷凍保存すると、さまざまなメリットがあることをご存知でしょうか。本記事では、あさりを冷凍保存する具体的な手順や砂抜きのコツ、冷凍したあさりを活用するレシピを紹介します。大量のあさりを上手に保存しておいしく食べたい方は、ぜひ参考になさってください。
あさりを冷凍保存するメリットは?
あさりは、スーパーや潮干狩りで気軽に入手できる食材です。持ち帰ったあさりは冷蔵庫でも保存できますが、実は冷凍保存したほうがさまざまなメリットを得られます。まずは、あさりを冷凍保存するとどんなメリットがあるのかをチェックしてみましょう。
おいしい状態を保てる
あさりを冷凍保存すると、冷蔵保存よりも水分が逃げにくくなり、身の縮みを防いでおいしい状態を保てることがメリットです。状態のよいあさりを自宅ですぐに準備できるようになり、料理で使いやすくなります。
また、あさりに含まれる旨み成分のグルタミン酸とイノシン酸は、冷凍によって増加します。生のあさりの旨み成分は、細胞の中に閉じ込められて外に出にくい状態ですが、冷凍すると水分が凍って細胞が壊れ、旨みが出やすくなるのです。
長く保存できる
あさりを冷蔵保存した場合、保存期間の目安は加熱しても3日程度ですが、冷凍保存すれば保存期間を2カ月程度まで延長できます。
ただし、この保存期間はあくまで目安であり、冷凍庫内の温度変化によっておいしく保存できる期間は変わります。たとえば、暑い時季に冷蔵庫を開け閉めする頻度が多くなると、保存期間は短くなります。冷凍する場合であっても、できるだけ早く消費しましょう。
あさりをおいしく冷凍保存する方法
あさりを冷凍保存する場合、冷凍する前の下処理として砂抜きが必要で、冷凍保存には主に3つの方法があります。ここでは、砂抜きの手順や冷凍保存の具体的な方法を詳しく解説しましょう。各方法の特徴やコツを押さえると、スムーズに冷凍できるようになります。
冷凍する前に砂抜きをする
まずは、あさりを冷凍する前に砂抜きを行いましょう。先に砂抜きをするのは、冷凍してからでは砂抜きができなくなるためです。
この作業は、生のあさりを使う場合にも必要で、あさりの鮮度が高いうちに処理しましょう。購入したらすぐに砂抜きをするのがポイントで、冷蔵庫で冷やすと動きが鈍くなって砂抜きの速度が遅くなります。時間をムダにしないためにも、帰宅したらすぐに取りかかりましょう。
1:あさりを洗う
水を張ったボウルを準備してあさりを洗いましょう。この工程の目的は、あさりの殻の表面についた汚れを落とすことです。ボウルの中で、あさりをしっかりとこすり合わせて洗います。
また、潮干狩りであさりを獲った場合は、潮干狩り場にある水道水で洗ってから持ち帰りましょう。これは、汚れを落とすだけでなく、食中毒などを引き起こす腸炎ビブリオ菌を取り除くためです。念入りに洗って、安全に食べられるようにしましょう。
2:3%の食塩水を作る
海水と同じ濃度である3%の食塩水を作りましょう。水1Lに対して約30gの食塩が目安です。計量カップで作る場合は、1カップ200mlに対して6g(小さじ1)の塩を準備します。食塩水の量は、あさりの数や砂抜きに使う容器のサイズに合わせて調整しましょう。
潮干狩りであさりを手に入れる場合は、海水をペットボトルなどに入れて持ち帰ると食塩水を作る手間が省けます。あさりと海水を別々に持ち帰るのがポイントで、海水に浸したまま持ち帰るとあさりが開きやすくなり、運搬中の揺れで傷ついて傷むことがあります。
3:食塩水の入った容器にあさりを入れる
洗ったあさりと食塩水が準備できたら、容器に食塩水を注ぎ、あさりを入れます。この工程のポイントは、バットやフライパンなどの平らな容器を使うこと、あさりが重ならないように入れること、水の量はあさりの頭が見え隠れするギリギリのラインにすることです。
4:新聞紙などをかぶせて砂抜きをする
容器に新聞紙やアルミホイルをかぶせて放置しましょう。暗くする理由は、あさりが夜行性であることと関係しており、暗い砂の中のような環境を作ることで、あさりが活発になり、砂を吐きやすくなります。また、カバーの役割もあり、吐き出した塩水が飛び散るのを防ぎます。
放置する時間の目安は、3時間から一晩です。置き場所は、室温の高い時季は冷蔵庫ですが、冬は冷蔵庫の中ではなく冷暗所にしましょう。これは、冷蔵庫のような寒すぎる場所だと殻を閉ざし、砂を吐き出さなくなるからです。
5:真水で洗って完了
あさりをザルに上げ、真水で洗えば砂抜きの完了です。真水で洗うことで、軽く塩分を落とせます。砂抜き作業が終われば、冷凍保存の工程へ移れます。そのまま調理に使うことも可能です。
時短で砂抜きをする50℃洗いはホント?
50℃のお湯を使うと、塩抜きが時短できるという方法をご存知でしょうか?あさりが身を守ろうとして、汚れや砂を一気に吐き出すため、5分~15分程度で塩抜きが終わるとのことです、過去にサンキュ!の記事で実際に試しています。結果は「変化があったのは全体の3割ほどのあさりのみ。残りはしっかりと貝を閉じたまま。そのまま調理したところ、砂を噛んだままのあさりが多くあるように感じました。なお、3回ほど試しましたが、いずれも同じ結果でした」とのことで、正直うまくいくとは言い難いです。
よほど急ぎのとき以外はおすすめできない方法と言えるでしょう。
殻付きのまま冷凍する方法
あさりの冷凍保存には複数の方法があり、料理の種類に合った方法を選ぶのがポイントです。酒蒸しやパスタなど汁気の少ない料理に使いたい場合は、殻付きのままで冷凍保存する方法をおすすめします。
1:水気を拭き取る
まず、砂抜きしたあさりの水気をペーパータオルなどでしっかりと拭き取りましょう。水気が残ったまま冷凍保存すると、あさり同士がくっついて殻が割れやすくなります。水気を丁寧に拭き取ると、冷凍しても綺麗な状態で取り出しやすくなります。
2:冷凍用保存袋に入れる
水気が取れたあさりは、チャック付きの冷凍用保存袋に入れましょう。この工程でのポイントは、重ならないように入れること、空気を抜いてから袋の口を閉じることです。ストローを使って空気を吸うと、空気抜きがスムーズになります。
3:冷凍庫で急速冷凍する
アルミやステンレスのトレイやバットの上にあさりの入った保存袋を置き、冷凍庫で急速冷凍しましょう。
食材をゆっくりと凍らせると、細胞壁が壊れて解凍時に旨みを含んだドリップが出やすくなりますが、熱伝導率が高い金属トレイを使うと、食材を素早く凍らせるのに役立ちます。つまり、あさりを急速冷凍すれば、旨みを逃さずおいしくいただけるのです。
殻付きのまま水に浸けて冷凍する方法
汁気の多い料理にあさりを使う場合は、殻付きのまま水に浸けて冷凍する方法がおすすめです。水に浸けることであさりが空気に触れず、酸化を遅らせてふっくらとおいしく保存できます。凍った水にはあさりの旨みが溶け込んでおり、水ごと使うと汁物がおいしくなります。
1:冷凍用保存袋に入れる
まず、砂抜きをしたあさりを、殻付きのままチャック付きの冷凍用保存袋に入れましょう。この方法では、水なしで冷凍保存する方法のようにペーパータオルで水気を拭き取る必要はありません。
2:水を入れる
あさりの隙間を埋めるように、ひたひたになるくらいまで水を入れましょう。このとき、冷たい水または氷水を使うのがポイントです。温度が低い水のほうが、早く冷凍できます。
3:冷凍庫で急速冷凍する
アルミやステンレスのトレイやバットの上に置いて、冷凍庫で急速冷凍しましょう。金属のトレイやバットを使う理由は、先述した内容の通りです。お持ちの冷蔵庫に急速冷凍の設定がある場合は活用しましょう。
むき身にして冷凍する方法
あさりをむき身にして冷凍する方法は、天ぷらや炊き込みご飯など殻が必要ない料理を作るときに便利です。あさりの汁には旨みがたっぷりと含まれていますので、汁も捨てずに冷凍しておきましょう。
1:電子レンジで加熱する
砂抜きしたあさりを耐熱容器に並べ、食品用ラップをかけて600Wの電子レンジで2分程度加熱しましょう。あさりの殻が開かない場合は、様子を見ながら30秒ずつ延長加熱します。
2:身を取り出す
あさりの殻が開いたら、スプーンやバターナイフで身を取り出しましょう。あさりから出た汁を容器に入れて保存しておくと、味噌汁の出汁として使えます。また、冷凍可能なシリコンカップや小さい冷凍用保存容器に入れ、冷凍保存するのもおすすめです。
3:冷凍用保存袋に入れて冷凍する
加熱したあさりの粗熱をとった後、冷凍用保存袋に入れて平らに整えてから冷凍しましょう。取り出しやすくしたい場合は、1食分ずつ食品用ラップで包んでから冷凍用保存袋に入れる方法がおすすめです。
あさりの解凍方法
むき身は冷蔵庫で自然解凍しますが、殻付きのあさりは自然解凍せず、冷凍のまま一気に加熱して使いましょう。殻付きのあさりを自然解凍しない理由は、ゆっくりと解凍すると貝柱の細胞が壊れて加熱しても殻が開かないからです。
水に浸けて冷凍したあさりは、沸騰したお湯に凍った水ごと入れ、殻が開くまで強火で一気に加熱しましょう。
冷凍したあさりの活用レシピ
ここからは、冷凍したあさりをおいしく食べられるおすすめレシピを紹介していきます。いずれもあさりの旨みや風味をしっかりと引き出せる調理方法ですので、ぜひお試しください。
あさりの炊き込みご飯
あさりの炊き込みご飯は、あさりと三つ葉の香りを楽しめる料理です。あさりだけでもおいしくなりますが、三つ葉を混ぜることで爽やかな風味が加わります。鍋で炊くのがポイントで、炊飯器よりも早く炊き上がります。
あさりの酒蒸し
あさりの酒蒸しは、シンプルにあさりの旨みを味わいたい方におすすめの料理です。あさりがもつ塩気が程よい塩加減となり、酒以外の調味料を使わずともおいしく仕上がります。
あさりのチャウダー
あさりのチャウダーは、むき身のあさりとミックスベジタブルを使ったスープ料理です。あさりの旨みがたっぷりと詰まったクリーミーなスープで、子どもでも食べやすい味に仕上がります。ミックスベジタブルを使うことで彩りもよく、献立が華やかになるレシピです。
あさりの保存は冷凍を活用しよう
あさりは日持ちしない食材と思われがちですが、冷凍すればおいしい状態で長く保存できます。あさり料理を作るたびにスーパーに走る必要がなくなり、欲しい時にいつでも使えて便利です。また、あさりを冷凍することで、旨み成分が出やすくなるメリットもあります。
冷凍方法としては、殻付きを冷凍する方法、水に浸ける方法、むき身にして冷凍する方法があります。保存の仕方によって料理の向き不向きがありますので、レシピに合わせて選ぶのがポイントです。冷凍したものを調理する際は、冷凍の仕方に合った方法で解凍します。
今回紹介したあさりの冷凍保存のコツを踏まえておすすめレシピを活用し、あさりをおいしくいただきましょう。