あさりの砂抜き&保存テク、失敗しない方法をプロが解説|簡単レシピも併せて紹介
2022/08/01
あさりが旬を迎えています。2月から5月頃までのあさりは産卵を控えて身が肥えているため、旨みが豊富で美味しいと言われています。また、潮干狩りも盛んな時期です。ただ、あさりは料理をする前にきちんと砂抜きをしないと、ジャリジャリと口当たりの悪い料理に仕上がってしまいます。
そこで今回は、あさりを美味しく食べるための砂抜きの方法と保存方法、またあさりの簡単レシピを暮らしスタイリストの河野真希さんに教えてもらいました。
執筆/監修: 暮らしスタイリスト 河野 真希
暮らしスタイリスト・一人暮らしアドバイザー・料理家。料理や家事、インテリアなど、気持ちのいい暮らしを作る、は...
あさりの砂抜きの方法
あさりを買ってきたら、まず砂抜きをします。砂抜きとは、貝類が体内に溜め込んでいる砂を吐かせる作業のこと。スーパーなどでは砂抜き済みのものが売られていることもありますが、不十分なこともあるので、自宅でもう一度行うと安心です。
あさりの砂抜きに必要なのは海水程度(3%)の食塩水です。「3%の食塩水って、どうやって計算すればいいんだっけ」なんて慌ててしまう方のために、「水300mlに塩小さじ2(10g程度)」というのが覚えやすい分量です。潮干狩りに行ってきた場合は、海水をペットボトルなどに汲んで持ち帰り、その水を使って砂抜きするといいでしょう。
この濃度の食塩水を用意したら、薄いバットなどの容器にあさりが重ならないように広げて入れ、食塩水を注ぎます。砂浜の砂の中に近い環境の方があさりは砂を吐き出しやすいです。水はあまり深くせず、暗くするのがポイント。あさりの殻が出るかどうかぐらいのひたひたの食塩水を容器に入れ、フタや新聞紙などで覆って、常温に置きます。ただし、夏の暑い時期であれば、冷蔵庫での保存をおすすめします。お店で購入したものであれば2~3時間、潮干狩りであれば一晩置いたら、砂抜き完了です。
砂抜きが終わったら、あさり同士をこすり合わせるようにして洗ってから調理してください。
短時間で砂抜きできると評判の『50℃洗い』ってどうなの?
「あさりを50℃のお湯に入れると5~15分で砂抜きできる」という『50℃洗い』のワザがインターネットを中心に話題になりました。40~50℃程度のぬるま湯に入れることで、あさりが身を守ろうとして、汚れや砂を一気に吐き出すんだとか。
実際にその方法を試してみたところ、お湯を入れた瞬間にいくつかのあさりが一気に管を出しました。その後約50℃程度の温度を保ちながら、15分ほどお湯につけましたが、変化があったのは全体の3割ほどのあさりのみ。残りはしっかりと貝を閉じたまま。そのまま調理したところ、砂を噛んだままのあさりが多くあるように感じました。なお、3回ほど試しましたが、いずれも同じ結果でした。
この50℃洗いは「より身がふっくらとして美味しい」「旨みが抜けてしまう」など長短諸説あります。昔ながらの方法で砂抜きする方が確実ではありますが、急ぎの場合はこの方法を試してみるのもありかもしれません。
あさりの保存方法
砂抜きが終わったあさりは、できるだけ早く調理してしまうのがおすすめです。ただし、潮干狩りなどで大量に取ってきてしまった場合、一度に食べきれないこともあるはずです。そんなときは冷凍保存しましょう。
なあさりやはまぐり、しじみなどの貝類は冷凍保存することが可能です。砂抜きした貝をこすり洗いしたあと、しっかりと水気を拭いてからフリージングバッグに入れて、冷凍庫に入れます。使うときは凍ったまま加熱します。一ヶ月を目処に食べきりましょう。
「貝って死んだら開かないんじゃないの? 冷凍しても生きているの?」と思う人もいるかもしれません。確かに冷凍した貝はもう死んでいます。でも、加熱すると貝の口が開く理由は、貝をつないでいる貝柱が加熱によってはがれることによるもので、死んでいても貝の口は開きます。ただ、死んでしまった貝は貝柱が変質して、開かない可能性が高いので、加熱後も閉じたままの貝は食べない方が安心です。
簡単あさりレシピ1:あさりの味噌汁
あさりの定番料理である味噌汁のレシピを紹介します。あさりの旨みがたっぷりで出汁いらずの簡単レシピです。
【材料(2人分)】
あさり150g、水400ml、酒大さじ1、味噌大さじ2、小ねぎ適宜
【作り方】
あさりと水を鍋に入れて中火にかけます。煮立ったら弱火にして、アクを取ります。あさりの口が開いたら、味噌を溶き入れて、火を止めます。お椀に盛りつけて、小口に切った小ねぎをちらして、できあがり。あさりにも塩分が含まれていますので、味噌はいつもの味噌知るよりは控えめに。味見をしながら加えましょう。
※味噌汁をすぐに食べきれないときは、あさりと汁を分けておくと、あさりの身が縮みすぎません。あとから食べる人がいるときなどはお椀にあさりの身を入れておき、汁だけ温め直して注ぐと、最後まで美味しく食べられます。
簡単あさりレシピ2:あさりとマッシュルームのアヒージョ
あさりをアヒージョにすると、その旨みがオリーブオイルにも広がって、とっても美味。貝の旨みを吸ったマッシュルームもたまらない美味しさです。
【材料(2人分)】
あさり(100g)、マッシュルーム10個、パセリ適量、ニンニク1片、唐辛子1本、塩少々、オリーブオイル適量
【作り方】
あさりとマッシュルーム、みじんぎりにしたパセリ、すりおろしたニンニク、種を抜いた唐辛子をフライパンに入れます。オリーブオイルをひたひたになるまで入れます。中火にかけ、あさりの口開いたら、できあがり。
※アヒージョにはぜひバケットなどのパンを添えて、残ったオイルをつけながら食べるのがおすすめです。また、パスタのソースとして使ったり、ブロッコリーを炒めたり、茹でたじゃがいもにからめるのもおすすめ。あさりの旨みたっぷりのオイルをぜひ余すところなく食べ切ってください。
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◆監修・執筆/河野 真希
暮らしスタイリスト・一人暮らしアドバイザー・料理家。料理や家事、インテリアなど、気持ちのいい暮らしを作る、はじめるためのライフスタイル提案を行う。流行や思い込みにとらわれずに、無理なく持続可能で快適な自分らしい暮らしづくりを応援。 『料理教室つづくらす食堂』主宰。
公式サイト:https://www.kawano-maki.net/
料理教室インスタグラム:https://www.instagram.com/tudukurasu/