【管理栄養士監修】「あさり」の主な栄養素とカロリーまとめ!おすすめな調理方法は?
2020/09/04
あさりは身近な食材ではありますが、ビタミン12、鉄分、亜鉛などさまざまな栄養素が多く含まれており、貧血予防、味覚障害を予防すると言われています。あさりそのものの旨味も豊かで、さまざまな調理方法で楽しむことができます。
あさりの種類
あさりは、内湾の砂泥底で、塩分濃度がやや低いところに生息しており、日本各地の内湾にも分布しています。大きさは3~4cmほどあり、模様はさまざまで、生息する環境によって色が違います。
貝類のなかでも、牡蠣や、しじみなどと同じく多くの人に親しまれているあさりですが、じつは栄養価の面でも優れた食材なのはご存知でしょうか。
しじみには、肝臓の働きを助け、二日酔いの予防が期待できるオルニチンが含まれると言われています。しかし、あさりにもタウリンという同様の効果が期待できる成分のほか、ビタミンやミネラルなど美容や健康、疲労回復の効果が期待されている成分も豊富に含まれています。
あさりのカロリーと栄養素
あさりは、100gあたり30calで、あさりの旨味の素でもあり、血液中のコレステロールや、中性脂肪を減らしたり、肝機能を高めアルコールの分解を促進する効果を期待されているタウリンをはじめ、多くの栄養素が含まれます。
そのなかでも多く含まれる栄養素として、カルシウム、カリウム、亜鉛、鉄分、ビタミンB12があります。以下ではそれぞれの栄養素で期待される効果を見ていきましょう。
あさりの栄養素
・カルシウム
・カリウム
・亜鉛
・鉄分
・ビタミンB12
あさりの栄養素1:カルシウム
骨や歯の主な構成要素の1つであり、細胞の多くの働きや活性化に必須の成分とされています。
また、カルシウムには、神経伝達を正常に保つ効果や、緊張、興奮を静めるなどストレスを緩和する効果があると言われています。日本人に一番不足している栄養素であり、とくに成長期や中高年期は健康への影響も大きくなります。若いうちから、継続的にカルシウムを摂ることが大切です。
あさりの栄養素2:カリウム
全身の細胞内に多く存在し、筋肉を正常に保って生命維持に欠かせない成分です。
カリウムには、ナトリウムの排出を促し、高血圧や、むくみの予防に効果があると言われています。
また、生活習慣病の予防を目的とした1日当たりのカリウムの摂取量は、成人男性3,000mg以上、女性2,600mg以上と言われています。濃い味つけや加工食品が中心の食生活を送るとカリウムが不足しやすくなるので、注意しましょう。
あさりの栄養素3:亜鉛
亜鉛は、タンパク質、核酸の代謝に関わり、健康維持に役立っており、肉類や魚介類など、動物性の食品に多く含まれるミネラルで、味覚を正常に保つ役割などもあると言われています。
ミネラルのなかでも、不足しがちな栄養素と言われているため、意識して摂取する必要があるでしょう。
あさりの栄養素4:鉄分
全身に酸素を運ぶ役割を持つヘモグロビンの構成要素として重要な成分の1つです。鉄分が不足すると鉄欠乏性貧血をおこし、血液中のヘモグロビンが減少し、めまいや、ふらつきなどの症状が出てきてしまう可能性があると言われています。
あさりの栄養素5:ビタミンB12
全身の神経が正常に働くよう整える作用があると言われている栄養素で、ビタミンB12が不足すると、悪性貧血や、神経系の働きが悪化して手足のしびれや痛み、集中力の低下、物忘れなどが起こる可能性があると言われています。
基本的には、動物性食品に含まれていますが、海藻にも含まれています。
あさりはダイエットに効果がある?
あさりには、ビタミンやミネラルをはじめとした多くの栄養素が含まれていながら、100gあたり30calと低カロリーです。そのため、摂取カロリーを控えながら栄養バランスを整えてくれるあさりは、ダイエットをがんばりたい人にはおすすめの食品と言われています。
ただし、調味料などで高カロリーのものを使いすぎないよう、注意は必要です。
あさりを使ったおすすめのレシピ
あさりを使った料理は、和・洋・中を問わずたくさんあり、ここでは時間もかからず、お手軽につくれるおすすめなレシピを3つほど紹介していきたいと思います。
どのレシピもあさりの旨味をしっかりと生かしたものとなっていますので、調味料での味つけは控えめにし、あさり本来の旨味を味わってみてはいかかでしょうか。
あさりのおすすめレシピ1:あさりのみそ汁
定番と言える、あさりを使った味噌汁です。あさりから旨味がたっぷり出るので、余計な味つけをしなくても十分おいしくいただけます。
水に溶けやすい栄養も丸ごと摂ることができ、紹介したレシピ以外でもそれぞれのご家庭の味を活かして、いろいろなアレンジのバリエーションが考えられます。また、ほかの具材を追加することで、あさりに不足する栄養を補うこともできます。
あさりのおすすめレシピ2:あさりとたっぷり野菜のクラムチャウダー
あさりの旨味と野菜・牛乳のスープの風味が混ざり合った、具材たっぷり栄養たっぷりのクラムチャウダーです。
入れる具材によって風味も変わってくるため、いろいろな味わいを試すことができます。ご家族の好みに合わせて調節してみてください。あさりそのものからも塩分が出てくるので、下味をつけるときの塩コショウの分量には、気をつけましょう。
あさりのおすすめレシピ3:あさりの酒蒸し
あさりと酒の旨味で、あっさりとシンプルにいただける一品です。野菜といっしょに調理してもおいしくいただけます。
こちらもあさり自体から塩気が出てくるので、塩分は少なめであっさりめの味つけにしたうえで、最後に味見して調節しましょう。
あさりをおいしく食べよう!
いかがでしたでしょうか。栄養素が豊富に含まれたあさりのレシピは、ほかにもたくさんあります。あさりの栄養素の特徴をしっかりと理解したうえで、いつもの献立に加えていただき、豊かな食生活を送りましょう。
監修者ミニコラム:新鮮なあさり=美味しい!粋のいいあさりの見分け方3選
あさりは旨味が詰まっているので、だし代わりに使うこともできる食材です。新鮮なもの程だしもよく出るので、できるだけいきのいいものを選びたいところ。
そんなあさりの見分け方を紹介します。
1.動きがある
2.揺らすと気泡が出てくる
3.口が開ききっていない(半開きでも揺らして閉じればOK)
売り場によっては、パック詰めや量り売りのものなどがありますが、いずれにしても、より多くの項目に当てはまるものを選ぶのが正解です!
また、殻の厚さによって、あさりの風味にも違いがあるのだとか。
・厚みが薄い→沖合で獲れ、上品な旨味
・厚みがある→岸の近くで獲れ、歯ごたえと強い味わい
そんな点も参考に、あさり選びを楽しんでみてくださいね!