【管理栄養士監修】「山芋」の主な栄養素とカロリーまとめ!おすすめな調理方法は?
2020/09/04
とろろなどにしてよく食卓に並ぶ山芋ですが、含まれる栄養素にはどんなものがあるのでしょうか。カロリーが高いのではないかと気になるかたもいるでしょう。今回は栄養バランスが取れた食材である山芋の、おすすめな調理方法などをご紹介します。
山芋の種類
生でも加熱してもおいしく食べられるうえ、滋養強壮の効果があるとも言われる山芋ですが、じつは「山芋」という品種は存在しません。こまかく分けると600種類以上あるとされる、ヤマノイモ科ヤマノイモ属を総称した呼び名が「山芋」です。
山芋のなかでも主な種類として「長芋」「いちょう芋」「大和芋」「自然薯」などが代表的です。
山芋のカロリーと栄養素
山芋のカロリーは種類によっても異なりますが、可食部100g当たり65~123kcalです。古くは主食として食べられていた食材であるため、野菜と比較するとカロリーが高いと言えるでしょう。
高血圧の予防に効果があると言われているカリウムが多く含まれており、そのほかの主な栄養素としてビタミンB群、ビタミンC、食物繊維などをバランスよく含んでいる野菜です。
山芋の栄養素
・カリウム
・ビタミンB1
・ビタミンB6
・ビタミンC
・食物繊維
山芋の栄養素1:カリウム
山芋に含まれる主な栄養素の1つ目が、カリウムです。高血圧の予防や、細胞の活性維持などに効果的と言われています。
カリウムはいも類のほかにも、バナナやメロンなどの果実類にも多く含まれているため、野菜や果物の摂取量が少ないと不足してしまいます。食塩に含まれるナトリウムを排出して細胞内の浸透圧を調整する働きがあるので、カリウムが不足しないように注意しましょう。
山芋の栄養素2:ビタミンB1
主な栄養素2つ目は、ビタミンB1です。ビタミンB1を多く含む食品は、山芋のほかに豚肉やごま、ナッツなどが挙げられます。
ビタミンB1は、長期的に不足すると脚気という欠乏症が起こります。倦怠感やむくみが起こったり、食欲がなくなったりといった夏バテのような症状が起こりやすくなるため、快適な生活のためにも、不足しないよう積極的に取り入れていきましょう。
山芋の栄養素3:ビタミンB6
主な栄養素の3つ目が、ビタミンB6です。たんぱく質や脂質の代謝に関わったり、皮ふや粘膜の健康を維持する働きで知られています。
ビタミンB6を多く含む食材には、山芋のほかにも魚類や肉類、海藻などが挙げられます。不足すると、皮膚炎、動脈硬化、食欲不振などのリスクが高まると言われています。
山芋の栄養素4:ビタミンC
主な栄養素4つ目が、ビタミンCです。
ビタミンCは、抗酸化作用やコラーゲンの生成・保持の働きで知られており、美容にも効果的な栄養素です。水に溶けやすく、熱に弱いという性質を持つため、山芋からビタミンCを効率よく摂取するためには、とろろなど生で食べるのがおすすめです。
また美容だけではなく、ストレスへの抵抗力を強める効果も期待されています。
山芋の栄養素5:食物繊維
主な栄養素の5つ目が、食物繊維です。きのこや海藻、おからなどに多く含まれる栄養素ですが、偏った食生活では不足しがちになってしまいます。
腸の運動を促進させたり、腸内の老廃物を吸着して排出するなど、消化器官にとって重要な栄養素です。また、栄養素の吸収速度を緩やかにするとも言われており、糖尿病や肥満などの生活習慣病予防の面でも期待されています。
山芋はダイエットに効果がある?
ここまでご紹介したとおり、山芋は食物繊維をはじめ、美容によいとされるビタミンも含まれることから、ダイエット中の食事に取り入れるのにはおすすめの食材です。
栄養素を効率よく摂取するためには、熱に弱いアミラーゼというでんぷんの消化を助ける酵素やビタミンCのことを考慮して、生で食べるのがよいでしょう。また加熱調理する場合でも、食物繊維の働きで満腹感が長続きするというメリットが期待できます。
山芋を使ったおすすめのレシピ
山芋は、シャキシャキした食感を活かして生のまま短冊にして食べたり、すりおろして山かけにする、加熱してホクホク感やふんわり感を味わうなど、料理のアレンジの幅を広げてくれる食材です。
ここでは、山芋を使ったおすすめのレシピをご紹介します。
山芋のおすすめレシピ1:長いもとたまごのグラタン
長いもとたまごのグラタンは、グラタン用のホワイトソースがなくても、家庭にある調味料でつくることができる簡単レシピです。
山芋をたっぷり使うので腹持ちもよく、生で食べるときとは違うホクホクとした食感が、チーズやマヨネーズといった洋風の味つけによく合います。ホワイトソースとマカロニでつくるグラタンに比べると、カロリーを抑えることができるでしょう。
山芋のおすすめレシピ2:とろろご飯
とろろご飯は、すりおろした山芋とだし、卵、醤油を混ぜてご飯といっしょにいただく、いつもの白ご飯を少し豪華にしたいときなどにおすすめのレシピです。
生のまますりおろして食べるため、山芋に含まれる酵素やビタミンを熱で弱らせることなく、効率よく栄養素を摂取できます。ごはんは麦ごはんに変えてみても、とろろとよく合うでしょう。
だしと混ぜるため、自然薯などの粘り気の強いものがおすすめです。
山芋のおすすめレシピ3:山芋のふわふわお焼き
山芋のふわふわお焼きは、すりおろした山芋を生地に混ぜることでふわふわな食感が楽しめるおすすめのレシピです。
生地に山芋を使うだけではなく、具としてニラや白菜といったほかの野菜類もたっぷり摂れるので、ヘルシーで食べ応えのある一品が出来上がります。レシピで紹介されているニンニクだれのほかにも、お好みの味つけでアレンジして食べてもよいでしょう。
山芋をおいしく食べよう!
山芋は、カリウム・ビタミンB群・ビタミンC・食物繊維等、栄養素のバランスがよく、生でも加熱してもおいしく食べられるため、食卓に加えやすい食品と言えるでしょう。
今回ご紹介した内容を参考に、山芋をおいしく食べて健康的な食生活を送りましょう。
監修者ミニコラム:「山のうなぎ」と呼ばれるほどの栄養の宝庫!山芋を選ぶなら○○○がイチオシ!
山芋は、縄文時代から食されていたといわれ、1300年以上前に書かれた古事記に登場した頃には既に薬として使われていたのだとか。なかでも「自然薯」には、特に多くの健康成分が含まれていることで注目を浴びています。
皮膚や関節の弾力を維持するコンドロイチン、動脈硬化を予防するコリンなどを含んでいます。滋養強壮だけでなく、胃腸症状や疲労回復にも効果があるとされ、漢方薬としても使われています。
なお、山芋を食べるなら生食が一番効果的!主食に多く含まれるでんぷんを分解する酵素は、大根の3倍ともいわれているので、とろろにしたりサラダでどうぞ!