【管理栄養士監修】「イカ」の主な栄養素とカロリーまとめ!おすすめな調理方法は?
2020/09/05
イカは、日常の食卓でも馴染み深い食材です。幅広い栄養を含み、低カロリー、低脂質であるため注目を集めています。生で食べても、加熱してもおいしく食べられる食材です。この記事では、イカの種類から栄養、おいしくつくることができるレシピをご紹介します。
イカの種類
イカは、大きく「コウイカ目」と「ツツイカ目」の2つに分けられます。「コウイカ目」のイカが石灰質の甲を持っているのに対し、「ツツイカ目」のイカはひも状、または木の葉状の薄くて柔らかい甲を持っています。
「コウイカ目」のなかで、馴染み深いのは「モンゴウイカ」や「スミイカ」です。「ツツイカ目」では「ヤリイカ」や「アオリイカ」「スルメイカ」です。
イカのカロリーと栄養素
イカには、さまざまな栄養素が含まれています。生のスルメイカ100g当たりのカロリーは83kcalと低カロリーで、水分80.2g、タンパク質17.9g、脂質0.8g、炭水化物0.1g、灰分1.3g、食塩相当量は0.5gです。特筆すべきは、タウリンが豊富なことです。
イカの栄養素
・タンパク質
・タウリン
・リン脂質
・ナイアシン
・ビタミンB12
イカの栄養素1:タンパク質
タンパク質は、筋肉や骨をつくるのに欠かせない栄養素です。タンパク質を多く含む肉類は総じて高脂質ですが、イカは高タンパクでありながら低脂質なため、比べるとヘルシーといえるでしょう。
タンパク質は、分解されるとアミノ酸になります。アミノ酸のうち、体内でつくり出せないアミノ酸を「必須アミノ酸」と呼び、すべての必須アミノ酸のバランスが必要量に対してどれだけ含まれているかを評価したものが、アミノ酸スコアと呼ばれています。良質なタンパク質源と言われています。
イカの栄養素2:タウリン
タウリンは、脳、心臓、肝臓、血液、目などのあらゆる臓器に存在しています。血液中のコレステロール値の上昇を防いだり、肝臓の解毒作用を助けたり、疲労の回復促進を促したりと、重要な役割を果たしている栄養素です。
イカの栄養素に多く含まれているのがタウリンで、イカのうまみのもとでもあります。干したスルメイカにはついている粉は、タウリンが結晶化したものです。
イカの栄養素3:リン脂質
イカには、リン脂質が多く含まれています。リン脂質は、細胞膜の主成分となって、体内で脂肪が運搬・貯蔵されるときに役立ち、抗酸化作用によって血管にコレステロールがたまるのを防ぎます。
イカの種類によって、生100g当たりの脂質は0.8~3.5g含まれています。低脂肪で、エネルギー代謝を促すリン脂質が多いことから、ダイエットにも向いているでしょう。
イカの栄養素4:ナイアシン
ナイアシンはビタミンB群の一種で、水溶性のビタミンです。体内の約500種類の酵素を活性化させる役割を果たしており、エネルギー生成や皮膚・粘膜の保護、神経症状の安定などに寄与している栄養素です。
生のヤリイカ100gあたり、ナイアシンは3.5mg含まれています。また、体内ではトリプトファンという必須アミノ酸からも合成されます。
イカの栄養素5:ビタミンB12
ビタミンB12は、赤血球中のヘモグロビン生成において重要な役割を果たします。ビタミンB12が不足すると血液をうまくつくることができなくなり、貧血を引き起こす可能性があります。
このビタミンは、イカのなかでもとくにホタルイカに多く含まれています。生のスルメイカの可食部100gあたり4.9μgであるのに対し、ホタルイカは可食部100gに対し14.0μg含まれています。
イカはダイエットに効果がある?
ここまでご紹介した通り、イカは高タンパクで低脂質の食材のため、ダイエットに向いています。前述のタウリンが悪玉コレステロールを低下させる役割を果たすため、血液をサラサラにする効果が働き、新陳代謝がよくなります。
また多くの栄養素を含んでおり、アミノ酸スコアやビタミンバランスもよいため、機能面でも注目されているようです。
イカを使ったおすすめのレシピ
栄養が豊富なイカですが、生でも焼いても煮てもおいしく食べることができます。
定番の「イカと里芋の煮物」、自分でつくると格別な「イカの塩辛」、お酒のつまみにもよさそうな「イカのホイル焼き」の3つのレシピをご紹介します。
イカのおすすめレシピ1:イカと里芋の煮物
イカのうまみと里芋のホクホク感が合わさった、煮物のご紹介です。
イカからうまみが滲み出るため、だしは不要です。手順は簡単なので、気軽にチャレンジできるのではないでしょうか。冷蔵庫で3日ほど保存可能です。
イカのおすすめレシピ2:イカの塩辛
新鮮なイカが手に入ったら、自分で塩辛をつくってみるのもおすすめです。
さばいたスルメイカの胴に塩を振りしばらく置くと、身の水分が飛んでねっとりとおいしくなります。冷蔵で1週間、冷凍で1カ月ほど保存できます。
イカのおすすめレシピ3:イカのホイル焼き
野菜もたっぷり摂ることができる、イカのホイル焼きのご紹介です。
オーブンが必要となりますが、野菜とイカのマッチングを楽しめる一品です。旬の具材に変更してつくることもでき、イカの旨味が絡んだ野菜をたくさん摂ることができます。
イカをおいしく食べよう!
この記事では、イカは種類が豊富で、馴染みの深い食材であると同時に、豊富な栄養を含んでいることをご紹介いたしました。疲労回復やコレステロール値の低下など、健康を保つ効果にも期待できます。
ぜひ今回ご紹介したレシピで、イカの魅力を味わってみてはいかがでしょうか。
監修者ミニコラム:イカの心臓は1つじゃない⁉
水族館くらいでしか、なかなか泳いでいるイカを見かける機会がないと、イカはのんびりしているイメージを持つ人が多いのでは?
実際には、海の中でイカが敵から逃げる時の最高時速は40kmを超えることもあるのだとか。つまり、陸上競技の金メダリスト、ウサイン・ボルト選手と同じくらいの速さなんです。
そんなイカの速さを支えるために、メインで全身に血液を送る心臓以外にあと2つもイカには心臓があるのです!
素早く動くためには、筋肉に大量の酸素を送る必要があり、あと2つの心臓はそんな時に役立ちます。
エラ心臓と呼ばれ、メインの心臓の両脇近く、エラの端に付いていますよ。
丸ごとのイカが手に入り、さばく機会があれば、ぜひ実物を見てみてくださいね!