【管理栄養士監修】「きな粉」の主な栄養素とカロリーまとめ!おすすめな調理方法は?
2020/09/05
きな粉は大豆からできた食品で、たんぱく質、食物繊維、レシチン、サポニン、イソフラボンなどの栄養素が多く含まれています。きな粉は粉末で調理がしやすく、白玉団子、パンケーキ、ソイラテなどに調理しておいしく食べることができます。
きな粉の種類
きな粉とは、煎った大豆を粉にしたものです。きな粉に使う大豆の種類や煎るときの皮の有無で食感や味、成分値が変わります。
きな粉でよく見かけるのは黄大豆ですが、青大豆もきな粉に使われることがあります。大豆はたんぱく質や食物繊維が豊富なことで知られていますが、きな粉にも同様の栄養が含まれています。
きな粉のカロリーと栄養素
きな粉のカロリーは高めですが、たんぱく質や食物繊維などの栄養素が多く含まれています。
皮をとった黄大豆からつくったもので、100gあたり451calですが、きな粉にはたんぱく質や食物繊維、カルシウム、鉄、イソフラボンなどの栄養素が多く含まれ、これらのきな粉の栄養素は日本人に不足していると言われています。
きな粉の栄養素
・たんぱく質
・食物繊維
・レシチン
・サポニン
・イソフラボン
きな粉の栄養素1:たんぱく質
きな粉の栄養素の中で一番多いのがたんぱく質です。きな粉のたんぱく質は、体内で合成できない必須アミノ酸をバランスよく含んだ良質なたんぱく質と言われています。
たんぱく質は筋肉や血液をつくるのに欠かせない栄養素のため、健康な体の維持には重要とされており、炭水化物、脂質と並ぶ三大栄養素の1つです。
きな粉の栄養素2:食物繊維
食物繊維には、腸内環境を整え、便通をよくする働きがあると言われています。
食物繊維は、胃や小腸で消化吸収されずに大腸に運ばれます。大腸で便の体積や、腸内の善玉菌の数を増やしてくれるため、腸内環境を整える働きがあるとされています。
そのほかにも、腸で糖の吸収を阻害することにより、血糖値の急激な上昇を抑える働きがあるとされ、血中のコレステロールを減らし、生活習慣病の予防に役立ちます。
きな粉の栄養素3:レシチン
きな粉にはレシチンという栄養素も含まれます。レシチンは、きな粉に多く含まれる脂質の一種で、水や油になじみやすい性質があります。
血管に付着したコレステロールを溶かして血流をよくし、脂溶性の栄養素と結びついて、体内への吸収を促進する働きもあると言われています。細胞膜の材料でもあるので、不足すると脳や神経などの働きが低下し、心身に不調を起こすことがあります。
きな粉の栄養素4:サポニン
サポニンは、植物の根や葉、茎などに含まれる、苦味や渋味の素となる成分です。
サポニンには、抗酸化作用によって活性酸素を除去し、脂肪の酸化を防いだり、脂肪が体内に蓄積されるのを抑える効果があると言われています。
サポニンも水や油になじみやすく、腸から吸収された糖が脂肪と結びつくのを抑えることによって、糖が脂肪として体内に蓄積されるのを抑えるとされています。
きな粉の栄養素5:イソフラボン
イソフラボンとは、ポリフェノールの一種で、大豆や葛などのマメ科の植物に多く含まれます。
女性ホルモンの一種であるエストロゲンと似た化学構造をしており、イソフラボンを摂取すると、体内で足りないエストロゲンと同様の働きをするとされています。更年期障害を軽減し、糖尿病や動脈硬化などの予防に役立つと言われています。
きな粉はダイエットに効果がある?
きな粉には、食物繊維やサポニンといった成分が多く含まれており、適度な量の摂取はダイエットに効果があるとされています。
市販のきな粉の中には砂糖が含まれている製品もあるので、購入の際は砂糖の有無に気をつけましょう。また、きな粉のカロリーは低いとは言えないため、食べすぎにも注意が必要です。
きな粉を使ったおすすめのレシピ
きな粉は栄養効果に優れていますが、粉末なのでそのままでは食べにくいです。ですが、きな粉が粉末であることを活かし、ほかの食品と混ぜ合わせて調理がしやすいという面もあります。
きな粉を何と混ぜ合わせるかによって、和風にも洋風にも異なった雰囲気の一品をつくることができるでしょう。ここからは、きな粉を使ったおすすめのレシピをご紹介いたします。
きな粉のおすすめレシピ1:白玉だんご
きな粉を食べるのにお手軽な食べ物は白玉だんごです。
作り立ての白玉だんごにきな粉をまぶして食べると、きな粉の風味も楽しめます。冬は、おしるこに、夏は冷やして食べるなど季節を問わず、おうちの手作りおやつにぴったりでしょう。
きな粉のおすすめレシピ2:きな粉パンケーキ
バターと黒みつとの相性もよく、きな粉の風味が楽しめるパンケーキです。
きな粉は、和菓子のイメージが強い人も多いですが、薄力粉と混ぜ合わせて洋菓子にも使えます。
きな粉のおすすめレシピ3:酒粕ときな粉のソイラテ
酒粕、豆乳、はちみつ、きな粉を加えて混ぜ合わせたソイラテです。
きな粉は食べ物だけでなく、飲み物としても簡単に混ぜ合わせてつくることができ、寒い日などにおすすめです。
きな粉をおいしく食べよう!
きな粉には、日本人に不足しがちなカルシウムや鉄、食物繊維などを多く含んでいます。
きな粉自体は粉末で、そのままでは食べにくいですが、応用のきく食材なので、紹介した白玉だんご、パンケーキ、ソイラテ以外にもさまざまなレシピがあります。ぜひ、いつものおやつに取り入れてみましょう。
自分の好みの食べ方で、おいしく栄養を摂取できるのが、きな粉のよいところでしょう。
監修者ミニコラム:おかずにも使えるきな粉の使い方3選
きな粉というと、砂糖が混ざった状態のものも販売されていることもあり、甘いものと合わせるイメージが強いのではないでしょうか?
実は、スイーツ以外にも、きな粉はおかずにも使える食材なのです。きな粉と合わせやすい食材は、以下のとおり。
【1】きな粉+マヨネーズ
【2】きな粉+味噌汁/ポタージュ
【3】きな粉+和え物/炒め物/衣
どれも、きな粉を加えることで香ばしい香りが料理にコクを与え、満足感をUPしてくれます!もちろん、これ以外に自由な発想で使うのもOK。
サラダ・汁物・メインディッシュと、幅広く使えるきな粉。一度にたくさん食べられないので、毎日の食事に少しづつ取り入れて、サプリメント並みに豊富な栄養を補ってみてくださいね!