【管理栄養士監修】「ごぼう」の主な栄養素とカロリーまとめ!おすすめな調理方法は?
2020/09/06
食物繊維と多くの栄養素を含むごぼうには、腸内環境を整えてくれる以外にも美肌や生活習慣予防、ダイエットなど体にうれしい作用があると言われています。本記事では、ごぼうのカロリーや栄養素、おいしくいただけるおすすめの調理方法をご紹介します。
ごぼうの種類
ごぼうは根が長い「長根種」と、根が短い「短根種」に分けられます。一般的に多く出回っているのは根の長さが70~100cm程の長根種の「滝野川ごぼう」で、関東地方で多く栽培されています。
一方、根の長さが30~50cm程の短根種は西日本で多く栽培されていて、「堀川ごぼう」「大浦ごぼう」などがあります。また、短くてやわらかいうちに収穫した新ごぼうなどもあります。
ごぼうのカロリーと栄養素
ごぼうのカロリーと栄養素はカロリー65kcal、たんぱく質1.8g、脂質0.1g、炭水化物15.4g、無機質(主に、カリウム320mg・マグネシウム54mgなど)、ビタミン(主に、葉酸68μg・ビタミンC3mgなど)、食物繊維5.7gです。生の状態の可食部100gあたりの数値と、主な栄養素を抜粋しています。
ごぼうの代表的な栄養素と言えば食物繊維ですが、他にもたくさんの栄養素が含まれています。以下で、主な栄養素を詳しくご紹介していきます。
ごぼうの栄養素
・カリウム
・マグネシウム
・葉酸
・ビタミンC
・食物繊維
ごぼうの栄養素1:カリウム
カリウムは、体内のナトリウム濃度を一定に保つ働きをする栄養素です。カリウムとナトリウムは拮抗した働きがあり、カリウムの働きによってナトリウムが体外へ排出されます。
体内のナトリウム濃度が高くなることによって引き起こされるむくみや高血圧を予防、改善する効果や、筋肉を正常に保つ効果が期待できます。
ごぼうの栄養素2:マグネシウム
マグネシウムは、体内にある多くの酵素の働きを助け、血液循環を正常に保つなどの働きをします。
マグネシウムは、カルシウムと密接な関係にあり、血液中のカルシウムの量や、カルシウムが骨や歯に行き届くように調整したりします。また、筋肉の収縮や精神状態を安定させる働きをするなど、体内で行われるほとんどの生合成や代謝に関わると言われています。
ごぼうの栄養素3:葉酸
葉酸は、造血のビタミンと呼ばれるビタミンB群の一種で赤血球の形成を助けます。ビタミンB12とともに働き、新しい赤血球をつくるのに必要不可欠なビタミンで、動脈硬化の進行を防ぐ働きもあると言われています。
また、細胞の生成に欠かせないビタミンで、体をつくるたんぱく質を合成する指令を出す核酸の生成補酵素として働き、胎児や幼児の成長を促進する効果が期待できる栄養素です。
ごぼうの栄養素4:ビタミンC
ビタミンCは抗酸化作用を持つ栄養素で、皮膚や血管の老化を防ぎます。ビタミンCの持つ抗酸化作用は、体内の活性酸素の増加を抑える働きがあり、アンチエイジングに効果があると言われています。
また、ビタミンCはコラーゲンの生成に欠かせず、細胞をしっかりと固めて免疫力を高めるとともに、肌にハリを出したり紫外線の影響で発生するシミの原因を抑制します。老化から体を守る、免疫力を高める、美肌になる、ストレスを和らげるなどの効果が期待されています。
ごぼうの栄養素5:食物繊維
食物繊維は、腸内の不要物質を体外へ排出し、脂質やコレステロール値をコントロールする働きがあると言われています。人間の消化酵素では消化されない第6の栄養素と呼ばれ、大きく「水溶性」と「不溶性」に分けられます。
水溶性が水に溶けてゲル化し、不溶性は水分を含んで膨張し、腸を刺激して不要なものを排出します。ごぼうには、両方の食物繊維が含まれていて、腸内細菌の餌となって善玉菌を増やすことで腸内環境を整えてくれるなど、色々な生理機能を持つ優れた成分と考えられています。
ごぼうはダイエットに効果がある?
ごぼうの栄養素には、むくみ防止や造血作用、抗酸化作用や腸内環境を整える作用があることからダイエットに効果があると考えられます。
不溶性食物繊維を多く含むごぼうは、よく噛む必要があるため唾液が分泌されやすく、食事中のでんぷんの分解を促進して血糖値が上がることで満腹感が得られやすくなり、食べ過ぎを防止することができるでしょう。
また、水溶性食物繊維イヌリンが腸内で糖の吸収を穏やかにして、血糖値の上昇を防ぎます。
ごぼうを使ったおすすめレシピ
ごぼうに含まれる栄養素について、お分かりいただけたでしょうか。
ごぼうには、水に溶けやすいビタミンや水溶性食物繊維も含まれているので、栄養を多く摂りたい場合は、調理法に気をつけましょう。ここからは、多くの栄養素を含んだごぼうをおいしくいただけるレシピをご紹介していきます。
ごぼうのおすすめレシピ1:酢ごぼう
茹でて酢に漬けるだけで、ごぼうの栄養が摂れるお手軽レシピです。15分で簡単にできる酢ごぼうは、日持ちがよくごぼうのシャキシャキ感が楽しめます。作り置きすることで、酢の味がしみ込んでさらにおいしくなり、おつまみや箸休めにおすすめの一品です。
ごぼうのおすすめレシピ2:新ゴボウの塩きんぴら
やわらかい新ごぼうはクセがなく、水にさらしてからさっと炒めるだけでおいしくいただけます。塩と砂糖のシンプルな味付けに七味とうがらしが良いアクセントになり、いつものきんぴらとは一味違うあっさりとした味わいを楽しめます。
ごぼうのおすすめレシピ3:新ごぼうとねぎのペペロンチーノ
初夏が旬の新ごぼうを使った和風ペペロンチーノは、柔らかい新ごぼうがペペロンチーノのにんにく風味とよく合い、仕上げのかつお節が食欲をそそります。調理時間20分程度で本格的な和風パスタが楽しめます。
ごぼうをおいしく食べよう!
簡単にできる一品から主食となるものまで、今回紹介した以外にもサラダや炊き込みご飯、かき揚げなど、ごぼうを使ったレシピはたくさんあります。皮に風味や旨味があるので、皮が気になるときはクシャクシャにしたアルミホイルや包丁の背を使って、軽くこそげる程度にしましょう。
食物繊維や多くの栄養を含むごぼうは、美容や健康のため、生活習慣病の予防にも積極的に取り入れたい食材です。
監修者ミニコラム:ごぼうのアク抜きは必要?不要?見分け方&調理のポイント
ごぼうの皮には、風味や旨味とともに「クロロゲン酸」というポリフェノールも多く含まれています。渋味がありますが、脂肪の蓄積や糖尿病の予防に効果的とされる抗酸化成分で、空気に触れると酸化されて、ごぼうが変色する原因でもあります。
切ってすぐに切り口が変色するほどでなければ、水にさらさず、そのまま炒め物や煮物などのしっかりと味付けをする調理に使いましょう。
なるべく皮を残して使い、高温を避けてじっくり加熱することで、ごぼうの風味や旨味がアクを気にならなくさせてくれる効果も。
ただし、切ってすぐ変色したり、ささがきや千切りにした場合は、20秒ほどの水さらしに留め、水切り後は再び変色しないうちに、すぐに調理してくださいね!