油性ペンやボールペンの落書きやシミ、じつは身近なアイテムで落とせます
2022/07/29
油性ペンやボールペンで「子どもに落書きをされてしまった…」「手が滑って、洋服に落として、シミがついてしまった…」なんて経験ありませんか。もう落ちないと諦めていたかもしれませんが、実は、身近なもので落とすことができるんです。
今回は暮らしスタイリストとして料理を始め家事全般の情報を日々発信されている河野真希さんに、油性ペンやボールペンのシミを落とす方法を聞きました。
執筆/監修: 暮らしスタイリスト 河野 真希
暮らしスタイリスト・一人暮らしアドバイザー・料理家。料理や家事、インテリアなど、気持ちのいい暮らしを作る、は...
油性マーカーやボールペンを落とせるのは…
子どもが落書きをしてしまったり、うっかり洋服にシミをつけてしまったりしたとき、試してみてほしいのがアルコール消毒液です。最近は各家庭に常備されていることも多いのではないでしょうか。
油性ペンに使われるインクは、アルコールに溶ける性質があります。アルコール消毒液を使うことでインクを溶かし、浮いたところを別の布などに移すことで、落書きを消したり、シミを落としたりすることができます。ただし、時間とともにインクは定着してしまい、落ちにくくなるため、落書きやシミに気づいたら、できるだけ早く対処してください。
なお、白木などのインクが染みこんでしまうような素材の汚れは、落とすことができません。ニスやワックスなどのコーティングされた素材は、アルコール消毒液で剥がれてしまうことがあるので、注意が必要です。
また、水洗いできない洋服にアルコールを使うのは避けましょう。洗濯表示を見て、「水洗い不可」のマークがついていた場合は、できるだけ早くクリーニング店にお願いするようにしてください。
壁や床の落書きを落とすには…
<画像の解説>
1.ビニールクロスに油性ペンで落書きをし、30分経ったところです
2.アルコールをつけた布で汚れを押さえます
3.別の布を用意して、とんとんと叩いていくと、一度でもこれだけ落ちます
4.5回ほど繰り返したところ、ほぼわからなくなりました
一般的に壁紙としてよく使われるビニールクロスへの落書きを落とすには、布にアルコール消毒液をつけて、汚れにしばらく押し当てます。インクが浮いてきたら、別のきれいな布で軽く叩くようにしながら、汚れを移していきましょう。
狭い範囲で試してみて、壁の傷みや変色などの問題がないようであれば、汚れにアルコール消毒液を直接吹きつけて使ってもOKです。
ただし、こするように拭き取ると、汚れが広がってしまうことがあるので、汚れを布に写し取るイメージで行ってください。なお、紙や布の壁紙の場合は落とすことが難しいです。
また、フローリングの床の汚れもアルコールで落とすことができます。ただし、ワックスも一緒に剥がれてしまうことがあります。コーティングが残っている状態であれば、薄めた中性洗剤(食器用洗剤)などをつけた布でこすると、ワックスのダメージも少なく、汚れを落とせる場合があります。
洋服のシミを落とすには…
<画像の解説>
1.綿のTシャツに油性ペンで落書きをし、30分経ったところです
2.汚れの下にもタオルを敷き、アルコールを吹きつけ、布で汚れを叩きます。6回ほど繰り返すと、目立たなくなりました
3.洗濯洗剤をぬるま湯に溶かし、もみ洗いします
4.最後に洗濯機で洗うと、汚れはほぼわからない状態です
洋服に油性ペンのシミをつけてしまったときには、汚れの下にタオルを敷き、アルコール消毒液をつけたら、もうひとつ別のタオルでとんとんと優しく叩きます。
インクの汚れがタオルに移ったら、何度か同じように汚れが目立たなくなるまで繰り返します。その都度、タオルは汚れの移っていないきれいな面を使うようにしてください。また、汚れが目立たなくなるまでは、水には絶対につけないように気をつけてください。
汚れが目立たなくなったら、ぬるま湯に洗濯用洗剤を溶かし、そこに洋服を入れて、汚れのあった箇所を優しくもみ洗いします。最後に洗濯機で普通に洗い上げましょう。
なお、洋服の素材や色によっては、その部分だけ色落ちをしてしまったり、穴があいてしまったりする可能性があります。絶対に失敗したくない大事な洋服のシミ抜きは、まずクリーニング店に相談してください。
◆監修・執筆/河野 真希
暮らしスタイリスト・一人暮らしアドバイザー・料理家。料理や家事、インテリアなど、気持ちのいい暮らしを作る、はじめるためのライフスタイル提案を行う。流行や思い込みにとらわれずに、無理なく持続可能で快適な自分らしい暮らしづくりを応援。 『料理教室つづくらす食堂』主宰。