じゃがいもは冷凍できる!食感を悪くしないために必要なコツを野菜ソムリエが解説
2024/08/20
じゃがいもは冷凍できない…多くの人がそう思っているのではないでしょうか。でも、じつはコツさえ押さえれば冷凍できるのです。
今回は、野菜ソムリエ・食育インストラクター・気象予報士として活躍する植松愛実さんに、じゃがいもを冷凍して失敗せずおいしく活用するコツを教えてもらいます。
じゃがいもは意外と「ふつうに」冷凍できる
じゃがいもは、丸ごとでも、切った状態でも冷凍できます。
丸ごとの場合は、洗って水気をふいて、ラップでぴっちり包んだ状態で、ジッパーつきポリ袋などの保存袋に入れて冷凍庫へ。切って冷凍する場合は、くし切りやひと口大など使いやすい大きさに切って、5分ほど水にさらしてアク抜きしてから保存袋に入れて冷凍します。冷凍での保存期間は約1カ月です。
一般的に冷凍できるほかの野菜と変わらない冷凍方法ですよね。じつは、失敗しないためのポイントは冷凍するタイミングではなく、調理するタイミングのほうにあるのです。
調理時は「解凍せずに」使って!
冷凍じゃがいもを調理する際、解凍してから使うと、食感が悪くなってしまいます。そのため、凍ったまま使うのが最大のポイントです。
ほかの野菜の場合だと、解凍してもしなくても調理に使えるけど解凍せず使うのが楽だから凍ったまま調理するのがおすすめ…ということが多いのですが、じゃがいもの場合は、解凍してしまうとむしろ悪影響なので避けてほしいということになります。
丸ごと冷凍したじゃがいもは、凍ったまま丸ごと茹でてつぶし、ポテトサラダやコロッケに。また、切ってから冷凍したものは、やはり凍ったまま揚げてフライドポテトにしたり、凍ったまま鍋に投入して煮物にしたりして使うことができます。
なお、冷凍する段階ですでに使いみちが決まっている場合、たとえばフライドポテトにする予定があるなら、皮つきのくし切り状態で冷凍し、調理時はそのまま揚げて皮つきフライドポテトにすることも可能です。それぞれの家庭でよく使う方法にあわせて冷凍方法も選んでくださいね。
加熱してから冷凍してもOK!ただし方法に注意
今回は、じゃがいもを生のまま冷凍して活用する方法を中心に解説してきましたが、じゃがいもは加熱調理してから冷凍することもできます。でも、たとえば肉じゃがを冷凍するとじゃがいもが残念な状態になってしまう…という話もよく聞きますよね。
じつは、加熱後のじゃがいもは、「つぶした」状態でのみ冷凍可能なのです。そのため、茹でたりレンジ加熱したりしたじゃがいもを、マッシュした状態で小分けしてラップにつつみ、保存袋に入れて冷凍しましょう。
このとき、マッシュしただけの状態で冷凍してもいいですし、塩コショウやバター、牛乳などを混ぜて調味した状態でも冷凍できます。時間があるなら調味しておいたほうが、料理に使うときに時短できて便利ですよね。
使うときは電子レンジの解凍機能を使ったり、前日の夜から冷蔵庫に移して解凍したりして、ポテトサラダやコロッケなどに活用することができます。
じゃがいもは冷凍できる!芽が出る前に冷凍して
じゃがいもは常温で長期保存できる野菜の代表格ですが、だからこそ油断していつの間にか芽が出ていた…なんてことはありませんか?
じゃがいもは適切に保存していないと、芽が出たり変色したりしてしまい、味が落ちるのはもちろん、栄養も損なわれてしまいます。たくさん買ったけどしばらくは使わないな…というときは、ぜひ冷凍して活用してみてくださいね!
■執筆/植松愛実さん
気象予報士と出張料理人の両面で活動中。気象・防災に関するヒントのほか、野菜ソムリエ・食育インストラクターとしておいしい食材のおいしい食べ方を発信中。インスタグラムは@megumi_kitchen_and_atelier。
編集/サンキュ!編集部