梅雨や夏の時期に知っておきたい、野菜の保存法

2018/06/15

気温が上がってくると、食材が傷みやすくなります。特に野菜は、買い置きをしておきたいけれど、すぐに食べきれないこともあります。暮らしスタイリストとして料理を始め家事全般の情報を日々発信されている河野真希さんに、野菜を美味しく長く保存する方法を伺いました。

野菜をできるだけ長く美味しく保存する基礎知識

育てられているときと同じ状態で保存する

例えばほうれん草であれば「土から上に生えている状態なので、根を下にして立てておく」、じゃがいもは「暗い土の中なので、日の当たらない涼しい場所」というように、野菜が育てられている状態に近づけて保存すると、鮮度が保たれます。

野菜ごとに適した温度で保存する

「暑いときは冷蔵庫に入れておけば長く保つ」と思うかもしれませんが、野菜によっては冷蔵庫では温度が低すぎて、早く傷んでしまうことがあります。じゃがいもなどの芋類、玉ねぎ、にんにく、ごぼうなどは、常温保存するのが基本です。

また、冷蔵庫の野菜室は5~7℃と、普通の冷蔵室より温度が高め。カットした野菜やもやしは野菜室ではなく、冷蔵室での保存が向いています。

エチレンガスを多く出す野菜・果物に注意する

野菜や果物は収穫後も呼吸を続け、エチレンガスを発生します。エチレンガスには野菜を熟成させる力があり、ガスを発生する野菜そのものだけでなく、一緒に保存している他の野菜の劣化まで促進してしまいます。どの野菜も少なからずエチレンガスを発生しますが、特にりんごや桃、アボカドやブロッコリーなどは発生量が多いです。一緒に保存する野菜に影響を与えないようポリ袋に入れて保存します。

冷蔵庫保存は、新聞紙とポリ袋を使う

野菜を冷蔵庫で保存するときに注意したいのは水分の蒸発です。乾燥が苦手な野菜は、濡れた新聞紙でくるんだ上で、ポリ袋に入れると鮮度が保たれます。また、水分を苦手とする野菜は乾いた新聞紙で包み、ポリ袋に入れて保存することで、新聞紙が余分な水分を吸収してくれます。新聞紙がなければ、キッチンペーパーでもOK。

成長点のある野菜はカットする

野菜には成長点があり、収穫後もそこから伸びようという力が働く一方で、成長することで食物としての野菜は鮮度を失っていきます。例えば大根であれば、葉の根元の部分。葉をつけたまま保存すると鮮度が落ちていくので、葉と根は切り離して、別に保存します。

野菜別、上手な保存法

トマト、ナス、きゅうりの保存方法

ポリ袋に入れて、野菜室で保存します。トマト・ナス・きゅうりは保存温度が低すぎると、低温障害を起こすことがあるので、必ず野菜室で保存してください。きゅうりはヘタを上にして立てて保存するのが◎。

レタス、キャベツの保存方法

レタスやキャベツは濡らした新聞紙で包み、ポリ袋に入れて野菜室で保存します。

ほうれん草、小松菜の保存方法

ほうれん草や小松菜は濡らした新聞紙で包み、ポリ袋に入れて、根を下にして立てて野菜室で保存します。

大根の保存方法

大根は葉がついているときは切り落とします。葉は根元を濡れた新聞紙で包み、根は全体を濡れた新聞紙に包み、ポリ袋に入れて野菜室で保存します。

にんじんの保存方法

にんじんは水気に弱いので、乾いた新聞紙に包んで、冷蔵庫(野菜室)で茎を上に立てて保存します。

じゃがいも、玉ねぎの保存方法

じゃがいもや玉ねぎは風通しがよく、涼しく、日が当たらない場所で保存します。冷蔵庫には入れません。じゃがいもは芽が出てしまうので、必ず日の当たらない場所で。

ごぼうの保存方法

ごぼうは泥つきの場合は新聞紙に包み、風通しがよく涼しい場所で保存します。根を下にして立てます。洗いごぼうは濡れた新聞紙で包み、ポリ袋へ入れて、野菜室で保存します。

◆監修・執筆/河野 真希
暮らしスタイリスト・一人暮らしアドバイザー・料理家。料理や家事、インテリアなど、気持ちのいい暮らしを作る、はじめるためのライフスタイル提案を行う。流行や思い込みにとらわれずに、無理なく持続可能で快適な自分らしい暮らしづくりを応援。 『料理教室つづくらす食堂』主宰。

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