ホワイトアスパラガスをレストランのメニューみたいに調理するテクニック

2019/06/24

大きめのスーパーの産直コーナーや、道の駅、地域の物産市などでときどき見かける、あまりなじみのない野菜。旬のときに登場することも多く、おいしそうだからたまにはチャレンジしてみたい!とは思うもの。しかし、レシピはおろか下ごしらえの方法さえ知らないものも多く、なんとなく躊躇してしまうものです。気合いを入れて使い方やレシピをネットで検索し、つくってみたけれど、なんだかおいしくない……、なんてこともありますよね?

使ったことがない野菜だからこそ、ちゃんとプロに使い方を教わってチャレンジしたいもの。料理家の大庭英子さんにお願いして、野菜の特徴や味わい、下ごしらえからいちばんおいしく食べられるレシピまで教わりました。

「はじめて野菜」に挑戦すれば、食卓を彩る野菜に季節の風がふきます。凝ったことをしなくても、献立のバリエーションも増えて、自然とたくさんの野菜が食べることも。きっと心も体も整ってくるはずです。

ホワイトアスパラガスを直焼きすると味が凝縮する!

前回は、風味よく、甘みやほろ苦さを残す、ホワイトアスパラガスのおいしいゆで方をご紹介してくれた大庭先生ですが……。

ーー大庭先生
じつは、私、ホワイトアスパラガスを食べるときは、ゆでるのではなく直焼きするのが好きで、自分で食べるときはほとんど直焼きなんですよ。

ーーライターK
え!?
直焼きって、つまりゆでずに焼くっていうことですか?
焼きアスパラガスって、ゆでてから焼くのだとずっと思っていました。

ーーライターK
つまり、写真のような焼き目のついたホワイトアスパラガスは、ゆでてから焼くのではなく、生から焼くという意味ですね?
それは、ひと手間減るからうれしいです!

ーー大庭先生
手間を減らすというより、直焼きすると味が凝縮して濃くなるから、おいしさを生むコツなんですよ。

ーーライターK
それは、ますますうれしいですね!

ーー大庭先生
皮のむき方は、ゆでるときと同じで、ピーラーで穂先のすぐ下あたりから皮をむいてください。

ーーライターK
はい、それだけで、口当たりが大きく変わっておいしくなることがよくわかりました。

ーー大庭先生
直焼きのときは、フライパンに油を入れて、生のままのアスパラガスを並べます。そのとき、なにかで押さえておくといいですよ。
ふたをするという意味ではなく、全体にこんがり焼き色をつけるためです。私は、フライパンよりひとまわり小さい平らなふたを使いますが、落としぶたをのせて、ときどき上から押させつけたり、それもなければ、フライ返しでときどき押さえてくださいね。

ーーライターK
わ!おいしそうな焼き色がつきましたね!

ーー大庭先生
じっくり焼くからうまみが凝縮していきますよ。

ベーコンエッグとホワイトアスパラガスの直焼き

ーーライターK
この焼き色たまりませんね。フォークとナイフで食べると、本格フレンチみたいですね!

ーー大庭先生
食べるときにアスパラガスをナイフで切って、卵もくずして全体を混ぜながら食べるといいですよ。

ーーライターK
香ばしさとほどよい食感!卵のねっとり感がソースみたいになっておいしいです!ゆでないからどうなのかと思いましたが、アクっぽさもぜんぜん感じないです。

卵とベーコンのおかげで、食べごたえもあるから、メインの一皿みたいになりますね。ホワイトアスパラガスらしい香りが、ふわっと鼻にぬけてごちそうですね!

【材料:2人分】
ホワイトアスパラガス…太め6本
オリーブ油…大さじ2
ベーコン…6枚
卵…1〜2個
塩、粗びき黒こしょう、パセリのみじん切り…各適量

【作り方】
(1)ホワイトアスパラガスは、根元を5mmほど切り落とし、ピーラーで穂のすぐ下のあたりから皮を厚めにむく。
(2)フライパンにオリーブ油を熱してアスパラガスを並べる。フライパンよりひと回り小さい鍋ふたをのせ、強めの中火で3~4分焼く。転がすように裏に返して同じように焼き、根元に竹串がすっと通るくらいになったら、塩、こしょう各少々をふってころがし、器に盛る。
(3)フライパンの油をペーパーで拭き取り、ベーコンを広げ入れて弱火でゆっくり、カリカリになるまで焼き、アスパラガスにのせる。
(4)フライパンに卵を割り落とし、塩、こしょう、パセリ各適量をふり、中火で半熟状に焼く。アスパラガスにのせ、全体を混ぜていただく。

もっと知りたい!ホワイトアスパラガス

ーー大庭先生
ホワイトアスパラガスを選ぶときは、全体が真っ白なものを、そして太いもののほうが断然おいしいので、意識してください。
上の写真を見ると違いがわかると思いますが、太いほうが味が濃いです。

先端が緑になってきてしまっているものは、日光があたってしまったということ。グリーンアスパラガスの青臭い味わいが入ってきてしまうので、ホワイトアスパラの甘さやほろ苦さを楽しみたいなら、全体がきれいな白いものを選ぶといいですよ。

料理・監修/大庭英子 
『サンキュ!』をはじめ、数々の雑誌で料理を紹介している。本当にシンプルで潔い簡単レシピなのに、そのおいしさといったら! いっしょに仕事をするスタッフたちから、絶大なる信頼を集めている。キャリアはすでに約40年。

撮影/安部まゆみ 

構成・文/加藤郷子
出版社にて料理・生活情報誌編集を経てフリーに。得意ジャンルは暮らしまわりいろいろ。趣味は食べること。一部の編集者から、「加藤さんの行った店をチェックしたグーグルマップが欲しい」と熱望されるほどの食べ歩き好き

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