【管理栄養士監修】開封後の「みりん」の賞味期限切れはいつまで大丈夫?変色がポイントに!?【日数別に解説】
2020/06/06
日本の料理に欠かせないうま味調味料のみりん。その賞味期限は、開封か未開封か、本みりんかみりん風調味料かで違ってきます。今回の記事で、みりんの賞味期限の細かい違いと保存方法について詳しく紹介していきます。
みりんは賞味期限が過ぎても問題ない?
みりんは賞味期限が過ぎても調味料として使って問題がないのかどうかを検証していきましょう。
みりんは煮物や鍋などに大活躍してくれる、毎日の料理に欠かせない隠し味にもなる大切な調味料です。しかし、みりんは醤油や砂糖・塩に比べると使用頻度が低いため、ついつい賞味期限を越えて保存してしまう食品でもあります。
みりんの賞味期限の意味を詳しく知り、正しい保存方法でムダのない使い方ができるように工夫をこらしていきましょう。
賞味期限と消費期限の違い
みりんの賞味期限と消費期限の違いは何でしょうか。
賞味期限は、風味がありみりんの本来の味でおいしくいただける期間で、消費期限は、腐敗や品質の劣化が少なく、安心して食べられる期間を表しています。
みりんには、「本みりん」という酒類に分類される種類と、酒類には分類されない「みりん風調味料」「みりんタイプの発酵(醸造)調味料」があります。
食品表示法によると、酒類と調味料のどちらにも食品表示が義務づけられているため、みりんには必ず賞味期限が記載されています。
【保存方法別】みりんの賞味期限は?
みりんの賞味期限を、開封・未開封に分けて保存方法別に紹介していきます。
みりんは開封・未開封によって賞味期限が違ってきます。また、酒類・非酒類の違いによっても賞味期限が変わります。酒類に分類される本みりんには、アルコールが12.5から14.5%入っています。
もち米を発酵させてつくるため、独特の風味と甘味があり、そのままでも飲めるおいしさです。なお、非酒類のみりんにはアルコールが1%未満しか含まれておらず、みりんとは違う作り方なのですが風味を似せてつくられており、安価で売られています。
未開封のみりんの賞味期限
みりん製造会社の福泉のホームページによると、みりんの賞味期限は、本みりんで開封前は冷暗所で18カ月となっています。
みりん風調味料の賞味期限は、開封前は冷暗所で12カ月となっています。
みりんはよく熟成してつくられるものなどいろいろな製造工程があり、種類やメーカーもたくさんあります。賞味期限はみりんのメーカーによって違うので、期限をよく確認してから購入を決めていきましょう。
開封済みのみりんの賞味期限
開封済みのみりんの賞味期限は、みりん製造会社の宝酒造のホームページによると、本みりんは約1~2カ月を目安にするように推奨されています。
一方、福泉のホームページによると、みりん風調味料の開封後の賞味期限は冷暗所で90日となっています。
開封済みのみりんはキャップなどのフタをしっかりと閉めて、冷暗所や冷蔵庫にきちんと保存しておくことが前提になります。高温多湿で直射日光が当たる場所に保管したり、フタを開けっ放しにして空気に触れさせたりすると、みりんが酸化や菌の繁殖などで変質してしまうので気をつけましょう。
冷蔵庫で保存したみりんの賞味期限
冷蔵庫で保存したみりんの賞味期限は、日の出みりんのホームページによると、みりん風調味料で開封したものに限り約90日です。
本みりんは未開封・開封に限らず冷蔵庫で保存するより、冷暗所で常温で保管するほうが一般的です。
本みりんに含まれている糖分は、冷蔵庫へ入れると結晶化しやすい性質があります。本みりんにはアルコールが14%前後含まれているため、お酒と同じ考え方で保存します。本みりんは酒類なので、お酒と同じ考えでの保存方法が必要です。みりん風調味料も、未開封のものは冷暗所で保存します。
冷凍庫で保存したみりんの賞味期限
みりんは冷凍庫では保存しません。
とくに本みりんには糖分が含まれているため、低い温度で保存すると糖の結晶ができてみりん本来の風味が飛んでしまうからです。
本みりんは14度前後のアルコール度数のため、冷凍庫で凍らせることができます。しかし、みりんは本来、うま味や香りを楽しむための調味料なので、凍らせることでも風味が飛んでしまうのでおすすめできません。
賞味期限が過ぎて傷んだみりんの特徴
賞味期限が過ぎて傷んだみりんはどのようになるのでしょうか。みりんは酒と同じ扱いで常温で台所の棚などに入れてあるので、“腐る”という表現はあまりぴんとこないかもしれません。
しかし、賞味期限を過ぎたみりんや正しい保存方法を取らないみりんは腐ってしまいます。
傷んだみりんをうっかり使わないように、特徴を紹介します。
特徴1:すっぱい臭いがする
傷んだみりんからは、酢のようにすっぱい臭いがしてきます。また、腐ったものから発せられる独特の臭いも漂ってきます。
みりんからこのような嫌な臭いが発生していたら、傷んでいる証拠です。賞味期限内だったとしても、使用しないのが得策です。傷みが気になる人は賞味期限が近づいたら、使うたびに匂いを確かめてみるとよいでしょう。
特徴2:白く濁る
傷んだみりんは白く濁りやすくなります。
カビが発生していることもありますし、味に違和感が出てきます。また、本みりんがまれに茶色く変色する場合があります。
これは、みりんに含まれる糖分とアミノ酸が化学反応を起こした結果です。みりんの保存方法が正しくない場合に良く起こります。直射日光が当たったり、温度が高すぎる場所に保管していると起こりやすいため、みりんの保管場所を変えましょう。
茶色くなったみりんは賞味期限内であれば使用できます。
【日数別】賞味期限切れのみりんはいつまで大丈夫?
賞味期限切れのみりんは、いつまで調味料として使い続けることができるのでしょうか。日数別に細かく検証していきます。
みりんは酒類・非酒類、未開封・開封後によって賞味期限に違いがあります。みりんはメーカーによって賞味期限が違いますが、一般的には本みりんは酒類のため、賞味期限がみりん風調味料より長めです。
開封後もアルコール分が品質を守ってくれるため、本みりんのほうが長持ちします。
賞味期限が1カ月過ぎたみりん
賞味期限が1カ月過ぎたみりんが未開封だった場合は、使用してしまう人が多いと言われています。ただし、正しく保存されている場合に限ってください。
賞味期限とは、みりんの風味がそのまま残り、おいしく調理に使える期限をメーカーが示したものです。そのため、賞味期限が過ぎたら、みりんが傷んでまったく使えなくなるわけではありません。しかし賞味期限切れはメーカーの保証がない状態なので、味や臭いをよく確かめてから使用してください。
賞味期限が半年過ぎたみりん
賞味期限が半年過ぎたみりんは、酒類・非酒類にかかわらず使用しないほうがいいと言われています。
しかし未開封で冷暗所に正しく保存されていて、開封してみたときに味や臭いに違和感がないみりんは、利用してしまう人がいるとも言われています。
賞味期限が半年も過ぎていると品質が変化している可能性が高いので、おすすめはできません。とくに非酒類のみりん風調味料は傷みやすいので、賞味期限から半年過ぎたら使わないようにしましょう。
賞味期限が1年以上過ぎたみりん
賞味期限が1年以上過ぎたみりんは、開封・未開封にかかわらず使用するのはやめましょう。
賞味期限はおいしく食べられる期限であり、本みりんは14度前後のアルコール分が含まれている酒類なので保存が利きますが、メーカーが推奨している期限を守ることで、おいしく安全にいただくことができます。
健康被害に遭遇しないように、食品の賞味期限は順守していきましょう。
みりんの正しい保存方法
開封後のみりんの正しい保存方法は、本みりんは冷暗所で、みりん風調味料は冷蔵庫で保存することが基本です。
開封前のみりんについては、本みりん、みりん風調味料のどちらも冷暗所で保存します。
冷蔵庫で保存する
開封後のみりん風調味料は冷蔵庫で保存します。
みりん風調味料は本みりんと違い、アルコール分が1%未満しか入っていないので抗菌作用が弱く、雑菌などが入った場合、品質が劣化しやすくなるからです。
みりん風調味料には糖類・酸味料・醸造酢、うま味調味料などが含まれています。傷みやすいので、開封後は要冷蔵と注意書きがしてあります。その分、みりん風調味料は本みりんよりも安価で売られています。
賞味期限切れのみりんには要注意!無理して食べないようにしよう!
開封後の本みりんは冷暗所で保存、みりん風調味料は冷蔵保存ですが、料理で使用する頻度などによっては、賞味期限を越えて使用してしまいがちな面があります。
賞味期限を越えたみりんは特に傷む危険性が高いので、冷暗所で直射日光が当たらないようにしっかり保存していきましょう。
みりんの臭いや色・味に違和感が出て変質が始まったら、賞味期限にかかわらず使用をやめるのが得策です。