日本の焼酎とボウルのボトル

【管理栄養士監修】賞味期限切れの「焼酎」はいつまで飲める?開栓後の保存方法などを解説

2020/07/02

焼酎には賞味期限はありません。しかし、保存状態が悪かったり、開栓から時間が経過していたりなどすると、焼酎も品質を保てなくなることがあります。そのため、焼酎の保存方法や、劣化したときの状態などは把握しておくようにしましょう。

管理栄養士、食生活アドバイザー。一女のママで出張料理、料理教室、講演、栄養相談も手掛けるほか、ライターとして...

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焼酎は賞味期限が過ぎても飲める?

酒、日本の酒
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お酒の種類は非常に多くありますが、その中で焼酎を好むという人も多くいます。焼酎は蒸留酒で、腐敗することはないため賞味期限はありません。

しかし、保存状態が悪かったり、開栓後の扱い方によっては焼酎が傷んでしまうことはあります。そのため、焼酎には賞味期限がないからと、油断をしてはいけません。

賞味期限と消費期限の違い

ここで、賞味期限と消費期限の違いについてまとめます。賞味期限とは、未開封で保存方法をしっかり守って保存した場合に、記載されている年月日、または年月まで「おいしく飲食できる」期限のことです。

賞味期限はスナック菓子・インスタントラーメン・缶詰など、製造・加工されてから、おおむね6日以上期限のある傷みにくい食品に記載されています。またこの期限を過ぎても、すぐに食べられなくなるわけではありません。

消費期限とは、賞味期限と同じように保存されたものなどが、記載されている「年月日」まで「安全に飲食できる」期限になります。お弁当・サンドイッチ・生菓子など、製造・加工されてから、おおむね5日以内の傷みやすい食品に記載されています。

もちろん賞味・消費期限ともに、開封してしまうことで、食品の保存状態が変化してしまうため、表示されている期限に関わらず、できるだけ早めに消費するようにご注意ください。

【保存方法別】焼酎の賞味期限は?

日本酒を注ぐ
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賞味期限は、その製品が品質を保って美味しく飲食できる期限の目安です。そのため、賞味期限が過ぎても、すぐにその食品が食べたり、飲んだりできなくなるわけではありません。しかし、その賞味期限が焼酎にはありません。

そのため、焼酎は長く保存しておくことができます。しかし、正しい保存方法が守られない焼酎については、いつまでもおいしく飲めるとは言えませんので注意しましょう。

未開栓の焼酎の賞味期限

焼酎には基本的に賞味期限がありません。焼酎は蒸留酒という種類のお酒で、製造過程で蒸留という工程があります。その蒸留によって、アルコール度数が高まり、同時に焼酎に混じっている不純物も取り除かれていきます。

不純物がなく、アルコール度数も高いことで、焼酎で菌は繁殖することができません。そのため、菌による品質の劣化が起こりにくく、焼酎には賞味期限がないのです。

開栓済みの焼酎の賞味期限

焼酎には賞味期限がありませんが、開栓すると空気に触れて成分が変化し、味や香りの劣化が始まります。劣化が始まるということは、賞味期限も発生することになります。しかし、焼酎には賞味期限の記載はありません。もし、日付が記載されている場合は、瓶詰めされた製造年月日といえます。

開栓後の焼酎の賞味期限は自身で判断する必要があります。ただし、基本的に多くのメーカーは、開栓後はなるべく早く飲みきってしまうことをすすめています。

冷蔵庫で保存した焼酎の賞味期限

焼酎は未開栓であっても、直射日光に当たったり、気温の高い場所で保存していると劣化してしまうことがあります。そのため、光と温度から焼酎を守るために冷蔵庫で保存するという人もいます。

しかし、焼酎を冷やして飲むという目的ではなく、保存ということで冷蔵庫を使うことはあまりおすすめできません。冷蔵庫で焼酎を保存すると、焼酎内の成分が凝縮して不純物となったり、原料由来で焼酎に溶けていた成分から油が浮きだしてきたりすることがあるからです。

冷凍庫で保存した焼酎の賞味期限

焼酎の保存は冷蔵庫と同様の理由で、冷凍庫での保存も避けた方が良いでしょう。ただし、焼酎を冷凍庫で保存ではなく、冷やして飲むために使用することはあります。

焼酎の中にはアルコール度数が40度を超えるものもあり、家庭用の冷凍庫に入れても凍りません。冷凍した焼酎はトロトロになり、キリッと冷えているので冷蔵庫で冷やした場合とは、また違った味わいとなります。

少しアルコール度数が低めの焼酎であれば、半分凍ってみぞれ酒となります。

常温で保存した場合の賞味期限

焼酎は未開栓でも、直射日光を当てたり、気温の高い場所に置いておくと、成分が変化して酸化してしまいます。焼酎は酸化すると、黄色っぽい変色が見られます。そのため、焼酎は日光が当たらず、常に30度以下を保つことができる冷暗所で保存するようにしましょう。

正しく保存できていて未開栓であれば、焼酎の劣化は少なくなります。

傷んだ焼酎の特徴とは?

日本の焼酎と陶器のボウル
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正しく保存されている焼酎には賞味期限がありません。しかし、保存状態が悪かったり、開栓後であれば、焼酎も傷んでしまうことはあります。

目安となる賞味期限の記載が焼酎にはないため、傷みがあるかどうかは自身で判断する必要があります。傷みのある焼酎にはいくつかの特徴が見られます。

特徴1:澱(おり)が発生する

冷蔵庫や冷凍庫、寒い場所などで保存をすると、焼酎の成分が凝縮して「澱(おり)」と呼ばれる浮遊物が発生することがあります。澱はもともと焼酎に含まれる成分のため、発生しても問題なく呑むことはできます。

ただし、風味や香りが変化してしまっている可能性があるため、本来のおいしさが保たれていません。そのため、澱が発生した焼酎は料理酒としてや、肉や魚の臭み消しに使うと良いでしょう。

特徴2:異臭

焼酎は開栓すれば空気に触れて酸化が始まります。焼酎にはもともと独特な香りがありますが、酸化が進むと普段の焼酎の香りとは変わってきて、油のような異臭がすることがあります。

焼酎は傷んでいても、見た目ではわかりにくいことも多いため、少しでも違和感がある場合には飲むことを避けるようにしましょう。

【日数別】焼酎はいつまで飲める?賞味期限について解説

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焼酎には賞味期限はありません。ただし、それは焼酎が未開栓の状態で、正しく保存されている場合です。

賞味期限がないとされている焼酎でも、開栓して品質の劣化を感じられた場合はおいしく飲むための期限を過ぎている状態、つまり賞味期限切れの状態と言えます。

開栓から1カ月過ぎた焼酎の賞味期限は?

焼酎は開栓をすると空気に触れて酸化が始まります。しかし、焼酎は不純物が少なくアルコール度数も高いため、もともと傷みにくいので、他の食材と違って開栓したからと数日で飲みきらなければいけないということはありません。

開栓後も正しく保存されていれば1カ月経過していても飲むことはできます。ただし、徐々に香りが飛んでしまい、保存状態によっては劣化が進むこともあるので、できれば早く飲みきってしまうことが望ましいです。

開栓から半年過ぎた焼酎の賞味期限は?

焼酎は傷みにくいので、開栓した後も正しく保存ができていれば半年ほど経っても飲むことができるでしょう。

しかし、開栓から半年も経てば酸化が進み、香りが飛んで品質は劣化してしまっている可能性があります。開栓から半年過ぎた焼酎を飲む場合はよく状態を確認して、自己責任で飲むようにしましょう。

開栓から1年以上過ぎた焼酎の賞味期限は?

正しく保存ができていれば、開栓から1年経った焼酎も呑める可能性はあります。しかし、できれば飲むことは避けましょう。

また、飲めたとしても品質が劣化してしまっている可能性が高いです。そのため、開栓から1年経った焼酎をどうしても使いたいのであれば、飲むよりも料理酒としてや、肉や魚の臭み消しとして使うのがおすすめです。

焼酎の正しい保存方法

日本の酒
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焼酎は開栓せずに正しい方法で保存すれば、賞味期限を気にする必要がありません。しかし、焼酎の正しい保存方法を把握できていなければ、開栓前であっても劣化させてしまうこともあります。

そのため、焼酎をおいしく楽しむためにも、正しい保存方法を把握しておくようにしましょう。また、正しい保存方法を把握しておくことで、開栓後の焼酎も長くおいしい状態を保つことができます。

日光を避けて保存する

焼酎は日光に当てると酸化が進んでしまいます。また、焼酎の温度も上がってしまうことで、風味の劣化も早まってしまいます。このような特徴から、焼酎のボトルは色付きの物が多く、日光を通しにくい濃い色のガラスが使われている場合がほとんどです。

しかし、ボトルに工夫がされていても、日光に当ててしまうと完全には遮光できません。そのため、焼酎が劣化してしまうので、光を当てないためにも、箱に入れたり新聞紙などで包んで保存すると良いでしょう。

高い気温を避けて保存する

焼酎は気温30度以下で保存することが推奨されています。そのため、涼しい場所で保存するようにしましょう。ただし、寒すぎる場所で保存すると、成分の凝縮によって澱(おり)が発生してしまう可能性があります。

そのため、冬場は焼酎の気温が低すぎない場所で保存したり、焼酎の温度が下がりすぎないように箱に入れたり新聞紙などで包んだりするようにしましょう。

空気に触れないように保存する

焼酎は空気に触れると酸化が始まります。開栓後はできるだけ空気に触れないようにしっかりと密閉するようにしましょう。

開栓をしたからといってすぐに品質の劣化が起こったりはしませんが、保存方法によっては傷みが始まることもあるので、開栓後はなるべく早く飲むようにしましょう。

また、横に倒すよりも焼酎が空気に触れる面積を減らせるので、瓶を立てた状態での保存がお薦めです。

焼酎の保存方法を守り開栓後の賞味期限には注意しよう!

日本の焼酎と陶器のボウル
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焼酎に賞味期限はありません。しかし、それは開栓前で、正しく保存できている場合です。

保存状態が悪かったり、開栓から時間が経過していたりなどすると、焼酎も品質を保てなくなることがあります。開栓後は特に保存方法に気を使いましょう。

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