【管理栄養士監修】賞味期限切れの「キムチ」はいつまで食べられる?開封状態に分けて解説
2020/07/02
キムチは発酵食品のため、傷みにくいと思っている人も多いのではないでしょうか。しかし、食品である以上、正しく保存ができていなければ当然傷みます。今回は、キムチを安全においしく食べるうえで知っておきたい、賞味期限と正しい保存方法について解説します。
賞味期限と消費期限の違い
まず賞味期限と消費期限の違いについてまとめます。賞味期限とは、未開封で保存方法をしっかり守って保存した場合に、記載されている年月日、または年月まで「美味しく食べられる」期限のことです。
賞味期限はスナック菓子・インスタントラーメン・缶詰など、製造・加工されてから、おおむね6日以上期限のある傷みにくい食品に記載されています。またこの期限を過ぎても、すぐに食べられなくなるわけではありません。
消費期限とは、賞味期限と同じように保存していた食べ物などが、記載されている「年月日」まで「安全に食べられる」期限になります。お弁当・サンドイッチ・生菓子など、製造・加工されてから、おおむね5日以内の傷みやすい食品に記載されています。
もちろん賞味・消費期限ともに、開封してしまうことで、食品の保存状態が変化してしまうため、表示されている期限に関わらず、できるだけ早めに消費するようにご注意ください。
【保存方法別】キムチの賞味期限は?
賞味期限は未開封で正しく保存された場合を想定して設定されています。そのため、保存状態が悪ければ、パッケージに記載されている賞味期限よりも早く期限を迎えてしまうこともあります。
キムチを安全においしく食べるためにも、どのような状態で保存すれば、どのくらい賞味期限が変わるのかを把握しておくようにしましょう。
未開封のキムチの賞味期限
賞味期限は、未開封で、正しく保存されていた場合を想定して設定されています。そのため、未開封で正しく保存できていたキムチは、パッケージに記載されている賞味期限に従うことになります。
キムチは発酵食品なので賞味期限が長いと思っている人もいますが、日本で製造されるキムチのほとんどは浅漬けなので、2週間から1カ月程度の賞味期限が設定されていることが多いです。
開封済みのキムチの賞味期限
パッケージに記載されている賞味期限は、未開封で正しく保存ができていた場合を想定して設定されたものです。そのため、開封した場合は記載通りの賞味期限まで、品質を保つことはできなくなります。
開封後は保存状態によって傷みの進行が変わってくるため、自身で状態を確かめることになります。また、多くのメーカーで開封後はできるだけ早く食べきることをすすめています。
賞味期限が過ぎて傷んだキムチの特徴
賞味期限は、品質を保っておいしく食べられる目安の期限です。賞味期限が過ぎてもすぐに食べられなくなるわけではありませが、保存状況によっては早く傷んでしまうこともあります。
キムチは発酵食品だから傷みにくいと思わずに、賞味期限が過ぎているのであれば、必ずその状態を確認しましょう。もし、傷んでいれば、キムチからはいくつかの特徴が見られるようになります。
特徴1:変色する
キムチは時間が経つと、旨味成分や乳酸菌によって白く変色してくることがあります。これらはキムチの食材にもともと含まれる成分なので、問題なく食べることができます。ただし、カビが生えたことによる変色の可能性もあります。
単にキムチの成分による変色なのか、カビによる腐敗を伴った変色かを判断することは難しいので、変色が見られた場合は食べることを避けた方が良いでしょう。
特徴2:ヌメリがある
キムチが傷んで雑菌が繁殖してしまうと、他の食品と同じように糸を引いて、ヌメリが出るようになります。
また、ヌメリが出るような状態になると、発酵ではなく腐敗が進み、アルコールのような臭いがしたりもします。見た目と臭いで傷んでいることがすぐに判断できるので、このような状態になった場合は食べることはできません。すぐに処分しましょう。
特徴3:酸味が強すぎる
キムチは発酵が進むと酸味が強くなります。しかし、その酸味が強くなりすぎている場合は、発酵ではなく、腐敗が進んでいる可能性があります。
腐敗の場合は、酸味だけでなく、色や味、臭いなどにも違和感が出てきている場合もあります。もし、発酵と腐敗の区別が難しいと感じた場合には、食べることは避けた方が良いでしょう。
【日数別】賞味期限切れのキムチはいつまで食べられる?
賞味期限が切れると味や風味は落ちるものの、すぐに食べられなくなるわけではありませんが、キムチの保存方法によっては食べられなくなることもあります。
そのため、賞味期限は少し過ぎたくらいだから大丈夫と判断せずに、必ずキムチの状態を確認する必要があります。
賞味期限が1〜3日過ぎたキムチ
賞味期限はその製品が品質を保っておいしく食べられる目安の期限なので、賞味期限が切れたとしても、正しく保存ができていれば数日くらいであれば問題なく食べられることが多いです。
キムチは1〜3日ほど賞味期限をすぎただけであれば、問題なく食べられることが多いです。ただし、保存状態が悪ければ傷んでしまうこともあるので、念のため状態は確認し、自己責任で食べましょう。
賞味期限が1週間過ぎたキムチ
キムチは種類や保存状態などにもよりますが、開封してから1〜2週間くらいは食べることができると言われています。
未開封の状態で正しく保存されていた場合、賞味期限が1週間ほど過ぎていても食べることはできますが、キムチの発酵の進みや腐敗によって、酸味が強くなってしまっている可能性もあります。
保存状態によっては早く傷むこともあるので、必ず食べる前には状態を確認しましょう。
賞味期限が1カ月過ぎたキムチ
正しく保存されていたキムチであれば、賞味期限が1カ月ほど過ぎていても、食べられる可能性はあります。ただし、発酵の進みや腐敗によって酸味が強くなったり、キムチの成分で変色をしている可能性もあります。
酸味が強いことや変色は、キムチが傷んだときに見られる特徴でもあり、発酵が進むと腐敗との区別が付きにくくなってしまうこともあるので、賞味期限が1ヶ月過ぎたキムチは食べることを避けた方が良いでしょう。
キムチの正しい保存方法
冷蔵庫で保存する
キムチの保存温度は10℃以下です。キムチの保存には冷蔵庫が適しています。また、冷蔵庫の中でも温度が低いチルド室が適しています。
また、キムチは空気に触れると酸化が進んで、酸味が強くなります。
そのため、もとから密閉できる容器に入っていた場合には、しっかりとふたを閉めて保存しましょう。袋入りのキムチであった場合は、パッキンが取り付けてある保存容器やジッパー付きの保存袋へ小分けに移し、酸化や発酵を遅らせるためにも、できるだけぴったり詰めて密閉するようにしましょう。
冷凍庫で保存する
賞味期限を延ばす定番の保存方法は冷凍です。しかし、日本でつくられたキムチは浅漬けの物が多く、野菜に多くの水分が残っています。そのため、キムチを冷凍してしまうと、解凍時に水分が出て水っぽくなったり、食感が悪くなってしまいます。
しかし、チヂミやキムチ焼きそば、チゲ鍋のように加熱して使うのであれば、冷凍保存でも良いでしょう。
賞味期限切れのキムチには要注意!無理して食べないようにしよう!
キムチは発酵食品のため、傷みにくいと思っている人がいます。しかし、キムチも食品なので、正しく保存ができていなければ傷んでしまうこともあります。
賞味期限が過ぎたキムチも、少しくらいなら大丈夫と判断せずに、食べる前に状態をよく確認しましょう。また、少しでも違和感がある場合には、無理してまで食べないようにしましょう。