カラフルなクリスマスライトボケの背景に氷とウイスキーのガラス

【管理栄養士監修】賞味期限切れの「酒」はいつまで飲める?保存方法と合わせて解説

2020/07/21

酒は傷みにくい飲み物で、種類によっては賞味期限がないものもあります。しかし、保存状態が悪ければ品質を落としてしまうことがあります。そのため、酒を安全に、おいしく飲むためにも、賞味期限と正しい保存方法について把握しておく必要があります。

管理栄養士、食生活アドバイザー。一女のママで出張料理、料理教室、講演、栄養相談も手掛けるほか、ライターとして...

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酒は賞味期限がすぎても飲める?

ビールフライト
Christopher Zagyi/gettyimages

お酒にはウイスキーのようにアルコール度数が高いため、賞味期限がないという種類もある一方、ビールやチューハイのように賞味期限があるものもあるので、傷んだ酒を飲んでしまわないよう、賞味期限についてはしっかりと把握しておきましょう。

賞味期限と消費期限の違い

ここで、賞味期限と消費期限の違いについてまとめます。賞味期限とは、未開封で保存方法をしっかり守って保存した場合に、記載されている年月日、または年月まで「おいしく飲食できる」期限のことです。

賞味期限はスナック菓子・インスタントラーメン・缶詰など、製造・加工されてから、おおむね6日以上期限のある傷みにくい食品に記載されています。またこの期限をすぎても、すぐに飲食できなくなるわけではありません。

消費期限とは、賞味期限と同じように保存がされたものが、記載されている「年月日」まで「安全に飲食できる」期限になります。お弁当・サンドイッチ・生菓子など、製造・加工されてから、おおむね5日以内の傷みやすい食品に記載されています。

もちろん賞味・消費期限ともに、開封してしまうことで、食品の保存状態が変化してしまうため、表示されている期限にかかわらず、できるだけ早めに消費するようにご注意ください。

冷蔵庫で保存した酒の賞味期限

賞味期限は、未開封の状態で正しく保存された場合を想定して設定されています。そのため、ビールやチューハイなどの冷蔵庫で保存ができる酒の場合、パッケージに記載されている賞味期限に従うことになります。

ただし、種類にもよりますが、酒は冷やしすぎると成分が凝縮して風味が落ちてしまうこともあります。そのため、冷蔵保存をするときは、冷気の吹き出し口や通常よりも低温になるチルド室は避けたほうがいいでしょう。

常温で保存した場合の賞味期限

ビールやチューハイ、ウイスキーや焼酎など、どの酒であっても、基本的には未開封であれば常温で保存することができます。そのため、常温保存の場合でもパッケージに記載された賞味期限に従うことになります。ただし、アルコール度数の高い酒には賞味期限はありません。

酒を常温保存する際は、劣化のいちばんの原因となる、高温や低温になりすぎない場所で保存するようにしましょう。

賞味期限がすぎて傷んだ酒の特徴

白い背景の上のビールのトースト
taa22/gettyimages

酒は基本的に傷みにくい飲み物です。しかし、正しく保存ができていなかったり、開封してから時間が経ちすぎたりすると傷んでしまうこともあります。

そのため、賞味期限がすぎているのであれば、必ずその酒の状態は確認するようにしましょう。もし、傷んでいれば、酒からはいくつかの特徴が見られるようになります。

特徴1:浮遊物や沈殿

ビールやチューハイなどはよく冷やして飲むのが一般的ですが、先に述べたとおり、酒は冷やしすぎると成分が凝縮して、風味が落ちてしまいます。

冷やしすぎた酒は色が変わったり、凝縮した成分が結晶化して、浮遊物になったり沈殿してしまうことがあります。飲むだけであれば品質に問題はありませんが、風味が弱くなったり、酒の本来のおいしさは損なわれている可能性があります。

特徴2:日光臭

酒は常温で保存することができますが、直射日光は避けて保存する必要があります。日光に当て続けると、酒の成分が変化し、風味が損なわれたり異臭を放つ場合があるからです。

そのため、瓶ビールや焼酎などのように、色つきの瓶に入っている酒もありますが、それだけでは完全に遮光できるわけではないため、注意しましょう。

特徴3:酸化臭

酒は空気にふれると、急激に酸化が進んでいきます。そのため、開栓後は空気にふれないように保存する必要があります。空気にふれることで、酒の原材料に含まれていた油分などの酸化が進み、酸っぱい臭いがします。

とくに、ビールなどの炭酸を含んだ酒は、炭酸が抜けやすいこともあるため、開栓後はすぐに飲みきることが本来の味を楽しむ方法となります。

酒の正しい保存方法

賞味期限は正しい方法で保存されている場合を想定して設定されています。酒は傷みにくい飲み物ではありますが、保存状態が悪ければ品質を落としてしまうこともあります。酒のおいしさを長く保つためにも、正しい保存方法を把握しておくようにしましょう。

常温で保存する

酒は基本的に常温で保存することができます。直射日光を避け、高温や低温になりすぎない場所で保存する必要があります。

また、湿気の多い場所も避けましょう。ワインのように、コルクの乾燥を防ぐために湿度を高めに設定して保管するものもありますが、そのほかの酒では、湿気の多い場所で保存すると、金属製のキャップやボトルのラベルなどにサビやカビが発生する可能性があります。

未開封であれば中身までは傷みにくいですが、栓がもろくなって空気が入ることも考えられます。

冷蔵庫で保存する

酒は冷やしすぎると、成分が凝縮してしまって浮遊物や沈殿によって濁りが出る可能性があります。

酒を冷蔵庫に入れる際には保存を目的とせず、飲む前に冷やすことを目的にしましょう。また、冷えすぎることを避けるために、冷気の吹き出し口の近くやチルド室は避けて保存しましょう。

酒は冷凍庫で保存できる?

冷凍保存は、一般的な食品の賞味期限を延ばす定番の保存方法として活用されています。しかし、ビールやチューハイなどを冷凍してしまうと、液体が膨張して容器が破裂してしまう可能性があります。たいへん危険なため、冷凍庫での保存は避けてください。

また、ビールやチューハイ以外の場合でも、酒が膨張したり、ボトルが割れてしまう危険性がありますので冷凍保存には向いていません。

賞味期限切れの酒には要注意!無理して飲まないようにしよう!

ノンアルコールビールと食品
kuppa_rock/gettyimages

賞味期限は、品質を保っておいしく飲食できる目安の期限です。そのため、賞味期限が切れてもすぐに食べたり、飲んだりできなくなるわけではありません。また、酒は傷みにくい飲み物でもあります。

しかし、酒も保存状態が悪ければ品質を落としてしまうことがあります。もし、賞味期限が切れた酒に、少しでも違和感がある場合には無理して飲まないようにしましょう。

 
 

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